2018.02.19  名護とオリンピックと憲法
     韓国通信NO548

小原 紘(個人新聞「韓国通信」発行人)

護へ 私は「ふるさと納税」
 ふるさと納税は過疎と税収不足にあえぐ「ふるさと」を応援する目的から始まった(2008年4月~)。寄付のお礼に各自治体から地元特産品などがもらえるので話題になった。
2千円を自己負担すれば実質的な負担がないのでふるさと納税をする人が多い。寄付をして儲ける「せこい」発想も見える。
 名護市へふるさと納税をしてから4年になる。毎回送られてくるのは礼状と領収書だけ。それでも名護へ寄付をする人は多いようで、「2015年度の寄付(16年3月7日現在)は約2億5778万円(1188件)で14年度より金額が約12倍、件数も約2倍に増えた(2016/3/1付 琉球新報)」。名護市のホームページには寄付した人の名前と金額が「応援メッセージ」とともに掲載される。

<ふるさと納税に希望を託す>
 稲嶺氏の敗北を待っていたとばかりに、これまでストップしていた巨額の「基地再編交付金」が政府から交付される。安倍首相は「本当に良かった。名護市民に感謝し、責任を持って応援する」と稲嶺落選に喜びを隠さない。腹立たしい限りだ。確定申告を書きながら空しさがつのる。
 それでも、「ふるさと納税」を続けるつもりだ。少し複雑な気持ちだが、寄付はもともと市長個人のためではなく辺野古基地に反対する名護市民への応援だった。今年の応援メッセージに「基地に反対する名護市民ガンバレ!」と書くつもりだ。
法を変える
 憲法改悪が年内にも国会で発議され、国民投票が行われそうな気配が濃厚だ。何を変えようとしているのかはっきりしないが、焦点として自衛隊と憲法9条の問題が大きく浮上してきた。自民党の最終目標が2012年の「憲法草案」だというのはいうまでもないが、戦争法(安保法制)との整合性を持たせるための9条改廃が焦眉となった。
何故9条を変えることが現実味を帯びだしたのか。
 「アメリカは北朝鮮の核とミサイルから日本を守ってくれる。アメリカと一緒に日本が戦うのは当然だ。国を守る自衛隊が憲法違反なのはおかしい」という雰囲気の中で議論をしたら世論は9条変更に傾きそうな気配だ。既にマスコミの論調はその方向で進んでいる。モヤモヤした気分で北朝鮮の「脅威」に踊らされたら9条も危うい。
 平昌オリンピックをきっかけに南北対話が進もうとしている。対話には過去幾度となく裏切られてきた韓国だが少しでも希望があれば期待するのは当然だ。「文在寅大統領は北に乗せられている」と韓国の右翼が騒いでいる。日本政府も対話の「自制」を求めるなど極めて冷ややかである。わが国のマスコミも同じ論調に見える。朝鮮半島の分断の歴史と統一への思いを知らなすぎる。まさか南北が仲良くなっては不都合というわけでもないだろうに。
 戦争をするなら9条は変えたほうがいい。平和を望むなら9条を変えるべきではない。オリンピックのテーマは「平和」。政治家たちの思惑とは別にアジアの「火薬庫」に世界の平和の目が注がれ、トランプも安倍も「ちょっかい」を出しにくくなった。これまで自衛のための戦力は合憲と主張してきた自民党が今頃になって自衛隊は「憲法違反」だから憲法を変えるというのは「へ理屈」だ。

2018.02.18  原寿雄さんを追悼するシンポジウムのお知らせ

ジャーナリスト原寿雄さんが亡くなってから3か月余り。原さんを追悼し、「デスク日記」をはじめ彼が追求し続けた、いかなる権力からも独立し、真実の報道を目指すジャーナリズムについて、語りあうシンポジウムが、3月10日13:30~16:00、東京・内幸町のプレスセンター10F大会議場で開催されます。参加自由、会費千円(学生無料)。

          原寿雄さんを追悼するシンポジウムのお知らせ
2018.02.17  中国とどう向きあうか――護憲勢力の落し穴
          ――八ヶ岳山麓から(250)――

阿部治平 (もと高校教師)

