2023.03.09 ■短信■

        反原発団体が東京電力などに抗議へ
         東電福島第一原発事故から12年

 東日本大震災に伴って東京電力福島第一原子力発電所で事故が起きてから3月11日(土)で12年になります。これを機に、同日、東京で、反原発団体が電力会社への抗議行動を行います。

 一つは、同日13時30分から15時まで、東京電力本店前(東京都千代田区内幸町1丁目。地下鉄三田線内幸町駅から徒歩3分)で開く抗議集会です。これは、たんぽぽ舎(03-3238-9035)、経産省前テントひろば(070-6473-1947)が呼びかけたもので、ピースボートなど141団体が賛同しています。集会は「東京電力は福島原発事故の責任をとれ!」「二度と原発大事故を繰り返さない!」「柏崎刈羽原発再稼働するな! 汚染水止めろ!」という3本のスローガンを掲げています。
 呼びかけ団体・賛同団体は、次ぎのような呼びかけを発表しています。
 「東京電力福島第一原発事故発生以来、まる12年が経過する。しかし、原発事故被害者への補償・賠償は値切られ続け、放射能汚染水は増え続けている。事故収束の見通しは立たず、約4000人の作業員が被ばくしながら現場を支え続けている。子どもの甲状腺ガンは300人発見された。
 今、岸田政権と原子力規制委員会は、12年前の東電福島原発事故をまるでなかったかのようにして、逆に原発の最大限活用や運転期間の延長(60年)などを決めようとしている。地震大国の日本でこんなことはとても危険で大事故が心配です。このような『原発暴走政策』を許せません。 私たちは『福島』をいつまでも忘れないし、福島原発事故の惨状を許しません。東電前に集まり、抗議の声を挙げよう! 福島と連帯しよう!」

 もう一つは、同日16時から17時30分まで日本原電本店前(東京都台東区上野5丁目。JR御徒町駅または秋葉原駅下車)で行う抗議行動です。スローガンは「日本原電よ、東海第二原発うごかすな!」と「絶対に再稼働させない!」の2本。茨城県那珂郡東海村にある東海第二原子力発電所の再稼働を阻止しようというわけです。
 主催は「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」。問い合わせ・連絡先は070-6650-5549
(岩)
2023.02.20  ■短信■
   
島々を戦場にしないで! ミサイルより戦争回避の外交を!
石垣島の市民連絡会が意見広告への賛同を募る

 沖縄県石垣市の「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」が、3月中旬をめどに地元紙の八重山毎日新聞、八重山日報、沖縄タイムス、琉球新報に意見広告を掲載することになり、それへの賛同を募っています。
 同連絡会によると、意見広告に載せる意見は以下のような趣旨になるとのことです。
 「戦後78年間、基地の無かった私たちの島に、自衛隊駐屯地が建設され、ミサイルが配備されようとしています。国の内外で『台湾有事』が叫ばれ、石垣島、沖縄だけでなく全国で戦争への不安の声が上がっています。戦争回避のための外交努力が求められています。私たちが住む島を、ふるさとを戦場にさせない!ミサイルより戦争回避の外交を求めます!」

賛同金:団体1口5000円 個人1口1000円(いずれも何口でも可) 
申込み締め切り:3月5日
振込先:
 ★琉球銀行 店番号703 普通・口座番号977895 名義 石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会
 ★ゆうちょ銀行 店番号008普通・口座番号3667803
 ★ゆうちょ銀行からゆうちょ銀行は記号10010 番号36678031 名義は西村幸吉
連絡先:八重山地区労
 電話0980-82-5707 FAX0980-82-0170 携帯090-9093-7682(藤井)

 賛同金送金にあたっては、意見広告に氏名掲載可か不可か明記してほしい、とのことです。
(岩)
2023.02.13  ■短信■
  「安保3文書」に対置すべき私たちの平和構想
    ピースデポが講演会


