2009.03.30 コンピュータ用語
ことば (50) 外来語 (loanword)

松野町夫 (翻訳家)

日本語の語彙(ごい)には、和語・漢語・外来語があるが、このところ外来語、特に英語系の外来語の増加は著しい。この傾向は今後とも当分、止みそうにない。わかりにくい外来語も増えた。たとえば、「インフォームド・コンセント」とか「アカウンタビリティー」とか言われてもピンとこない。ちなみに、インフォームド・コンセント(informed consent) とは、医師が患者に治療を施す際、事前にその内容を説明し同意を得ること(納得診療)。アカウンタビリティー (accountability) は、説明責任。

パソコンが各家庭に普及して、インターネットや電子メールは今では生活必需品という感じだ。コンピュータ用語には外来語が多い。パソコンやインターネットはいわば「元祖アメリカ」なので、私たちの身の周りにはアメリカ語が氾濫している。コンピュータ、ディスプレイ、キーボード、マウス、プリンタ、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリー、スキャナ、モデム、ルータなど、数え上げればきりがない。

コンピュータ用語は、一般用語とは少し表記が異なる。たとえば、新聞などは一般に、「コンピューター」と最後に長音記号(ー)をつけるが、コンピュータ用語では「コンピュータ」と表記し、長音記号をつけない。同様に、「プリンター」は「プリンタ」、「ドライバー」は「ドライバ」となり、printer driver は「プリンタドライバ」となる。ただし、「キー」、「(電子)マネー」、「メニュー」などのように短い単語(3文字以下)は、コンピュータ用語でも長音記号を使用して、「キー」「マネー」「メニュー」となる。「キ」「マネ」「メニュ」と表記されることはない。使用者 “user” は一般に「ユーザー」と表記されるが、コンピュータ用語では「ユーザー」と「ユーザ」両方とも使用される。「メモリー」についても同様に、「メモリー」と「メモリ」、両方とも使用される。

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