日本はこのままでは改憲に進む。
世論調査のたび、安倍政権のもとでの改憲に反対というひとは多数を占めるが、護憲世論は決して安定した多数ではない。先の総選挙では集団的自衛権に反対する衆議院議員は5分の1になったし、名護市長選では負けるし……。
改憲の焦点は、対外戦争を予定した自衛隊を憲法に明記するか否かだから、東アジアに緊張状態があるかないかで世論の動向はガラリと変わる。緊張の焦点は金正恩氏とトランプ氏だが、これは誰もがわかっていることだから、ひとまずおいておく。
以下中国の東アジアにおける軍事的プレゼンスについて、既述の内容も含めて私の見方を述べる。

中国はかつて新安保法制が審議されているさなか、尖閣で軍事挑発を続けた。これが安倍政権への熱い支援になったことは間違いない。北朝鮮の核・ミサイル問題があるから、今日明日だというのではないが、今後改憲論争のさなかに尖閣で大きな軍事行動に出る可能性は否定できない。
1月には中国潜水艦が尖閣諸島の接続水域を潜没航行するという事件があった。これへの日本政府の抗議には、中国の領海を中国の潜水艦が航行して何が悪いかと返答した(この航行は、習政権の日本接近が中国側の弱腰と受止められぬようにとの、習近平主席じきじきの指示だったという観測がある)。
ところが同じ1月23日環球時報は、日中両国が良きパートナーになるためには尖閣諸島での軍事的緊張を回避すべしとの社説を掲げた。言行不一致などまったく気にしないのである。
環球時報社説はつづけて、「今日、中国のGDPはすでに日本の3倍近くになり、両国間の実力比は歴史的に逆転した。日本は中国の台頭を真剣に受け入れるべきであり、中国は19世紀以来、長らく日本に圧迫され侮辱されてきた民族感情を調整する必要がある」という。日本は二流国家に転落した現実を認識して、中国に逆らうな、ということである。
これが中国がいう「中華民族の復興」である。これでは日本護憲派の「核心的利益」など歯牙にもかけないことは確実だ。

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2018.02.16  元号をやめて西暦にしませんか
           メール通信「昔あったづもな」第72号

小澤俊夫 (小澤昔ばなし研究所所長)

 天皇が退位されることになり、新しい元号が話題になっているが、ぼくはこの際、元号はやめて、西暦に切り替えたほうがいいと思う。元号で時代を考えるために、われわれの時代感覚は短い時間に限定されてしまっていると思うからである。
 例えば、日清戦争は明治27・28年だった。今から何年前ですか、と言われて、すぐに答えられる日本人はほとんどいないだろう。西暦ならば、2018年から1894年を引き算すれば、124年前とすぐわかる。このことは単純なことのようだが、実はわれわれ日本人の時代感覚に大きな影響を与えていると思うのである。
 
 われわれは、室町時代とか明治時代、大正時代などというが、そのとき、現在との時間的距離は意識しないで、室町時代という時間的かたまりを意識しているに過ぎない。満州事変以来の時代に起きた出来事も、現在につながる出来事としてよりも、昭和時代という時間のかたまりのなかの出来事としてしか把握しない。その表れのひとつが韓国の従軍慰安婦問題ではないかと思う。日本人にとっては、あれはもう昭和時代という過去の一時期の出来事に過ぎないのである。韓国の人にとってはとてもそんなものではないのに。

 われわれはその意味で、時間的近視眼なのである。遠くは見えない。
 この近視眼は、時間だけでなく、空間についても効いているようである。第二次大戦末期にインパール作戦という大作戦の失敗があった。3万人の兵士が餓死、病死して敗退したということである。ビルマを横断して北上する約470キロ行軍の大作戦だったのだが、参謀本部は、山脈あり、大河ありのこの行軍が実際にどれほどの困難を伴うものか、イメージできなかったのだと思う。武器弾薬と食料を運ぶのに、牛や馬の背に乗せたというのだ。これなどは、農村での仕事の発想の応用ではないか。近視眼そのものである。敵の襲撃を受けると、牛や馬は四方八方へ逃げてしまい、日本軍は武器弾薬と食料を一気に失ってしまったこともあるという。
 
