2007.11.10
浜の真砂は尽きるとも・・・中国の「世紀の巨貪」
田畑光永 (ジャーナリスト)
管見中国(2)
わが国では防衛省の前事務次官が特定の出入り業者から長年にわたってゴルフ、飲食などの接待を受けていたことが発覚し、また、その業者が業務上横領容疑で逮捕されて、今後、事件がどこまで広がるかに世間の関心が集っているが、中国でも「世紀の巨貪」(貪=タン、欲張り)と呼ばれる元官僚の裁判が注目されている。
この人物はマカオ特別行政区政府で運輸工務局の局長をつとめていた欧文竜という50歳の元役人。職権を利用して大きな工事の入札結果を細工し、不法な業者が落札するように仕向けたというのがその罪状で、不法落札された工事件数は41件に上るという。
摘発されたのは去年の12月で、その初公判が今月5日に開かれたのだが、市民の関心が高く、朝6時すぎから傍聴希望者が列を作ったというのも話題になった。しかし、さらに話題になったのが、午前9時半の開廷後に始まった起訴状朗読がなんと5時間近くもかかったということだ。
なぜ起訴状がそんなに膨大になったかというと、この欧文竜という人物、根が几帳面で自分のノートにかかわった工事についてのさまざまな資料を細かく記録しており、それと本人が受け取った利益との関わりがきちんと符合したからだという。そのノートには「友好ノート」と名前がつけられていたそうだが、これが押収されたのが運のつき、動かぬ証拠となったそうだ。
わが守屋前次官にはこういうノートはないのかしらん。あればどんな人物が登場し、どんな振る舞いをしたかがわかって、日本の政治を理解する上での重要な教材になるだろうに。今後、お役人が任官するときには、汚職はやむをえないが、せめてきちんとメモをつけろと教育したらどんなものだろうか(やっぱり本末転倒か)。
ところで、「巨貪」と呼ばれるからには相当な金額を懐に入れていたはずだが、やはり役人である夫人と合わせて、2000年から2006年までの公職からの収入は1400万元余り(約2億円)だそうだ。中国のお役人も結構立派な給料だが、彼らの財産はなんとその57倍に上るそうだから、集めっぷりは「巨貪」と呼ばれるに値する。
ゴルフの接待200回。それもそのつど1万円は払っていたという守屋前次官。それだけなら、「役人の悪」のスケールではもはや(昔から?)中国にかなわないということか。
◇
ところで、前回の「管見中国(1)」で、中国経済は高度成長を続けているのに、株式市場がにわかに低迷しはじめたことをお伝えした。その後10日あまり、動きを見ていたが、やはり市場はさえない。
もっとも原油高やらニューヨークの株式市場の低迷やら、さまざまな要素があるので、原因は特定しにくいが、8日の上海市場の終値は5330.2ポイントと10月15日(党大会開幕日)に6000ポイントを越えて、最高値を記録したときから10%以上も下げている。
そのため、今年6度目の利上げ必至と見られていたのが、中央銀行である中国人民銀行はすっかり慎重になって、利上げを見送っている。
アメリカも原油高によるインフレ懸念とサブプライム問題による景気減速不安の間で連邦準備制度理事会(FRB)はさらなる利下げをするかどうか難しい判断を迫られているようだが、中国の金融当局もここで過熱を抑えていいものかどうか頭を抱えているらしい。
ところで、「巨貪」と呼ばれるからには相当な金額を懐に入れていたはずだが、やはり役人である夫人と合わせて、2000年から2006年までの公職からの収入は1400万元余り(約2億円)だそうだ。中国のお役人も結構立派な給料だが、彼らの財産はなんとその57倍に上るそうだから、集めっぷりは「巨貪」と呼ばれるに値する。
ゴルフの接待200回。それもそのつど1万円は払っていたという守屋前次官。それだけなら、「役人の悪」のスケールではもはや(昔から?)中国にかなわないということか。
◇
ところで、前回の「管見中国(1)」で、中国経済は高度成長を続けているのに、株式市場がにわかに低迷しはじめたことをお伝えした。その後10日あまり、動きを見ていたが、やはり市場はさえない。
もっとも原油高やらニューヨークの株式市場の低迷やら、さまざまな要素があるので、原因は特定しにくいが、8日の上海市場の終値は5330.2ポイントと10月15日(党大会開幕日)に6000ポイントを越えて、最高値を記録したときから10%以上も下げている。
そのため、今年6度目の利上げ必至と見られていたのが、中央銀行である中国人民銀行はすっかり慎重になって、利上げを見送っている。
アメリカも原油高によるインフレ懸念とサブプライム問題による景気減速不安の間で連邦準備制度理事会(FRB)はさらなる利下げをするかどうか難しい判断を迫られているようだが、中国の金融当局もここで過熱を抑えていいものかどうか頭を抱えているらしい。
| Home |




