2007.11.05
これにはきっとウラがある!民主党・小沢代表の辞任
暴論珍説メモ(25)
民主党の小沢一郎代表が4日、辞意を表明した。理由は自民党の福田総裁との間で大連立の話をまとめたのに、党幹部に反対されて断らざるをえなくなったことの責任をとるというのである。
さる9月12日の安倍首相の「放り出し辞任」にも驚かされたが、この小沢代表の行動にもあいた口が塞がらない。あまりにも「支離滅裂辞任」だからである。
4日夕の記者会見で小沢氏は、自分が自民党との大連立を決意したのに「自分が選任した」民主党幹部の多数が反対したことは、「自分への不信任」であると述べ、それを辞任の理由とした。わざわざ「自分が選任した」と言うところが小沢氏らしい。そこには「オレに選ばれて役員になったのだから、オレの言うことは無条件に聞くべきだ」という前提がある。
小沢氏は先ごろ「洋上給油はだめだが、アフガンへの国際治安支援部隊(ISAF)への参加はいい。武力行使もかまわない」と自分の見解を明らかにした折、「党内に反対意見があるのでは?」という記者の質問にすぐさま「そういう人には離党してもらう」と言い放った。この反応も今回の行動も「黙ってオレについて来い」というこの人の体質の現われだ。ただ、今回は多勢に無勢で、腹いせ辞任に追い込まれたのだが。去年4月、党首に就任した際、「自分も変わらなければ」と言ったあの発言はなんだったのか。
田畑光永 (ジャーナリスト)
民主党の小沢一郎代表が4日、辞意を表明した。理由は自民党の福田総裁との間で大連立の話をまとめたのに、党幹部に反対されて断らざるをえなくなったことの責任をとるというのである。
さる9月12日の安倍首相の「放り出し辞任」にも驚かされたが、この小沢代表の行動にもあいた口が塞がらない。あまりにも「支離滅裂辞任」だからである。
4日夕の記者会見で小沢氏は、自分が自民党との大連立を決意したのに「自分が選任した」民主党幹部の多数が反対したことは、「自分への不信任」であると述べ、それを辞任の理由とした。わざわざ「自分が選任した」と言うところが小沢氏らしい。そこには「オレに選ばれて役員になったのだから、オレの言うことは無条件に聞くべきだ」という前提がある。
小沢氏は先ごろ「洋上給油はだめだが、アフガンへの国際治安支援部隊(ISAF)への参加はいい。武力行使もかまわない」と自分の見解を明らかにした折、「党内に反対意見があるのでは?」という記者の質問にすぐさま「そういう人には離党してもらう」と言い放った。この反応も今回の行動も「黙ってオレについて来い」というこの人の体質の現われだ。ただ、今回は多勢に無勢で、腹いせ辞任に追い込まれたのだが。去年4月、党首に就任した際、「自分も変わらなければ」と言ったあの発言はなんだったのか。
そこで自民党との大連立に踏み切った理由だが、小沢氏は参院選に際してのマニフェストで約束した国民の生活のための政策が、衆院で自民党が多数を占めている現状では成立させられないから、連立でそれらを実行したいと述べた。
現状では民主党の政策がそのまま実行されないのは誰でも知っている。しかし、裏での話し合いは排除して、表舞台で堂々と論戦を戦わせて、国民に自民党との違いを分かってもらうというのが、民主党の方針だったではないか。それと正反対のことを、しかも独断で進めたのはなぜか、それについての説明はなかった。
ただ、連立に踏み切ったことへの釈明ととれることは言った。それは福田首相が「自衛隊の海外派遣は国連安保理、もしくは総会の決議による活動に参加する場合に限る」という小沢氏の持論に歩み寄ったことだという。さらに福田首相は民主党との新しい協力体制の確立が最優先なので、新給油法の成立にはこだわらないと約束したと、小沢氏は言った。
しかし、この後の部分について自民党側では、前の部分を自民党が受け入れれば、小沢氏は新給油法の成立には目をつぶると約束したと言っていて、どちらが真実かわからない。