 この時間的、空間的近視眼を拭い去るために第一にするべきことは、元号をやめて西暦にすることである。時間を長いスパンで見ることが基本である。
 しかし、西暦はキリスト教の暦年だから日本には向かないという考えもあるだろう。だが、共産国である中国でさえ、年号を廃止して西暦にした。ロシアも共産国時代から西暦である。
 そもそも元号とは、古代中国の前漢時代に、武帝という専制君主が作ったものということである。紀元前二世紀の話である。それを、二十一世紀の日本が、唯一の国として後生大事に守っているということ自体、驚きではないか。
 マスメディアは、そんなことは取り上げず、「元号にはMTSHは使わないほうがいい」などということで盛り上がっている。情けない話である。(2018.2.9)
2018.02.15  名護市長選挙―「選挙結果がすべて」ではない

宮里政充 (元高校教師)

政権与党によるあからさまな利益誘導型の選挙だった
2月4日に行われた沖縄県名護市長選挙は、事実上、辺野古への米軍普天間飛行場移設を推進する安倍政権とそれに反対する翁長雄志沖縄県知事による代理戦争であった。だから菅義偉官房長官を中心として政権与党はなりふりかまわぬ選挙戦に出たのである。
昨年12月には菅官房長官自らが沖縄入りして渡具知武豊候補とその支持者らと会い、総事業費1000億円の「名護東道路」(8.4キロメートル)の未完成区間(2.6キロメートル)を前倒しして1年半で完成させることを約束、さらに道路の延伸調査を関係省庁に指示したことを明らかにした。
また、全国土地改良事業体連合会の会長である二階俊博幹事長は今年の2月4日に沖縄入りし、土地改良事業の関係者にわたりをつけた。1000票以上の票が渡具知候補に流れると踏んだのである。

このような利益誘導は4年前の同市長選挙の際、当時の石破茂幹事長が500億円の地元振興基金構想をぶち上げ、地元有権者の反発を買って、稲嶺氏に約4000票の差をつけられた。今回菅官房長官も二階幹事長も、その失敗を繰り返さないように注意を払いながら、ぎりぎりの手法を用いたものと思われる。
この2人のほかに、100人にも及ぶ与党国会議員を沖縄入りさせ、建設、運送、自動車整備などそれぞれが得意とする業界を回って渡具知支持を呼び掛けたという情報もある。
それとは別に、小泉進次郎、三原じゅん子、小渕優子ら人気のある国会議員を現地に送って応援させたのも功を奏した。彼らは盛んに期日前投票を訴えたが、その作戦が選挙民を渡具知支持へ傾斜させていったようである。
これらの結果、2期にわたって移設反対を守り通してきた現職稲嶺進氏は移設賛成の新人候補渡具知武豊氏に破れることとなった。渡具知氏20389票、稲嶺氏16931票の得票で、その差は3458票だった。投票率は76.92%。

稲嶺氏退任式
2月7日、市役所で稲嶺氏の退任式が行われた。市役所には2期8年の最後を見届けようと400人を超える市民が駆け付けた。琉球新報によれば、稲嶺氏は「20年にわたり、国策の下で市民は翻弄されてきた。なぜ、こんなに小さな町で国策の判断を市民が求められるのか。いつまで続くんだろうと思うと心が痛い」と時折、言葉を詰まらせながら苦悩の日々を語った。市民は涙で目を真っ赤にし、稲嶺さんに「ありがとう。ごくろうさま」と声を掛けた。花道の最後には市民による胴上げも行われ、稲嶺さんは4度、高らかに空を舞い、笑顔で市役所を後にした。

渡具知新市長初登庁
渡具知武豊新市長は8日に初登庁し、記者団の質問に対し、「『ずっと尾を引いてる。どういった努力をすれば(移設容認派と反対派の)分断がなくなるのか私の考えを丁寧に説明していくことが必要だと思う』とだけ述べた」(2.8琉球新報)

さて、新しい市長となって、辺野古新基地建設反対運動は下火になったのか。もちろん否である。9日午前、キャンプ・シュワブの護岸ではクレーンが砕石を投入する作業が行われたが、ゲート前やカヌーによる抗議行動は続いている。

