2008.01.16 「塑料購物袋」 レジ袋に有料化などの断!
こんな「言葉」が!(20)中国で

丹藤佳紀 (早大講師)

 中国で、北京オリンピック開催の2ヶ月前、6月1日からスーパーマーケットや商店などで、「塑料購物袋」(レジ袋)無料提供が禁止されることになった。また、それに合わせて、厚さ0.025ミリ以下の超薄手レジ袋は生産・販売・使用が全国で禁止になる。プラスチックごみによる「白色汚染」の拡大、深刻化を食い止めるための措置だ。改革・開放政策による市場経済浸透で広がったレジ袋使用は30年の歳月を経て新段階を迎える。
 
 初めて特派員として北京に滞在したとき、自転車やバスで出勤する人たちがほぼ例外なくバッグや袋の類を持参することに気づいた。日本みたいに弁当を持参するわけではない。ふつう、中国人は「冷や飯」は食わないのである。書類などが入っている様子でもない。ならば何のために? 生活体験と中国人の友人の解説でわかった。買い物袋である。
 1978年に改革・対外開放が始まる2年前の当時のこと、慢性的な「物不足」状況が続いていた。計画経済という名のキツい統制経済だったから、安価な良品が店頭に並んでも売り切れたらそれまで、「見つけたらすぐ買え」が鉄則だった。包装などしてくれないから、渡された品物をしまうバッグ類は欠かせないものだった。
筆者の少年時代、田舎では、醤油、食用油それに酒・焼酎はお店に容器を持参し、必要量を量ってもらって買っていた。中国も事情は同じだったから、つくりのしっかりしたスコッチの空き瓶など貴重だった。旅先のホテルの部屋に、捨てたつもりで置いてきた空き瓶を「忘れ物です」と差し戻されて困惑した経験は筆者だけのものではないだろう。

 中国の“手本”になったソ連・東欧諸国も同じで、買い物で行列という現象が各国共通のものだった。バスの停留所などで押し合いへし合いする中国の人たちが、そうした店先では神妙に行列していたのを思い起こす。
 80年代、改革・開放政策が普及し、その成果が上がって商品が豊富になると行列は自然消滅した。プラスチック、ポリエチレンのレジ袋が登場して商品を入れてくれるようになり、個々人が買い物袋を携行する風景も徐々に見られなくなった。これは「革命的な」ことだった。
 さて、レジ袋についての規制は、中国政府がこのほど公表した「レジ袋の生産・販売・使用の規制についての通知」に盛られたもので、厚さ0.025ミリ以下の超薄手レジ袋は「破れやすく、大半が廃棄されるため『白色汚染』の主な出どころになっている」と前文でうたった。
 そして、厚手のレジ袋を有料で提供し、その代金は明示するよう指示した。さらに、布などを使った、繰り返し使える買い物袋を提供するよう企業に呼びかけている。
 この規制について、ウェブサイト「人民網日本語版」は「各界の声」を特集して次のように反響を伝えている。まず、中央民族大学の環境学教授は、「庶民にとって無視できない程度の価格を設定すれば、レジ袋の使用は確実に減る」とコメントした。フランス系のスーパー「家楽福」(カルフール)では環境保護をうたったキャンペーンを始める予定で、一定額以上の買い物客には布製ショッピングバッグをプレゼントするという。
 ただ、中国加工工業協会の役員によると、プラスチック加工品メーカーは全国に6万社あり、ポリ袋製造機が1台あれば開業できるという。このため、生産段階で超薄手ポリ袋を根絶するのは難しいと語っている。
 また、弁当箱として多用され、文字通り「白色汚染」の源になっている発泡スチロールへの規制はまだ手がつけられていない。レジ袋規制は対策の第一弾というところだ。
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