 2022 年12 月16 日に閣議決定された「安保3文書」は、自衛隊による敵基地攻撃能力保有を容認し、防衛費倍増を打ち出すなど、専守防衛を基調とする日本の防衛政策を大転換させるものでした。これに対置する形で、12 月15 日、憲法や国際政治の専門家らでつくる「平和構想提言会議」が「戦争ではなく平和の準備を―“ 抑止力” で戦争は防げない―」と題する提言を発表しました。
 それは、どんな内容でしょうか。この会議の共同座長を務めた青井未帆・学習院大学教授が「安保3文書に対置すべき私たちの平和構想」と題して講演します。

主催:NPO法人ピースデポ(平和資料協同組合)。明治学院大学国際平和研究所が後援
日時:2月19日(日)14時~16時
会場:明治学院大学白金キャンパス本館2階1254教室
 (東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線の白金台駅、または東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線の白金高輪駅、都営浅草線の高輪台駅で下車)
資料代:500円(明治学院大学の学生・教職員は無料)
申込方法:会場参加は申込み不要。オンライン参加は2月17日までにピースデポ(渡辺)へ
  メール; watanabeyosuke@peacedepot.org
  電話:045-633-1796
                                    (岩)
2023.02.08 ■短信■

  原発、戦争と平和をテーマとした映画も
   今年も江古田映画祭開催へ


 「第12回江古田映画祭 3.11福島を忘れない」が2月25日(土)から3月11日(土)まで、東京・江古田で開かれます。
同映画祭は、江古田にある武蔵大学の関係者と地元の人たちが中心となって2013年から始めた映画祭で、一般の映画館ではなかなか上映してもらえない、社会的テーマに挑んだ映画を上映することで映画文化の向上を図り、併せて映画上映を通じて地域活性化に貢献しようという活動です。毎年、この時期に開催されます。
 映画祭を主催する実行委員会代表の永田浩三さんは「原発事故や震災に加え、戦争と平和や環境、農業などをテーマにした選りすぐりの映画を集めました」と話しています。

◆会場は、武蔵大学(東京都練馬区豊玉上)と「ギャラリー古藤」(練馬区栄町)の2カ所。ともに西武池袋線江古田駅南口下車6分
◆武蔵大学での上映は2月25日(土)・3月4日(土)。ギャラリー古藤での上映は2月26日(日)~3月11日(土)。3月6日(月)は休み

【チケット】映画1本につき、予約1,000円・当日1,200円
大学生・ハンディのある方800円、高校生以下無料。大震災からの避難者は無料(受付で伝えて下さい)。チケット3枚つづり 2,700円
★チケットは、電話・メールでの予約をお願いします。
【お申込み・お問合せ】
(メール)fwge7555♪nifty.com
※♪記号を半角@に置き換えてください。(迷惑メール対策です)
(電話)03-3948ー5328 ギャラリー古藤 *武蔵大学は予約不要
上映作品等の詳細は、「第12回江古田映画祭」のチラシ・HPをご覧ください。
(HP) https://www.facebook.com/ekodaeigasai/
                          (岩)
2023.02.07 ■短信■
   核や災害で故郷を追われた人びとを考える
     今年の3・1ビキニ記念のつどい


 今から69年前の1954年3月1日に太平洋のビキニ環礁で米国の水爆実験が行われ、付近で操業中だった静岡県焼津港所属のまぐろ漁船「第五福竜丸」乗組員と周辺の島々の住民が、実験による「死の灰」を浴びて被ばくしました。乗組員の久保山愛吉無線長が急性放射能症で死亡しました。いわゆるビキニ被災事件で、これを機に原水爆禁止を求める運動が世界的に盛り上がりました。
 被災した第五福竜丸は、東京・夢の島の都立第五福竜丸展示館に展示されていますが、ここを管理している公益財団法人第五福竜丸平和協会は、これを記念して毎年、3月1日前後に「3・1ビキニ記念のつどい」を開いてきました。
 今年は2月25日(土)14時から、展示館近くの「夢の島マリーナ」(JR京葉線・りんかい線・東京メトロ有楽町線「新木場」駅から15分)で「記念のつどい」を開催し、核・災害・気候変動などさまざまな理由で故郷を追われた人びとについて考えます。