移設容認派の勝因―票の流れ
今回の選挙では菅官房長官のテコ入れはすさまじかった。前回選挙と違って今回は公明党の全面的な協力を取り付け、さらに維新の下地幹郎衆議院議員をうまく抱き込んで万全の態勢を敷いた。公明票が2000から2500、下地氏の票が約1500とされているから、得票差の3458票とも計算が合う。

もう一つの勝因は、立憲民主党が「推薦」ではなく「支持」にまわったことである。かつて民主党政権の時鳩山由紀夫総理大臣が「最低でも県外」と宣言して名護市民や沖縄県民を大いに喜ばせておきながら挫折したトラウマは大きく、民主党が野に下った後も代表の岡田克也氏は「米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設について、沖縄県のみなさんが反対するのはわかる。我々としては、対案がない状況で無責任に『辺野古反対』とは言えない。与党時代に国内で様々な案を検討したが、移設先は見つからなかった。対案を見つけるとしたら、政府しかできない」(2015.10.23朝日新聞)と語っていた。これは自分たちの政権で実現できなかったものを現政権に求めるという、極めて無責任な発言であるが、現在野党第一党である立憲民主党も同じようなスタンスをとっているのであろう。辺野古移設の問題に深入りしたくないということか。たとえば、枝野代表が名護市へ何度も足を運び、稲嶺候補を応援していたら、稲嶺氏の得票にかなりいい影響を与えたはずだと私は考える。そして名護市長選への積極的なかかわりが立憲民主党を活性化させるきっかけになったのではあるまいか。辻元清美国対委員長が2月3日に名護入りしたが、同じ日に自民党の小泉進次郎氏は2度目の名護入りをし、2000人もの市民を熱狂させたのである。とても太刀打ちできるものではない。

3つ目の勝因は、渡具知候補が辺野古移設の「争点ぼかし」を徹底させたことである。この作戦はもちろん、基本的には平和主義の立場から辺野古移設反対の姿勢を保っている地元公明党をおもんぱかってのことであろうと思うが、この「争点ぼかし」は「反対」や「分断」に疲れている名護市民に、一つの可能性に向けての選択肢を与えることになったと思われる。事実、選挙期間中も埋め立て作業は行われていたし、市長や知事がいくら頑張っても移設を止めることはできない現実が目の前にある。2010年以来稲嶺市長が拒否してきた国からの「再編交付金」を受け取って市を活性化させた方がいいのではないかと市民が思い始めても不思議ではない。経済政策優先を掲げた渡具知候補の方により説得力があったということだ。

国は札束で頬をたたく
政府は金をばらまいた。たとえば、抗議船に立ち向かう警戒船の日当5万円がそうだ。もうひとつは、政府による交付金。2015年10月、インフラ整備や住民補償を条件に辺野古移設を容認している辺野古・豊原・久志の3区には名護市長の頭越しに地元振興費(1区当たり1300万円、計3900万円)を直接交付している。三つ目。2014年5月、沖縄防衛局は海域の埋め立てに伴う漁業補償金として名護漁業協同組合に約36億円(組合員1人当たり約2000万円)を支払う契約を結んだ。辺野古移設に反対しなければ金が手に入るというわけだ。

最後にもう一つ。これは金に絡むことではないが、市長選の前に、米軍機の相次ぐトラブルがあり、松本文明内閣副大臣が国会審議中に「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばして問題になった。菅官房長官も安倍総理も名護市長選への影響を考え、翌日には松本氏を辞職させた。この有無を言わせぬ素早い対応がなければ、渡具知候補の勝利はあり得なかったに違いない。名護市長選に臨む政府の緊張感は尋常ではなかったのである。

確かに選挙には勝ったが
このようにして辺野古移設容認派は選挙に勝利した。政府は渡具知氏が勝利した名護市政に対して2010年以来実施してこなかった「再編交付金」を2017年度から再開する方針である。「再編交付金」は米軍再編に伴って新たに基地を受け入れる自治体に交付されるものである。(稲嶺市政で拒否してきた交付金の総額は約135億円に上る)その結果、名護市は財政的に潤い、渡具知氏が公約した経済政策は進展していくだろう。
2月8日の記者会見で「名護市長選の結果は辺野古移設容認ではないのではないか」という記者の質問に対して菅官房長官は「選挙の結果がすべてだ」と答えた。だが、移設問題、ひいては沖縄の米軍基地問題はそうはいかない。名護市も沖縄県も政府が「選挙の結果」ですべてを仕切ろうとすれば、今度は別の「選挙結果」を招くことになるのである。渡具知新市長は選挙期間中徹底して辺野古移設問題を避けた。「白紙委任状ではない」と東京新聞(2018.2.5夕)は指摘したが、そのとおりだ。今後、渡具知新市長の政策運営によっては公明党との間に齟齬をきたすこともありうる。米軍機のトラブルは選挙後も発生している。

