2020.05.02  「地球の上で」
出町絵画


出町 千鶴子 (画家)

 みなさん、お元気ですか。 
 4月8日の夜、大きさが今年一番という満月を観ました。冴えわたる蒼い夜空に大きな金貨が1枚、輝く光の尾が四方八方に遠く伸びていて中世の絵を見ているようで胸がわくわくとしました。

この頃、朝日がまぶしい。青い空が綺麗。浮かぶ雲がきらきらと輝いている。空気が美味しい。誰よりも庭の葡萄の新芽は嬉しそうに身体を振るわせ、遊びにやって来た小鳥や虫たちも元気いっぱい喜んでいる。私の猫たちも。
 コロナウイルスのパンデミック宣言に先立ち、人権の最たるは生命だと唱えて、先ず中国が都市封鎖をした。続いて世界各国の都市封鎖。近年、世界中の地球環境問題の専門家たちがどうしたものかと思案していた大気汚染を、あっけなくもコロナが問題解決の呈である。奇しくも今年のアースデイ(4月22日)は、記念すべき50周年を迎えていた。皮肉なものである。

 今しばらくは、地球の家族の一員として、ドイツ連邦共和国のメルケル首相のメッセージに従い、感染症で辛く苦しい痛みに耐えている人たちに寄り添うようにして絵を描きながら、静かに過ごしたいと思います。
 おそらく、このパンデミックが解除された時、この世界が大切にすべきものは何か、私たちの世界の価値観が一変していることでしょう。と期待して。祈りをこめて、
2020.03.02 こねこねこねこ

出町 千鶴子 (画家)


ねる子は育つ
すくすく育つ
おかあさんの鼓動は
カナリアさんも歌うゆりかごのうた
おかあさんのおなかはふかふかのおっぱいの匂ひ
万福満天の夢をみる

21152_出町_こねこねこね(画像)2020_03_02

(タイトルの「こねこねこねこ」は後ろから読んでも「こねこねこねこ」)です」
2019.07.15 「猫に学べ」
出町 千鶴子 (画家)

私は猫である。
猫舌なので、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ことはない。
鼻も目も耳もよく利くので、フェイクな寝床やかつお節、
啼き声巧みな魔物に騙されることもない。
平和な明日を迎えるために
身も心も清く正しく美しく。
今日もせっせと毛繕いをする。

猫の目
2018.10.12  「寧静致遠の猫」は憂える
出町 千鶴子 (画家)

「寧静致遠の猫」は憂える
     お相撲は、日本の伝統文化として国技とされている。
     「貴乃花」は、横綱の亀鑑ともいうべき人物である。この偉大なる存在を、
     公益財団法人日本相撲協会は、いとも容易く呆気なく積極的に手放した。
     憂えるばかりである。
2018.01.22  「平成30年戊戌」

出町 千鶴子 (画家)

「ねずみとる 猫の後ろに 犬のゐて
 狙ふものこそ 狙はれにけり」(「猫の草子」より)

          「平成30年戊戌」

図は、猫好きの私が犬にぺろりとごっくんされそうな様子にも見えるが、
歌は、「毎日を、明るく正しくみんな仲良く暮らしたい。」平和な世の中を願ったねずみの一首である。

 元日の朝、ほにゃほにゃの赤ん坊の手を真似て墨を擦り、初の墨の犬絵を描いた。12月、家の近くの遊歩道を散歩するこのワン(犬)をずいぶんとスケッチさせてもらった。のであるが、我ながら犬に見えない。まだまだ修行が足らない。希望が覗いた一年の始まりである。

  今年もよろしくお願いします。
2017.06.30  「玄遠」
出町 千鶴子 (画家)

      遥か遠い旅路は
      喜んだり喘いだり心もはづむ
      迷いつつも時に立ち止まり
      辿り着けばあっけらかんとして
      晴れ晴れとした愛しさがある。

「玄遠」
2017.03.25  世界をくるくるくるりと宙返り
出町 千鶴子 (画家)

          絶好の春だ!
     
          くるくるくるりと宙返り
     
           明日 てんきになあれ

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2017.02.27  『仏陀涅槃図=世界が平和でありますように』
出町 千鶴子 (画家)

2月15日はお釈迦様が入滅された日。
日本中のお寺さんで、涅槃会のご法要が行われたことでしょう。

世の中で、尊重されるべきは命である。
すべての種に民族の文化に優劣はない。
ましてや肌の色の違いに分け隔てなどあろう筈がない。
人間の命も獣たちの命も、植物や鳥や魚や虫たちの命も、
水や風や光の命も、皆、等しく尊いのである。

これらのたくさんの輝く命の中で、私の命も大いに喜び、
たまに愁いたりして仲良く生かされている。
そうして出合う事物にまた新しく嬉しい命が次々と宿る。
美しい世界だ。
          『仏陀涅槃図=世界が平和でありますように』

毎年2月15日には、改めてこの思いをわが胸に問うて確認します。
この涅槃図は、菩提寺・浄雲院心光寺(東京都文京区白山)さんと母に感謝して、思いを籠めて描きました。
5年掛かりで描きました。おかげさまで愛猫TIGREを描き入れることが出来ました。
首に赤いリボンの黒猫は日本で最初の飼い猫、宇多天皇の愛猫のつもりです。
パンダもいます。

パンダはサーベルタイガーやマンモスと共に氷河期を過ごしました。
何故、パンダは絶滅を回避できたのか。それは、この厳しい弱肉強食の時代の中で、
生き残るために戦うことをしなかったから。
パンダは、この氷河期の時代に今の姿へと進化したともいわれています。

中国・臥龍の山では、雪は結晶の六角形の形のまま降りてくる。
パンダは寒いのが大好き。
降りしきる雪の中をはしゃいで転げ回り歓喜の声を上げる。
ニャオ!ニャオ!

平和を願う心と態度が平和な世界を創る。

2016.11.25  「天空海闊の猫、進次郎さんに駄弁を申す」
出町 千鶴子 (画家)

 「TPP=環太平洋パートナーシップ協定」なんとすてきな響きのネーミングだろ
うか。

 ところが!!である。昨年の今頃、日本の美しい里山や森の暮らしを守ろうと努力されていた小泉進次郎さんが農協改革を語るにおいて、「TPPによって低価格の農薬や肥料を輸入して、個の農家が潤うように・・・」の考えを公言された。びっくり!!であった。

 農薬や化学肥料や除草剤や遺伝子組み換えを使った農業は、果たして、未来に亘り、農家や人々を潤し、守り、幸せにすることが出来るだろうか。

 既に、地球は息もできないほどの汚れた大気が蔓延している。農薬や化学肥料などで汚染され有害物質を蓄積した土壌は、水を汚し、風を汚す。その汚れた風に木の葉が舞い、種子が漂い、海の上を鳥たちが渡り、くじらが跳ねる。食物連鎖が不可解な様々な病を更にさらに生み出し続けているのだ。いつか植物も、動物たちも、人間も、痩せて枯れて消滅してしまうのだろうか。

    「天空海闊の猫、進次郎さんに駄弁を申す」

 こうして、全ては生気を失い、間違いなく地球はゆっくりゆっくりと壊れて逝くだろう。

 進次郎さんにお願いです。

 この世界に、夢と希望でいっぱいの豊かな未来を!

 約束してください。

 この美しい僕らの誇りたる地球を守って頂きたいのです。
2016.10.14 護国寺の猫
タイトル「護国寺の猫」
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昼寝から覚めた猫がにゃおんとなく
「銭財を竭(つく)して贏余(えいよ)を存せず」
(「自助論」サミュエル.スマイルズ/中村正直・訳)