ブログラム
映画上映  「故郷を追われて」(監督・坂田雅子、2021年、30分)
講演 豊﨑博光「故郷、文化、伝統、コミュニティーの喪失」
 トーク 「核・気候・災害の記憶を繋ぐ」
            瀬尾夏美(作家・映画監督・アーティスト)
           一谷智子(西南学院大学)
           蓮沼佑助(第五福竜丸展示館学芸員)

資料代:500円
問い合わせ:℡03-3521-8494へ
(岩)
2023.01.17 中国コロナ感染10億人

―八ヶ岳山麓から(412)―

阿部治平 (もと高校教師)

 日本など数ヶ国が中国は新規感染者数の増加が深刻だとみて、中国・マカオからの直行便での入国者に入国前72時間前の陰性証明書、到着時PCR検査を求めるなど水際対策を強化した。これに対して中国政府は差別的な入国制限だとして、日本人、韓国人の入国ビザの発給を停止した。
 中国政府が12月7日に居住地封鎖など厳重なゼロコロナ政策やめて以来、爆発的な感染拡大があったが、あれから1ヶ月、実際に近い最近の感染状況は発表されなくなっている。WHO=世界保健機関も、基礎疾患が原因で死亡した人を中国政府が統計に含めていないことを「死者数については定義が狭いなどの問題があり、感染の影響が過小評価されている」としている。
 これに対してイギリス健康調査会社エアフィニティーの1月時点の推計では、中国の1日当たり感染者数は242万人で、死者は1万5850人。昨年12月1日からの累計死者は19万2400人に達するという。同社はさらに、中国のコロナ感染の最初のピークは1月13日と予想。23日には死者数がピークとなり1日約2万5000人、4月末までには計170万人に上るという(ニューズウィーク 2023・01・10)。
 中国ではこれとはやや異なる推計が行われている。以下の推計は中国各省市防疫当局の公式発表を分析したものである。そのおもなところをブログ「新思潮・第三思惟(2023・01・07)」から抜粋して提供する。
国家衛健委員会の推測では、12月21日現在で、感染者は2億4800万人、感染率は全人口の17.63%、比較的多い北京や四川では50%程度で、ゼロコロナ政策停止から17日経っても、全国の3分の2の省市はまだ感染のピークには達していないとみられていた。
 だが同ブログは、12月20日から1月7日までの間にオミクロン株は急速に感染を拡大し、感染者9億9200万人、70.52%に達したという。

 12月26日、四川省防疫当局のアンケート調査の結果、15万8500人のうち63,5%の感染が明らかとなった。28%は検査をしていないが、咳・発熱があると答えた。これを(強引だが)すべてコロナ感染とみれば91.5%の感染率である。
 海南省当局の12月30日発表によると、27日現在の3万3700人のアンケート調査では、12月19~25日の新規感染率は35.5%となった。前回の12~18日の調査では5.6%だったから5.3倍の増加である。この勢いで拡大すると1月7日現在では70%に達するだろう。
 海南省は中国の亜熱帯地域で、従来コロナ感染率は全国最少だったから、これからすれば全国の感染率は1月7日現在で70%をはるかに超えたとみるべきである。冒頭の感染者10億という数値は単なる憶測ではない。

 浙江省は公表された数値からいうと感染率は比較的低い。12月25日の発表だと、発表までの1週間の発熱外来の診察は毎日最高40万8400人、うちコロナ陽性は100万例という(この数値は曖昧)。
 サンプリング調査によると、12月25日前後にはピーク寸前、正月にはピークに達するが、その持続期間は1週間と思われる。これは1月中旬にピークに達するという予測よりも2週間早いが、全国レベルの感染状況とほぼ合致している。
 浙江当局は新感染者を毎日100万人と報告している。だが、PCR検査が取り消されてから、数値の根拠がわからなくなっている。理に適う推測をすれば、省当局の発表は少なすぎ、実際の感染者はもっと多いだろう。