過去5度の名護市長選挙結果は辺野古移設容認派が3勝、反対派が2勝と拮抗している。辺野古移設問題に限らず、戦後70年もの間沖縄に米軍基地の負担を押し付け、今後もその状況が変わらない限り、名護市民も沖縄県民も米軍基地反対の姿勢を崩すことはあり得ないのである。
本当に辺野古移設が「唯一の解決策」なのかという基本的な問題や、9月に行われる知事選への影響については別稿に譲りたい。(2018.02.12)
2018.02.14  河野外相談話を撤回し、核兵器持ち込み拒否の再確認を(下)

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

このような全面核戦争から局地的な核使用まで、核攻撃を選べる核戦略は50年代から70年代まで盛んだった。冷戦下、ソ連を核攻撃できる戦略核兵器と、朝鮮半島や中国はじめ、世界どこででも使用できる、射程が短く,核弾頭規模が小さい戦術核兵器の区別があった。米国は沖縄に中国を核攻撃するためのメースBミサイルなどを配備し、嘉手納基地の巨大な弾薬庫などに1,300発もの核弾頭、核爆弾を貯蔵していた。グアムからB52戦略爆撃機が飛来し、中国、ソ連方面への戦略パトロール飛行も行っていた疑いが濃かった。沖縄への核兵器持ち込みは、沖縄返還協定で否定されたが、有事持ち込みの密約が残った。
今回の『核態勢の見直し』では、規模の小さい核兵器の生産・保有・配置の方針が明記された。ロシアと中国を仮想的として、両国の核戦力増強を強調した。中国を限定核攻撃する攻撃機、潜水艦と水上艦艇が沖縄の米軍基地を拠点とし、沖縄に貯蔵する核弾頭を装着する態勢づくりが、『核態勢の見直し』の背後ですでに着手されているかもしれない。
今回の『核態勢の見直し』から、沖縄に限らず、原子力潜水艦が配備されている横須賀米海軍基地、核攻撃が可能な新戦闘攻撃機が配置された岩国米空軍基地など本土の米軍基地も、いつでも核攻撃に使用できる態勢に強化される危険があると考えるべきだ、と改めて思う。
安倍政権が「核態勢の見直し」を高く評価するなどとんでもないことだ。沖縄にふたたび核兵器を持ち込まないよう、トランプ政権に求めることこそ、『核態勢の見直し』に対して安倍政権が確認すべきことではないのか。

▼証言で沖縄の核を立証したNHK
すでにご覧になった方も多いと思うが、NHKは昨2017年9月10日、米国と沖縄で取材を積み重ね、米国防総省が「沖縄の核兵器を配備していた事実」を初めて認め、機密を解除した一連の取材をまとめ、放送した。NHKスぺシアル「スクープドキュメント・沖縄と核」。12月17日に、NHKドキュメンタリー「沖縄と核」で再放送した。
戦後でも最重要なスクープ、テレビ・ドキュメンタリーの一つだとおもう。多くの視聴者が見たと思うが、わたしは3度見てメモを作った。NHKオンデマンドを契約すれば、単品でも、月契約でも、簡単に見ることができる。(了)
2018.02.13  河野外相談話を撤回し、核兵器持ち込み拒否の再確認を(上)