でもどうだろう。こういう国の政策の基本に関わる問題を、いくら党首だからといって、二人の人間の密室での話し合いで決められるものだろうか。もともと小沢氏は裏交渉が好きな人ではあるけれど、これで自衛隊の海外派遣についての原則が最終的に決着したとは考えにくい。連立がつぶれてから、福田首相はここまで譲歩していたのだと形をつけたのではないだろうか。
さらに小沢氏は信じられないことを口走った、「民主党はいまだに様々な面で力量が不足しており、・・・次期総選挙の勝利は大変きびしい」と。「情勢はきびしい」という言葉は選挙戦の最中に檄を飛ばす時ならいざ知らず、現段階でのこの発言は予測である。勿論、民主党が衆院選でもたやすく勝てるなどと思っている人はいないだろう。しかし、当の民主党のトップが「次は勝てないだろう」と言ってしまってはすべてはワヤだ。この一言で民主党の敗北は決定的になったと言っていい。
総選挙で民主党が勝つためには、小選挙区で自民党の現職を破らなければならない。その自民党と連立していて、どうやって自民党の候補者と戦うのだろう。小沢氏は「あえて民主党が政権の一翼を担い、国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営の実績をも示すことが、国民の理解を得て、民主党政権を実現させる近道であると判断した」と言うが、現行の選挙制度のもとでそんなことが実現する筋道はどうにも見えてこない。
会見の最後で小沢氏はマスコミ批判を展開した。「連立は小沢氏のほうから持ちかけた」という自民党の情報を垂れ流し、世論操作の一翼を担っているというのである。「このようなマスメディアのあり方は、明らかに報道機関の役割を逸脱しており、民主主義の危機であると思う。報道機関が政府与党の宣伝機関と化したときのおそろしさは、亡国の戦争に突き進んだ昭和前半の歴史を見れば明らかだ」と、ずいぶんと格調の高い、おおげさなマスコミ批判である。
しかし、自民党が嘘の情報を流しているのなら、自民党に抗議すればいいではないか。火元には黙っていて、それを流したマスコミに八つ当たりするとは常軌を逸している。自民党にはものを言えない弱みでもあるのだろうか。だいたい密室のボス交で国策の基本を取引しようなどという政治家がいることが民主主義の危機ではないか。
さて、それにしても小沢氏の今度の行動はつい最近まで氏が言っていたこととはどうにも整合性がない。小沢氏に権力に擦り寄らなければならない事情が発生したのではないかと勘ぐりたくなる。小沢氏といえば例の不動産の問題がわれわれにはまだ釈然としないし、また防衛省の守屋前次官に取り入っていた防衛商社から献金を受けていたことも報道された。
勿論、われわれにはそれを解明する手段はないが、常識で考えておかしいことが起ったときには、まずウラがあるものだ。各メディアも手抜かりはないと思うが、「逆転の夏」をフイにした「小沢の変」のウラをぜひ解き明かしてほしい。
現状では民主党の政策がそのまま実行されないのは誰でも知っている。しかし、裏での話し合いは排除して、表舞台で堂々と論戦を戦わせて、国民に自民党との違いを分かってもらうというのが、民主党の方針だったではないか。それと正反対のことを、しかも独断で進めたのはなぜか、それについての説明はなかった。
ただ、連立に踏み切ったことへの釈明ととれることは言った。それは福田首相が「自衛隊の海外派遣は国連安保理、もしくは総会の決議による活動に参加する場合に限る」という小沢氏の持論に歩み寄ったことだという。さらに福田首相は民主党との新しい協力体制の確立が最優先なので、新給油法の成立にはこだわらないと約束したと、小沢氏は言った。
しかし、この後の部分について自民党側では、前の部分を自民党が受け入れれば、小沢氏は新給油法の成立には目をつぶると約束したと言っていて、どちらが真実かわからない。
