2008.01.24
ことば (language)
(5) 国際英語
英語は、民族語英語と国際英語の2種類に大別できる。民族英語 (native English) とは、民族語(母語)としての英語で、アメリカ英語やイギリス英語などを指す。国際英語 (international English) とは、英語を母語としない国の人々がコミュニケーションの手段として使う共通語としての英語を指す。ジャパニーズ・イングリッシュはもちろん、国際英語である。
英語は現在、事実上、世界の共通語となっている。どの国に行っても英語を使用すれば、とりあえず最低限のコミュニケーションは可能な場合が多い。英語以外の言語ではこうはいかない。英語が世界の共通語と言われるゆえんである。国連の公用語には、英語、フランス語、スペイン語、中国語、ロシア語、アラビア語があるが、普及度という観点からみれば英語が断然優勢だ。また、教本、辞書、百科事典、文法書、参考書、独習書(いづれにもCD、DVDが付属する)など、英語はさまざまなレベルやジャンルのものを幅広く取り揃え、最も充実している。
英文の電子メールは、世界のどの国に送信してもパソコンに正確に表示される。パソコンはアメリカ人が開発したものなので、英語を使用するかぎり問題はない。しかし、英語以外の、特にアルファベットを使用しない日本語や韓国語、中国語、タイ語、ロシア語、アラビア語などの電子メールの場合、自国以外のパソコンでは通常、文字化けして判読できない。パソコンの基本ソフト、OS(オペレーティングシステム operating system)には、Windows, Mac, Linuxなどがあるが、いずれも英語がベースとなる。アプリケーションなどのプログラミングにも英語を使用する。つまり、コンピュータ言語は英語がベース。だから英語がわかるとパソコンの理解も早い。
松野町夫 (翻訳家)
英語は、民族語英語と国際英語の2種類に大別できる。民族英語 (native English) とは、民族語(母語)としての英語で、アメリカ英語やイギリス英語などを指す。国際英語 (international English) とは、英語を母語としない国の人々がコミュニケーションの手段として使う共通語としての英語を指す。ジャパニーズ・イングリッシュはもちろん、国際英語である。
英語は現在、事実上、世界の共通語となっている。どの国に行っても英語を使用すれば、とりあえず最低限のコミュニケーションは可能な場合が多い。英語以外の言語ではこうはいかない。英語が世界の共通語と言われるゆえんである。国連の公用語には、英語、フランス語、スペイン語、中国語、ロシア語、アラビア語があるが、普及度という観点からみれば英語が断然優勢だ。また、教本、辞書、百科事典、文法書、参考書、独習書(いづれにもCD、DVDが付属する)など、英語はさまざまなレベルやジャンルのものを幅広く取り揃え、最も充実している。
英文の電子メールは、世界のどの国に送信してもパソコンに正確に表示される。パソコンはアメリカ人が開発したものなので、英語を使用するかぎり問題はない。しかし、英語以外の、特にアルファベットを使用しない日本語や韓国語、中国語、タイ語、ロシア語、アラビア語などの電子メールの場合、自国以外のパソコンでは通常、文字化けして判読できない。パソコンの基本ソフト、OS(オペレーティングシステム operating system)には、Windows, Mac, Linuxなどがあるが、いずれも英語がベースとなる。アプリケーションなどのプログラミングにも英語を使用する。つまり、コンピュータ言語は英語がベース。だから英語がわかるとパソコンの理解も早い。
国際間の取引でも英語を使用する場合が圧倒的だ。たとえば、日本とマレーシア間の取引の場合、契約書や、注文書、電子メールなどには通常、英語を使用する。日本語やマレー語ではお互いにコミュニケーションできないから。こうした場合に使用する英語、つまりジャパニーズ・イングリッシュやマレーシア英語は国際英語である。国際英語は一般に、その話し手の母語の語法や発想に強く影響されるので、英語のネイティブ・スピーカーから見れば奇異な表現になってしまうことが多い。
たとえば、ジャパニーズ・イングリッシュ。Yes, No など最も基本的なことでも、否定疑問文で質問されると、日本人はうっかりまちがえてしまう傾向がある。否定疑問文では、"Yes" と「はい」の日英の用法が異なる。
英米人: Don't you like coffee? (コーヒーは好きではないのですか?)