 中国検索エンジンの「百度」の推計では、感染のピークは12月22日で、1月6日には12月8日からの感染対策の転換時のレベルに下がるという。これは一般の感じ方も同じで、北京などでは誰もが感染したという理由で、人々は感染状態にあまり関心を持たなくなっている。
 とはいえ、感染ピーク期から2週間後には重篤死亡のピークが来る。これは感染のピークよりは期間が長引く。1月7日現在まさに全国の病院は重篤患者であふれており、医療要員は死神との闘いのために24時間労働を強いられている。北京では12月23日から2週間、重篤死亡のピークが続いている。全国的には、感染症との戦いのもっとも困難な段階が今始まったところだ。

2022.12.31 中国コロナ感染10億人
 ――八ヶ岳山麓から(412)――

阿部治平 (もと高校教師)

 日本など数ヶ国が中国は新規感染者数の増加が深刻だとみて、中国・マカオからの直行便での入国者に入国前72時間前の陰性証明書、到着時PCR検査を求めるなど水際対策を強化した。これに対して中国政府は差別的な入国制限だとして、日本人、韓国人の入国ビザの発給を停止した。
 中国政府が12月7日に居住地封鎖など厳重なゼロコロナ政策やめて以来、爆発的な感染拡大があったが、あれから1ヶ月、実際に近い最近の感染状況は発表されなくなっている。WHO=世界保健機関も、基礎疾患が原因で死亡した人を中国政府が統計に含めていないことを「死者数については定義が狭いなどの問題があり、感染の影響が過小評価されている」としている。
 これに対してイギリス健康調査会社エアフィニティーの1月時点の推計では、中国の1日当たり感染者数は242万人で、死者は1万5850人。昨年12月1日からの累計死者は19万2400人に達するという。同社はさらに、中国のコロナ感染の最初のピークは1月13日と予想。23日には死者数がピークとなり1日約2万5000人、4月末までには計170万人に上るという(ニューズウィーク 2023・01・10)。
 中国ではこれとはやや異なる推計が行われている。以下の推計は中国各省市防疫当局の公式発表を分析したものである。そのおもなところをブログ「新思潮・第三思惟(2023・01・07)」から抜粋して提供する。
 国家衛健委員会の推測では、12月21日現在で、感染者は2億4800万人、感染率は全人口の17.63%、比較的多い北京や四川では50%程度で、ゼロコロナ政策停止から17日経っても、全国の3分の2の省市はまだ感染のピークには達していないとみられていた。
 だが同ブログは、12月20日から1月7日までの間にオミクロン株は急速に感染を拡大し、感染者9億9200万人、70.52%に達したという。

 12月26日、四川省防疫当局のアンケート調査の結果、15万8500人のうち63,5%の感染が明らかとなった。28%は検査をしていないが、咳・発熱があると答えた。これを(強引だが)すべてコロナ感染とみれば91.5%の感染率である。
 海南省当局の12月30日発表によると、27日現在の3万3700人のアンケート調査では、12月19~25日の新規感染率は35.5%となった。前回の12~18日の調査では5.6%だったから5.3倍の増加である。この勢いで拡大すると1月7日現在では70%に達するだろう。
 海南省は中国の亜熱帯地域で、従来コロナ感染率は全国最少だったから、これからすれば全国の感染率は1月7日現在で70%をはるかに超えたとみるべきである。冒頭の感染者10億という数値は単なる憶測ではない。