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

「世界平和アピール七人委員会」が、2月7日に発表したアピール「米国の『核態勢の見直し』と河野外相談話の撤回を求める」を支持します。
日本政府がトランプ政権の「核態勢の見直し」を急いで支持表明した河野談話は、安倍首相の指示あるいは同意のうえで発表したに違いないのだから、首相に抗議し、撤回を要求する。まさか、米政府の最も重要な政策の見直しについての評価を、首相の指示もなしに外相が勝手に発表することができるはずはない、首相談話でなく外相談話にしたのは、国民と世界に対して、少し遠慮したのだろうか。
各国の中で、この「核態勢の見直し」にわざわざ支持を表明したのは、唯一の戦争被爆国日本だけではないか。恥ずかしい限りだ、トランプ政権の正式発足前に、いち早くゴマすりに訪米した安倍首相。「核態勢の見直し」に対する世界の非難、批判を予想もできずに支持表明した河野外相。外務省はブレーキをかけなかったのだろうか。
この『核態勢の見直し』では、現在の大陸間弾道ミサイル(ICBM),潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM))、核爆弾や巡航ミサイル搭載の戦略爆撃機を3本柱とする米国の巨大な核攻撃態勢を更新・強化するのに加え、核破壊力を小規模にして限定的な攻撃を可能にする、艦艇や航空機に積載する小型核兵器を世界各地域の米軍基地と艦艇に配備する計画だ。
データの正確さと中立的な立場で最も信頼されているストックホルム平和研究所(SIPRI)年鑑によると、2017年1月現在、世界の核兵器保有国が保有する核弾頭数はロシア7,000、米国6800、フランス300、英国215、パキスタン130~140、インド120~130、イスラエル80。北朝鮮は(10~20)だが「不確か」。このうちロシア1950.米国1800、フランス280、英国120の計4か国4150の核弾頭は、即応体制で部隊に配置されている。
しかし、広島・長崎の原爆は20キロトン(1キロトンはTNT火薬1000トン)級であれだけの被害が出たのに、米ソの現有核弾頭はそれよりもはるかに爆発力が巨大な弾頭がほとんどで、被害が大きすぎて、戦術的な攻撃に使いにくい。都市攻撃に使えば数十万人あるいはそれ以上の住民が1発で死亡してしまう。いくらトランプが北朝鮮を憎んでも、こんな兵器は使えない。そこで、広島、長崎よりも小さいTNT換算5~6キロトンの”使える“新型核弾頭を生産、配備するというのだ。
小型核弾頭を装着する兵器は、潜水艦や水上艦艇の巡航ミサイル、空母と陸上基地から飛び立つ攻撃機からの爆弾など。目標は陸上の都市、軍事基地、艦艇など、攻撃したい都市や軍事基地を、計画通りの規模で攻撃できる。こうして、小さな目標から大国全体まで、好みの規模で核攻撃できるようにしようとするのが、トランプ好みの核態勢なのだ。(続く)
2018.02.12  「本日休載」
今日02月12日(月・祝日)は休載します。

リベラル21編集委員会

2018.02.11  「本日休載」

今日02月11日(日)は休載します。

リベラル21編集委員会

2018.02.10 ▇短信▇
未来へと伝えたい~核の被害を乗り超える
3・1ビキニ記念の集い2018

 公益財団法人第五福竜丸平和協会は、1954年3月1日に太平洋のマーシャル諸島ビキニ環礁で行われた米国の水爆実験で、静岡県のまぐろ漁船「第五福竜丸」の乗組員やマーシャル諸島の島民が被ばくしたことを記念して、毎年、3月1日前後に「集い」を開いているが、今年は以下の要領で開催する。

 とき: 2月24日(土)14時~17時

 会場: 日本青年館8階会議室(東京都新宿区霞ヶ丘町4-1)
       東京メトロ銀座線外苑前駅3番出口、JR中央線・総武線千駄ヶ谷駅、信濃町駅

 講演: トム・D・キジナーさん(駐日マーシャル諸島共和国大使)
     大石又七さん(第五福竜丸元乗組員)
第五福竜丸平和協会によると、マーシャル諸島共和国政府は核実験被害国として、2014年、核大国を相手取って「核廃絶への努力不履行」を国際司法裁判所に提訴し、国際世論に一石を投じた。キジナー駐日大使には、同国の深刻な核被害、その一方で米国の核戦略に組み込まれた実情、核なき未来に向けたマーシャルの人々の願いについて語ってもらい、大石さんには、ビキニ水爆実験、引き続く核の脅威、収束の見えない原発事故などを踏まえての現在の心境を話してもらうという。

 資料代: 500円

 問い合わせ: 公益財団法人第五福竜丸平和協会(電話03-3521-8494)
                                                 (岩)