日本人: Yes, I don't like coffee. (はい、好きではありません)
好きでなければ、もちろん正解は No, I don't. (Yes, I don'tはまちがい)。
英語では疑問文の形式(肯定や否定)に関係なく、好きでない場合は常に No.
マレーシア英語もかなりユニークだ。マレーシアは典型的な多民族国家で、マレー系、中国系、インド系住民などがいる。普段、よく耳にする表現には次のようなものがある。
電話での会話
私: Can I speak to Mr. Alias? (アリアスさんをお願いします)
秘書: I'm sorry, he is outstation today. (= I'm afraid he has gone out today)
申し訳ありませんが、彼は本日、外出(出張)しております。
客先で
We buy this machine from Japan but don't work. Repair can or cannot?
(= We bought this machine from Japan but it's out of order now. Is it repairable?)
この機械は日本から買ったのだが故障してしまった。修理できますか?
お店で
Yes, boss! (= Good morning. What would you like?)
いらっしゃいませ。
Durian also got. (= We also have durian.)
ドリアンもありますよ。
国際英語は、英米人から見れば異様な表現が多い。これはしかし、仕方のない面もある。私たちにとって英語は所詮、外国語。内容が相手に伝わらないのは困るが、多少、奇妙だとしても、コミュニケーションに支障がないかぎり国際英語としてはとりあえず及第点とすべきだと思う。というより、それが現状なので、それに適応しながら相互理解を深める以外に方法はない。幸いなことに、人間はお互いに似たところの方が圧倒的に多いので、多少の誤用や不適切な表現でもだいたいは察しがつき、コミュニケーションできる場合が多い。
たとえば、ジャパニーズ・イングリッシュ。Yes, No など最も基本的なことでも、否定疑問文で質問されると、日本人はうっかりまちがえてしまう傾向がある。否定疑問文では、"Yes" と「はい」の日英の用法が異なる。
英米人: Don't you like coffee? (コーヒーは好きではないのですか?)
日本人: Yes, I don't like coffee. (はい、好きではありません)
好きでなければ、もちろん正解は No, I don't. (Yes, I don'tはまちがい)。
英語では疑問文の形式(肯定や否定)に関係なく、好きでない場合は常に No.
マレーシア英語もかなりユニークだ。マレーシアは典型的な多民族国家で、マレー系、中国系、インド系住民などがいる。普段、よく耳にする表現には次のようなものがある。
電話での会話
私: Can I speak to Mr. Alias? (アリアスさんをお願いします)
秘書: I'm sorry, he is outstation today. (= I'm afraid he has gone out today)
申し訳ありませんが、彼は本日、外出(出張)しております。
客先で
We buy this machine from Japan but don't work. Repair can or cannot?
(= We bought this machine from Japan but it's out of order now. Is it repairable?)
この機械は日本から買ったのだが故障してしまった。修理できますか?
お店で
Yes, boss! (= Good morning. What would you like?)
いらっしゃいませ。
Durian also got. (= We also have durian.)
ドリアンもありますよ。
国際英語は、英米人から見れば異様な表現が多い。これはしかし、仕方のない面もある。私たちにとって英語は所詮、外国語。内容が相手に伝わらないのは困るが、多少、奇妙だとしても、コミュニケーションに支障がないかぎり国際英語としてはとりあえず及第点とすべきだと思う。というより、それが現状なので、それに適応しながら相互理解を深める以外に方法はない。幸いなことに、人間はお互いに似たところの方が圧倒的に多いので、多少の誤用や不適切な表現でもだいたいは察しがつき、コミュニケーションできる場合が多い。
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