2013.05.20 21世紀版「女の平和」への期待
―橋下倒すにゃ刃物は要らぬ―

半澤健市 (元金融機関勤務)


 橋下徹(大阪市長・「日本維新の会」共同代表)の暴言は日本の政治を一変させるかも知れない。否、一変させて欲しいので私はこの一文を書くのである。

《維新とみんな》
 橋下徹・石原慎太郎の二人は、揃って戦時下の女性の性的苦役を正当化する発言をした。そういう党首を戴く党員は「あれは個人の発言だ」などと言っている。発言の含意は女性蔑視だけではない。男性をも貶めている。橋下は発言の取消も謝罪も辞任もしないと言っている。当否は選挙で決めてくれといっている。決めてやろうじゃないか。
全ての女性有権者が維新の会をボイコット(投票には必ず行くが本稿で述べる三党には一票も投じない)すれば6月の都議選、7月の参院選で維新は壊滅するであろう。
相手は維新の会だけではない。選挙協力を強調していた「みんなの党」も同じである。
渡辺喜美はその提携取消に懸命である。お前は人を見る目がないのか。こんなポピュリストを許してはならない。

《安倍自民党が本丸である》
 なによりも真の敵は自民党である。この政権は2012年12月に全国民の3割ほどの支持で天下を取った。国会中継での安倍晋三首相の表情を見るがよい。薄笑いを浮かべて質問を聞いている。答弁の語尾が終わる前にフッと横を向いて答弁席を離れる。傲慢だ。
安倍は本音では「大日本帝国」の「侵略」を否定したいのである。河野・村山談話の継承を認めたくない。しかし韓・中だけでなく米国も反発したので渋々認めた。また出してくるに違いない。橋下が、女性の性奴隷化の実在と必要性を認めてしまったので、安倍は「私は立場がちがう」などと言っている。しかし右翼揃い踏みの「慰安婦の強制連行はなかった」論にしっかりと与している。問題を矮小化しつつ論点を外している。
安倍自民党は、極右イデオロギーを「維新」に代行させ、新自由主義を「みんな」に代行させて憲法改悪と民主主義の破壊に突進する政党である。

《日本版「女の平和」の武器は投票用紙》
 新自由主義と対米従属による「政・官・財・学・メディア」複合体の利益擁護。これが彼らの役割である。その途上で「極右」と「対米従属」のイデオロギーの矛盾・齟齬の調整をしているのが今日の状況だ。
アリストパネス作の喜劇『女の平和』は、紀元前のギリシャで女性の性ボイコットが平和をもたらすという反戦劇であった。21世紀の日本における「女の平和」は、彼女らの一枚の投票用紙によるボイコットで実現可能である。安倍政権を倒すのに刃物は要らないのである。私は今風のジェンダー論についていけない高齢者であるが、女性反乱の後衛についていきたい。拙文が、心ある人々によって日本中に拡散されることを願っている(2013年5月17日)。