 浙江省は公表された数値からいうと感染率は比較的低い。12月25日の発表だと、発表までの1週間の発熱外来の診察は毎日最高40万8400人、うちコロナ陽性は100万例という(この数値は曖昧)。
 サンプリング調査によると、12月25日前後にはピーク寸前、正月にはピークに達するが、その持続期間は1週間と思われる。これは1月中旬にピークに達するという予測よりも2週間早いが、全国レベルの感染状況とほぼ合致している。
 浙江当局は新感染者を毎日100万人と報告している。だが、PCR検査が取り消されてから、数値の根拠がわからなくなっている。理に適う推測をすれば、省当局の発表は少なすぎ、実際の感染者はもっと多いだろう。

 中国検索エンジンの「百度」の推計では、感染のピークは12月22日で、1月6日には12月8日からの感染対策の転換時のレベルに下がるという。これは一般の感じ方も同じで、北京などでは誰もが感染したという理由で、人々は感染状態にあまり関心を持たなくなっている。
 とはいえ、感染ピーク期から2週間後には重篤死亡のピークが来る。これは感染のピークよりは期間が長引く。1月7日現在まさに全国の病院は重篤患者であふれており、医療要員は死神との闘いのために24時間労働を強いられている。北京では12月23日から2週間、重篤死亡のピークが続いている。全国的には、感染症との戦いのもっとも困難な段階が今始まったところだ。

2022.12.06 東京ドキュメンタリー映画祭2022
短信
東京ドキュメンタリー映画祭2022
2週間で49本を上映

 東京ドキュメンタリー映画祭2022が12月10日(土)から23日(金)まで、東京・新宿の「新宿K’scinema」(JR新宿駅東南口から徒歩3分、東口から徒歩5分)で開かれます。
 今年で5年目ですが、長編、短編、人類学・民族映像、特集「パプアニューギニア」など多彩なドキュメンタリー映画49本が上映されます。映画祭事務局プログラマーの金子遊、佐藤寛朗さんは「現代社会ならではの生きづらさや先の大戦の傷あと、地域の暮らしや家族との葛藤などを粘り強く見つめた、作り手の真摯な姿勢が目立つ今年のプログラム。記録性や真実性をベースに、それぞれの“物語”へと飛躍するドキュメンタリー映像の魅力や奥深さを、この映画祭で分かち合えれば幸いです」と言っています。

 長編では、『ペーパー・シティ』『標的』『そしてイスラの土となる~日系キューバ移民の記録』などが上映されます。
『ペーパー・シティ』は、エイドリアン・フランシス監督(オーストラリア)の作品で、1945年3月の東京大空襲をテーマにしたものですが、大空襲の生存者たちの証言の記録にとどまらず、彼ら彼女らの反戦の思いが2015年の安保法制への反対行動につながってゆく様を描いているとのことです。
 『標的』は西嶋真司監督作品ですが、元慰安婦の証言を記事にした植村隆・朝日新聞記者が、23年後に「ねつ造記者」との汚名を着せられ、バッシングされたことに抗う姿を記録したドキュメンタリーです。
 『そしてイスラの土となる~日系キューバ移民の記録』は、鈴木伊織監督の作品ですが、1910年代にサトウキビ農園労働者としてキューバへ渡った移民たちのその後の生活を記録したドキメンタリーで、移民一世や日系二世らに故郷日本への思いを語らせているとのことです。

◆主催 neoneo編集室
◆各回入替・全席指定席
◆料金 1500円均一(小・中・シニア1000円)
◆新宿K’scinemaの電話 03-3352-2471
◆問い合わせメール tdff.neoneo@gmail.com
(岩)
2022.11.30 ■短信■

「極秘機関『ヤマ機関』と登戸研究所―日本陸軍の防諜とは ゾルゲ事件80年―」
        明治大学平和教育登戸研究所資料館が企画展

 明治大学平和教育登戸研究所資料館(注1)は、今年がゾルゲ事件(注2)から80年に当たることから、第13回企画展「極秘機関『ヤマ機関』と登戸研究所―日本陸軍の防諜とは ゾルゲ事件80年―」を2023年5月27日(土)まで開催しています。

