2007.11.15 「黄金週」  目減りする中国のゴールデンウィーク
丹藤佳紀 (早大講師)

こんな「言葉」が!(17)中国で  

  われわれが「ゴールデンウィーク」というカタカナ語を使い始めたのはいつのことだろうか。いま、カタカナ語がさまざまな分野であふれているが、「ゴールデンウィーク」は子供心にも新鮮に響いていたように思う。そんなことを考えながら調べてみると、この和製英語は、連休で入場者の多かった映画界で初めに使われ、1952−53(昭和27−28)年ごろ一般に広まったという(『コンサイスカタカナ語辞典』)。
  ご覧のとおり、中国では、われわれがカタカナ語として使っている和製英語を「黄金週」と翻訳した(正しくは、「週」の簡略字「周」を使う)。この黄金週、それが求められた経済的な背景が変わっていま大幅な調整期を迎えている。
  中国では、1990年代まで祝祭日が少なかった。国民全体が休みになる祝祭日は元旦(1月1日)、国際労働節(5月1日=メーデー)、国慶節(10月1日)の3回だけ、ただし国慶節は休みが2日間だった。このほか、最大の伝統行事である春節(旧正月)に3−4日の正月休みがあり、帰省する人などには1週間前後の休暇が認められた。
  当時は週6日勤務制だったから、勤労者は原則として土曜日も仕事をした。1日8時間で週48時間勤務である。改革・開放路線が成果をあげだした1994年に労働時間が短縮されてまず週44時間となった。その1年後には40時間となり、土日が休みの週休2日(中国語で双休日)制となった。
 
  さて、問題の黄金週は1999年の国慶節から始まったものである。これには、勤労者の休日拡大という“錦の御旗”以外に内需拡大という経済的な狙いが込められていた。1997年のアジア通貨危機で中国の経済成長が低迷し、1998年、対前年比で消費価格指数がマイナス1.4となり、経済成長率が7.8%にとどまったつたときである。
  黄金週を具体的に言うと、春節とメーデー、それに国慶節の3回、1週間続きの休日となった(ただし、7日間のうち法定休日は3日間だけ。そこに前の週と後の週の土日計4日を付け足す内容)。
 休日増は勤労者に歓迎され、たちまち旅行、観光を含む年3回の“消費ブーム”が起きた。新華社通信によると、今年の国慶節連休では、全国の消費支出が前年同期比14.5%増の約3000億元(約4.5兆円)に達したという。こうした現象が「休日経済」といわれるものだ。
  ただ、いいこと尽くめとは行かず、巨大な人口圧力をそのまま反映してさまざまな問題が派生した。北京市の運輸当局によると、上記の連休期間に北京で公共輸送機関を利用した乗客数は延べ1億740万人に達した。これだけの人の押し寄せた天安門、故宮、万里の長城などの観光スポットはどこも押すな押すなの大混雑。故宮を訪れた人は1日平均5万人、7日間で35万人にのぼったという。
  こうした行楽客の交通・宿泊などの問題がまず議論になった。それとともに、現行の制度では、端午の節句(旧暦5月5日)や中秋節(同8月15日)などの伝統的な祭日が春節を除いて含まれていないことが不満点として挙げられていた。
  このため、国家法定祝祭日調整研究グループが中心になって9日からウェブサイトで意見の募集を始めた。中国共産党機関紙『人民日報』のウェブサイト『人民網』でもアンケート調査が行われている。
  これまでのところ、1週間続きの黄金週は春節と国慶節の2回に減らす一方、四つの伝統的な祭日を各1日繰り入れる案が有力だとか。別の気の早いサイトでは「さよなら『5.1黄金週』」を見出しにうたっている。
Comment
『黄金周』が1週間休みとしても、実態はけちけちしたものですよ。法定休日は3日だけだから、われわれ労働者はその前の土日やあとの土日に出勤して、帳尻あわせをやらされた。これがなかなかつらい。
外へ出ると人でいっぱいで、ホテルや長距離バスのダブルブッキングや、から契約はごろごろしている。中国の『黄金周』は金メッキですね。そんなにありがたいものじゃないですよ。
胡錦濤主席、おねがいですから連休を3,4倍増やしてください。そうすればもう少しラクに親元を訪ねられます。
阿部治平 (URL) 2007/11/16 Fri 07:13 [ Edit ]
レジャーに旅と食は絶対要素。あの人口の1割でも、あの広い国をドライブしてうまい物を食べるようになったら、石油も食料もたいへんな需要となる。これを読むと現実がその方向にあることがよくわかる。世界中の石油と食料は今後永遠に値上がりする・・・杞憂でしょうか。
小国寡民 (URL) 2007/11/17 Sat 09:02 [ Edit ]
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