Comment
現憲法は多くの示唆に富む論理を、歴史的に隠ぺいされています。たとえば国家武装は徹底的に否定していますが市民武装については留保しています。一番特徴的なのは天皇の成立要件として「主権の存する日本国民の総意に基づく」と言っていることで、その総意は一度も立証されたことはありません。
イタリアは1946年に国民投票を実施し王政を拒否しました。このことと、昨年の原発計画に対する国民投票の結果とは、現代史にイタリア国民のWILL(日本国憲法では「総意」とされています)を示すものでしょう。
どうも、左翼知識人の中では「この国はどうなっちまってんだ」とか「国民は何を考えているのか」というような孤立の論議がまかり通っています。左翼の中で「真犯人」探しをしても「黒い羊」(アウグスト・モンテロサ)をたたいて終わるだけのようです。「組織と個人」が数十年前にだけ問題になったのではなく、今も問題なのです。
体制側の装置は半沢さんのご指摘のようにパクスアメリカーナという言葉の臨戦態勢に切り替わっていますが、それは今や19世紀的地域対立の再生の形をとってきており、目標を失った予定調和、しかし、19世紀よりはかなり不安を伴った予定調和(すなわち予定調和ですらない未来)を民衆に予感させながら、当面の日銭だけで保たれている体制にすぎません。
アルゼンチンの2003年の破綻は、このパクスアメリカーナが何を犠牲にして存在しているかを視覚的に示してくれました。その十年後のメキシコの現大統領の就任式当日(2012年12月1日)、そこには期待よりも絶望が刻印されていましたし、多くの負傷者は60代を超えた巷間の語り部たちでした。日本の朝日新聞では「ハンサムな大統領」への期待が軽薄に述べられていただけでした。
山端伸英 (URL) 2013/05/20 Mon 02:07 [ Edit ]
タイトル含めて、もろ手を挙げて大賛成である。
しかし問題は、風見鶏根性丸だしなみんなの党よりは、どんどん論点をすり替え、はちゃめちゃな抗弁を展開する維新の方が、感覚的には潔しとなり、生き残る可能性すら有り得るかもしれないという点にある。
というのも…①橋下によるテレビ操作はまだかなり生きているし、②あれだけ理不尽な割には、報道アンケート等では、二割から三割近い理解、共感があることだ。
①については、橋下とテレビ局側の、ある程度のバーターが成立しているように見えること。
私は橋下の生番組はTBS[西村議員を瞬殺したのは、あの時のいかにも「橋下好み」な前後しっかりきちんと流した報道ぶりだった!]とテレ朝を見たが、前者の司会者、なかなかの露払いをやっていた。毎日の化石並な重鎮元編集委員に至っては「寝た子を起こすな」とか「軍隊なんてどこもそんなもの…何を今更?」等、質問とは程遠い、諌める維新幹部みたいだった。正に、老害!八割くらいは、橋下御弁解ショーであった。
テレ朝は、足下掻痒の感であり、質問もやり取りもままならない代物だった。しかも、局側も用意はしていた「石原と橋下の認識の大差について」には画像含めて数十秒も流れない有様。
何故こうなるのか?
「一字一句流さない、朝日や毎日は歪曲して僕を虐める」と、さんざんに口撃される為、必要以上に公平な報道なるものを気にし、「ワンサイドに話させる」からだろう。邪推覚悟で言えば、条件をしっかり橋下側につけられているのではなかろうか?
出演コメンテーターが橋下の「ツイッター攻撃」にびびってはいないだろうが…気を配りすぎ、自分たちの質問時間なりを擦り減らしている、そんな展開であった。
②は、①を受けての結果とも言えるわけだが、土台、一字一句を全てテレビ報道などできっこないと「見透かされている」から、やれ読解力だの、切り取りテクで虐められているだのと「ナンセンスな物言い」に変な勢いを発生させている。
それに加えて…「何を言うのかではなく、誰がどう言うか」が幅をより効かせる、昨今の風潮。いやいや、デジタル版では全てやり取りが載っていますだの、時系列的に報道を整理したら「沖縄の小学生レイプ事件等の憤り等からの風俗推奨」発言ではないことは、きっかりとわかるではといった論理的な反論なんて…そんなことまで世の中、考えないだろう!
橋下側は二割以上の理解者が出れば、この局面では御の字!
だから、政党として致命傷な「二人の代表が完璧に違う発言を強弁する」事態にも関わらず…発言も変えないと強気に行けるのだろう。
こうなると、理非曲直云々ではない。人間には「一念を貫くこと」に好き嫌いや正邪を越えて、若干は一目を置いたりする面もある。
橋下が絨毯爆撃のように自己防衛を展開するのは、それでもたしかに敗戦国だけが悪い子なの?ましてや大昔の悲劇でしょ?まして、あの人「乱暴だけど、孤軍奮闘しつつ、悪かったと線引きしながらマスコミのペンの暴力みたいなのに激しくバトルしているわ…」だのといった、そんな名状しがたい気分を視聴者に与えさせるためである。テレビ報道を見る限り、どうもそんなノリになっている。西村は偶発的とはいえ…見事な噛ませ犬になってしまった。
筆者のタイトルは、なかなかダンディなのだが、私ならば、名画「エクソシスト」のマックス・フォン・シドーの台詞「真実を巧みに…」のあれをタイトルに掲げてみたい。同時にメリン神父はかくも宣う!
「耳を貸してはいけない」と…。
もちろん、マスコミなんだから「耳は傾け、きちんと報道せねばならん」のは当然なわけだが、かの神父よろしく「必要最小限な」矛盾点のみ質問すればよいだけ。TBSのあれ、いい仕事していた!
その時初めて、半澤さんのタイトルが活きてくるのだが…事態はなかなか厳しいかもしれない。
渡米云々は様々な意味で「鬼が笑うお話」だが、二人だったか韓国人の元慰安婦が市役所に来るという。ここで多分、橋下側は「愛情あふれる」リアクションで彼女たちに接するだろう。もうそれしか、彼に活路はなかろうて。山口さんや香山さん等に対応するノリに若干期待はしてはいるが…そんなヘマはやるわけがない!!多分、涙を流しつつ、とにもかくにもお疲れ様をやたらアピールし、適当にはぐらかすだろう。「あなたたちは被害者だ!過去の軍国主義時代の悲惨な被害者だ」とか熱く語りつつ…それはそれ、これはこれ、問題の責任は安部自民にあると「僕は思う!」と逃げを打つとかでは?
そこらの[彼らの思考回路と、断りを入れて言えばだが…]つじつま合わせを名古屋でやったのではないかなあ。さきがけの幹部だった[維新で一番許せない議員だけど(笑)]園田が石原の補佐役をしたというのも、なんかありそうだ。
旅マン (URL) 2013/05/20 Mon 19:23 [ Edit ]
◆維新の会を論じた過去の拙稿は次の通りです。(タイトルは略称)
■橋下言説に対する徹底批判(書評)
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2095.html
■維新の会は張り子の虎
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2118.html
■総選挙の戦況
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2190.html