でもどうだろう。こういう国の政策の基本に関わる問題を、いくら党首だからといって、二人の人間の密室での話し合いで決められるものだろうか。もともと小沢氏は裏交渉が好きな人ではあるけれど、これで自衛隊の海外派遣についての原則が最終的に決着したとは考えにくい。連立がつぶれてから、福田首相はここまで譲歩していたのだと形をつけたのではないだろうか。
さらに小沢氏は信じられないことを口走った、「民主党はいまだに様々な面で力量が不足しており、・・・次期総選挙の勝利は大変きびしい」と。「情勢はきびしい」という言葉は選挙戦の最中に檄を飛ばす時ならいざ知らず、現段階でのこの発言は予測である。勿論、民主党が衆院選でもたやすく勝てるなどと思っている人はいないだろう。しかし、当の民主党のトップが「次は勝てないだろう」と言ってしまってはすべてはワヤだ。この一言で民主党の敗北は決定的になったと言っていい。
総選挙で民主党が勝つためには、小選挙区で自民党の現職を破らなければならない。その自民党と連立していて、どうやって自民党の候補者と戦うのだろう。小沢氏は「あえて民主党が政権の一翼を担い、国民に約束した政策を実行し、同時に政権運営の実績をも示すことが、国民の理解を得て、民主党政権を実現させる近道であると判断した」と言うが、現行の選挙制度のもとでそんなことが実現する筋道はどうにも見えてこない。
会見の最後で小沢氏はマスコミ批判を展開した。「連立は小沢氏のほうから持ちかけた」という自民党の情報を垂れ流し、世論操作の一翼を担っているというのである。「このようなマスメディアのあり方は、明らかに報道機関の役割を逸脱しており、民主主義の危機であると思う。報道機関が政府与党の宣伝機関と化したときのおそろしさは、亡国の戦争に突き進んだ昭和前半の歴史を見れば明らかだ」と、ずいぶんと格調の高い、おおげさなマスコミ批判である。
しかし、自民党が嘘の情報を流しているのなら、自民党に抗議すればいいではないか。火元には黙っていて、それを流したマスコミに八つ当たりするとは常軌を逸している。自民党にはものを言えない弱みでもあるのだろうか。だいたい密室のボス交で国策の基本を取引しようなどという政治家がいることが民主主義の危機ではないか。
さて、それにしても小沢氏の今度の行動はつい最近まで氏が言っていたこととはどうにも整合性がない。小沢氏に権力に擦り寄らなければならない事情が発生したのではないかと勘ぐりたくなる。小沢氏といえば例の不動産の問題がわれわれにはまだ釈然としないし、また防衛省の守屋前次官に取り入っていた防衛商社から献金を受けていたことも報道された。
勿論、われわれにはそれを解明する手段はないが、常識で考えておかしいことが起ったときには、まずウラがあるものだ。各メディアも手抜かりはないと思うが、「逆転の夏」をフイにした「小沢の変」のウラをぜひ解き明かしてほしい。
Comment
元の鞘に収まったからいいようなもの、私を心配させた小沢代表。田舎の政治を目の当たりに見てきた私は、小沢こそ、田舎の人間から共感をもたれる政治家の“顔”であると確信している。鳩山、菅、岡田、前原、どれをとっても、都会のインテリである。彼等は、永田町で、あるいは、国際社会で通用する知性派である。だが、知性や理性で田舎の1票は取れない。前回の参院選圧勝も、小沢が党首となったからこそである。彼の価値を最もよく理解しているのが、福田。それに劣らぬように、民主党は彼を評価しなければならない。彼は、選挙の顔である。日本人の深層心理に潜む土着性・非論理性を具現している。民主党は、小沢を褒め殺しでもいい、飼い殺しでもいい、これからも、離党させてはならぬ。彼のダダごねは、彼の慢性持病と大目にみてやる。代表がいやだと言えば、総代表を作ってでも、とにかく奉る。小沢で票を稼ぎ、どこの国のトップと並べても恥ずかしくない菅と近頃一皮剥けた鳩山で国政を司る。多党化論者である私の岡目八目である。
小国寡民 (URL)
2007/11/07 Wed 21:18 [ Edit ]
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