<注1>明治大学平和教育登戸研究所資料館 神奈川県川崎市多摩区の明治大学生田キャンパス内にある。戦時中、ここに陸軍によって開設された登戸研究所があり、秘密戦兵器・資材を研究・開発していた。戦後、明治大学が研究所の建物を購入し、明治大学平和教育登戸研究所資料館を設立。旧研究所の研究を保存するともに、歴史教育・平和教育の発信地としている。
<注2>ゾルゲ事件 1941年、新聞特派員で駐日ドイツ大使の私設情報顧問だったゾルゲ、元朝日新聞記者の尾崎秀実らが日本の政治上・軍事上の機密をソ連に通報していた疑いで検挙された事件。ゾルゲ、尾崎は1944年に処刑された。

 同資料館は、この企画展の内容を次のように紹介しています。
「今年は、戦前における最も著名なスパイ事件とされるゾルゲ事件が公表されて80年目にあたります。スパイ取締り(防諜)は、登戸研究所が担う秘密戦の4大項目(防諜・諜報・謀略・宣伝)の1つで、研究所では防諜のための、主に憲兵が使用する兵器・資材の研究・開発が行われていました。
 今回の企画展では、まず、満州事変を契機に日本社会が国家主義に傾斜する中で、防諜の前段階として『異端分子』を『非国民』として排除していく姿を国際法学者・横田喜三郎への圧力の高まりを実物資料を通じて明らかにします。そして、防諜活動をになった特高警察や憲兵の台頭と政府・軍によって展開された防諜キャンペーンについて押さえた上で、1937年に設置された極秘防諜機関『ヤマ機関』の実態に迫ります。
 また、当時の日本における防諜は多分に『防共』(共産主義防止)の性格を持っていて、ソ連に対する警戒感が高まるなか、ソ連や国際共産主義運動につながる人物への摘発が、ゾルゲ事件となって現れる一方で、東条英機内閣以降、憲兵による反戦・反政府運動の組織的な弾圧へと繋がっていく過程を明らかにします」

開館時間:10時~16時
休館日:日曜~火曜、祝日、2022年12月25日~23年1月10日、1月14日
入館料:無料
一般の来館者は事前の予約が必要:下記にお問い合わせください
電話/FAX 044-934-7993
受付対応時間  火曜=13時半~16時半 水曜~土曜=9時半~16時半
 Email:noborito@mics.meiji.ac.jp
(岩)
2022.11.25 ■短信■

      12・1不戦の集い
        「学徒出陣」80周年を迎えて

 「学徒出陣」から80周年を記念して、12月1日(木)午後6:30から9:00まで、東京の文京シビックセンター26階スカイホールで「12・1不戦の集い」が開かれます。認定NPO法人・わだつみのこえ記念館の主催です。
 学徒出陣とは、アジア太平洋戦争中の1943年(昭和18年)に、兵力不足を補うため、高等教育機関に在籍していた20歳(1944年10月以降は19歳)以上の主として文化系の学生を在学途中で徴兵し、出征させたことをいいます。その数は、一説には約10万人といわれていますが、死者の数は今なお不明です。
 
 徴兵された学生たちが1943年12月1日から陸・海軍に入営したことから、戦後、この日に不再戦・平和の誓いを新たにする「不戦の集い」が、毎年開かれるようになりました。
 今年は以下の催しが予定されています。

●ビデオ上映(18:40~19:00)
 記録映画『学徒出陣』(文部省編・日本映画社、1943年)
●講演(19:00~20:30)
加古陽治・東京新聞編集委員「学徒兵 木村久夫の遺したもの」

▼会場へのアクセス  東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園駅」、都営地下鉄三田線・大江戸線「春日駅」、JR中央・総武線「水道橋駅」
▼参加費  700円(ZOOMによるオンライン開催もあり。参加費500円)
▼認定NPO法人・わだつみのこえ記念館  東京都文京区本郷5-29-13 赤門アビタシオン1階 TEL・FAX 03-3815-8571 開館日は月・水・金
(岩)