半澤健市 (URL) 2013/05/20 Mon 21:55 [ Edit ]
確かに自民党の憲法改正案はいただけないと思います。
がしかし、現憲法が大きな矛盾や問題を抱えているのは事実。
改正への努力を放棄してはいけないと思います。

世界中の全ての国から信頼されるためには、軍備の撤廃が不可欠
https://www.facebook.com/MasterHajime/posts/468405299902263
元龍貴 (URL) 2013/05/21 Tue 08:19 [ Edit ]
橋下という人の素質は遠くから見ていると日本の最近のプラント責任者によく似ていると思います。社内のごたごたは常に他人の責任で、他人を悪く言えば解決するようになるのです。この場合、他人は海外では現地雇いの同じ日本人の場合もあるでしょうし、気に食わない労組のリーダーであることもあります。
いままで失敗するプラントをいくつか調べますと大体日本人責任者(メキシコの場合、係長から少し上)で「労組」に責任を転嫁する人たちは対人関係の不手際を本社側に隠しています。
この点、橋下氏が石原氏との会談で使っているロジックは失笑物でした。
私が恐ろしいのはこのような人がカリスマ扱いされる日本人社会のあり方です。
「女の平和」ではセックスを閉じるわけですが、日本人社員の多くは第三世界では子供を作ってもしりをまくって逃げています。これは何人かの学者?も例外ではありません。
子供たちは父親の顔を求めます。彼らは、やばいことやっちゃった、すいません、という感じの対応をします。橋下さんはこんなタイプの日本人の見本だと思います。
山端伸英 (URL) 2013/05/23 Thu 10:47 [ Edit ]
あっけない幕切れ。信頼できぬ相手だから話し合えないというどたキャン。ネトウヨたちは早速、勝利の凱歌を上げ「逃げた婆どもや人権屋ども」と嘲り、小躍りしているわけだが…相変わらず、現実社会を見据えられない愚か者どもだ。
一番損をしたのは誰か?彼らの「奇妙な」広告塔になっている橋下市長である!そもそも、橋下発言を聞けば聞くほど、慎太郎たちを神のように崇めるネトウヨの価値観からは逸脱した中途半端な日和見右翼なのだが…彼らにはそのあたりの「読解力」は微塵もない。松野頼三の息子などは、もはや維新と聞けば生理的にマイナス印象を感じてしまう女性相手に、いまさら対策をだのとピントのズレた話をしていた。しかし…橋下塾で奴らをネットでもよいのでかき集め、それこそ基礎的な「読解力」を学ばせた方がよろしかろう。浮草な投票で当選した維新軍団には、もはやネトウヨくらいしか支持基盤はないだろうし。
さて、この幕切れについて話を戻そう。「どたキャン」「卑怯者」と言った批判は、どうせ正々堂々と橋下と会見したところで「嘘つき」と言った悪口雑言に変わるだけで、よしんば、ばあさん側が橋下市長の主張を詰まらせるような展開になりどもしたら「橋下叩きの偏向報道」やこの場に書けないような卑語や差別用語の花盛りになるだけであった。だから、結果的にも橋下たちが大好きな「勝ち負け」という面から見ても、行かなくて大正解だった。ただ「毎日発言内容がズレていく橋下さんって、本当に弁護士?わけわからない!今更何様?」と、これだけで十分だったのに、あの記者会見では「言い訳がましく」も聞こえた。その方が今後の活動もしやすかったろうに…。
さて、本日土曜日の毎日新聞によれば、中山代議士は「化けの皮を剥がす好機だったのに…」と発言をしただのと、どたキャンを悔しがったという。早速「偏向報道」と馬鹿どもがいきり立つんだろうが、それにしてはいかにもすぎる人物、内容だ。全く違和感なし。
しかし、維新の会という政党、橋下徹さんという「口も悪いが人当たりもよい」若親分、若旦那の回りにカーキ色の軍服が似合いそうな[山田元杉並区長なんか、ついでに日本刀も持たせたいくらい、迫力がある(笑)かっこいいんだか、どうだかだが]、その筋の「こわーい」人たちが力強く脇を固めている…そんな雰囲気醸し出しまくり。とりあえず謝ろうとはしてみても、この中山みたいにまたまた同時進行で叫び出す。だから自民党や民主党からも「落ちこぼれ」たわけか。
最後に…外国人記者クラブとの会見前に、なんと詫びを入れたとのこと。もっともアメリカにだけであるというから、この人のスネオっぷりがよーくわかる。
しかし、外国人記者たちは遠慮しないで、素朴に何故?の質問攻めをしまくるだろう。これはきつい。市長が期待しそうなことは、特にレッテルを貼られなかったメディアに「上手に切り取りしてもらうことで」助けてもらうか、条件つけて生出演させてもらって「起動修正」やらせてもらうとか…。どうだろ?
この際、どうせ気をつかっても「偏向報道」とネトウヨ含めて囃し立てられるわけだがら、開き直ってガンガン全部、垂れ流してはいかが?
…やっぱり、こんな人に会わなくて正解だった。
旅マン (URL) 2013/05/25 Sat 22:22 [ Edit ]
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