2008.04.05
黒澤明全作品30作の放映
―20世紀の日本を描いた巨匠―
4月5日の『羅生門』を第1弾としてNHKのBS2で黒澤明全作品が放映される。
日本を代表する映画監督黒澤明(1910年〜1998年)は、処女作の『姿三四郎』(1943年)から遺作の『まあだだよ』(1993年)までの半世紀に30本の映画をつくった。NHKの放映は12月25日の『まあただよ』で終わる。月により放映本数は異なり上映順序は製作順ではない。
黒澤全作品を鑑賞する機会はそれほど多くない。名画を上映する映画館は少なく民放テレビでの放映はCMが感興をそぐ。一体、「世界のクロサワ」の作品の多くを見ている人は意外に少ないのである。
《黒澤作品を観ることは日本を見ること》
黒澤の作品は『生きる』や『七人の侍』ばかりではない。
読者は勤労動員の女子工員を鮮やかにを描いた『一番美しく』をご覧になったであろうか。尾崎秀実と滝川幸辰を描いた戦後第1作『わが青春に悔なし』をご覧になったであろうか。
焼跡から立ち上がる恋人を描いた『素晴らしき日曜日』をご覧になったであろうか。
舞台を札幌に置き換えたドストエフスキーの『白痴』をご覧になったであろうか。
メデイア批判を早々と先取りした『醜聞(スキャンダル)』をご覧になったであろうか。
こんなことを言っていたら全作品を挙げねばならなくなる。
この機会にこれらの知られざる傑作群を含めた全作品を是非ご覧になっていただきたい。日本映画フアンの私は、黒澤明を知ることは20世紀の日本を知ることだと思っている。黒澤だけが日本映画の監督ではないし、私はNHKの宣伝マンではないが、巨匠の没後10年を記念してのこの快挙に拍手をおくりたい。
半澤健市 (元金融機関勤務)
4月5日の『羅生門』を第1弾としてNHKのBS2で黒澤明全作品が放映される。
日本を代表する映画監督黒澤明(1910年〜1998年)は、処女作の『姿三四郎』(1943年)から遺作の『まあだだよ』(1993年)までの半世紀に30本の映画をつくった。NHKの放映は12月25日の『まあただよ』で終わる。月により放映本数は異なり上映順序は製作順ではない。
黒澤全作品を鑑賞する機会はそれほど多くない。名画を上映する映画館は少なく民放テレビでの放映はCMが感興をそぐ。一体、「世界のクロサワ」の作品の多くを見ている人は意外に少ないのである。
《黒澤作品を観ることは日本を見ること》
黒澤の作品は『生きる』や『七人の侍』ばかりではない。
読者は勤労動員の女子工員を鮮やかにを描いた『一番美しく』をご覧になったであろうか。尾崎秀実と滝川幸辰を描いた戦後第1作『わが青春に悔なし』をご覧になったであろうか。
焼跡から立ち上がる恋人を描いた『素晴らしき日曜日』をご覧になったであろうか。
舞台を札幌に置き換えたドストエフスキーの『白痴』をご覧になったであろうか。
メデイア批判を早々と先取りした『醜聞(スキャンダル)』をご覧になったであろうか。
こんなことを言っていたら全作品を挙げねばならなくなる。
この機会にこれらの知られざる傑作群を含めた全作品を是非ご覧になっていただきたい。日本映画フアンの私は、黒澤明を知ることは20世紀の日本を知ることだと思っている。黒澤だけが日本映画の監督ではないし、私はNHKの宣伝マンではないが、巨匠の没後10年を記念してのこの快挙に拍手をおくりたい。
《4月は『羅生門』と『用心棒』》
4月放映は2本でタイトルと放映日時は次の通りである。
『羅生門』(1950年) 4月 5日(土)午後9:04〜10:33
『用心棒』(1961年) 4月19日(土)午後9:04〜10:55
『羅生門』は1951年の第12回ベネチア国際映画祭でグランプリ(最高賞)を、1952年の第24回米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞して黒澤明の名を世界に知らしめた作品である。芥川龍之介の短編『藪の中』を原作としたミステリー仕立ての人間心理劇である。内容は見てのお楽しみだが、二、三の注目点を挙げれば脚本、カメラ、音楽である。黒澤映画には欠かせない存在となる脚本家橋本忍のデビュー作であり、カメラマン宮川一夫の映像美、作曲家早坂文雄の「真砂のボレロ」などの劇中音楽も特筆に値する。
『用心棒』は黒澤作品の娯楽性が存分に発揮された作品である。特に殺陣(たて)に斬新な手法が採用され時代劇の相貌を一変させた。浪人桑畑三十郎に扮した三船敏郎の活躍をとくとご覧頂きたいと思う。仲代達矢の颯爽たる悪役振りも見ものである。
黒澤は、戦争と革命の20世紀のなかで、広範囲なテーマ設定で日本社会を描き出していった。黒澤明の全作品を放映の都度、何らかの形で取り上げていきたいと考えている。
4月放映は2本でタイトルと放映日時は次の通りである。
『羅生門』(1950年) 4月 5日(土)午後9:04〜10:33
『用心棒』(1961年) 4月19日(土)午後9:04〜10:55
『羅生門』は1951年の第12回ベネチア国際映画祭でグランプリ(最高賞)を、1952年の第24回米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞して黒澤明の名を世界に知らしめた作品である。芥川龍之介の短編『藪の中』を原作としたミステリー仕立ての人間心理劇である。内容は見てのお楽しみだが、二、三の注目点を挙げれば脚本、カメラ、音楽である。黒澤映画には欠かせない存在となる脚本家橋本忍のデビュー作であり、カメラマン宮川一夫の映像美、作曲家早坂文雄の「真砂のボレロ」などの劇中音楽も特筆に値する。
『用心棒』は黒澤作品の娯楽性が存分に発揮された作品である。特に殺陣(たて)に斬新な手法が採用され時代劇の相貌を一変させた。浪人桑畑三十郎に扮した三船敏郎の活躍をとくとご覧頂きたいと思う。仲代達矢の颯爽たる悪役振りも見ものである。
黒澤は、戦争と革命の20世紀のなかで、広範囲なテーマ設定で日本社会を描き出していった。黒澤明の全作品を放映の都度、何らかの形で取り上げていきたいと考えている。
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