2015.10.05 同義語と反義語
come と go, bring と take

松野町夫 (翻訳家)

「旅」と「旅行」のように意味がほぼ同じ語を同義語といい、「戦争」と「平和」のように意味が反対になる語を反義語という。日本語の同義語や反義語には、以下のように様々な呼び方がある。
同義語=同意語、類義語、類語
反義語=反意語、対義語、反対語

英語では同義語をシノニム(synonym)、反義語をアントニム(antonym)という。
synonym [sínǝnìm] シノニム
a word that has the same meaning as another word, such as "big" and "large."
訳: シノニムとは "big" や "large" のように別の語と同じ意味になる語のこと。
antonym [ǽntǝnìm] アントニム
a word that means the opposite of another word, such as "good" and "bad."
訳: アントニムとは "good" や "bad" のように別の語と意味が反対になる語のこと。

ここでは英語の基礎語である come と go を通して、同義語や反義語を見てみよう。
come は日本語の「来る」に、go は「行く」に相当する。“come” の反義語は “go”。 come は “move near” 「近づく」、go は “move away” 「遠ざかる」。両者とも動くことは変わりはないが、前者は何かに向かう動きだが、後者は何か から離れる動きである。何かを○で、動きを矢印で表すと、次のように図示できる。 come = ○ ← ;  go = ○ →

この概念は日本語の「来る」「行く」と同じだ。しかし英語のcome はもうひとつ重要な用法があるので注意が必要だ。それは相手を中心にして相手の思う場所に「行く」ときにはcome を使うということ。つまり、「行く」を come と訳す場合がある。たとえば、「一緒に行きます」は、 I'm coming with you. となる。

A: あなた、夕食、できたわよ。 Dinner's ready, darling.
B: OK、今、行くよ。 OK. I'm coming. (not I'm going)

A: 今週末、京都に行こうと思っている。 I want to go to Kyoto this weekend.
B: いいね。ぼくも一緒に行ってもいいかい。 Great! Can I come with you? (not can I go)

この come と go の用法は、come や go の同義語(bring, take)にも当てはまる。たとえば、
bring: (持って来る、連れて来る) → come の同義語
take: (持って行く、連れて行く) → go の同義語

駅に着いたら雨が降っていた場合: (携帯での会話)
妻: 今、駅に着いたの。雨、すごいのね。 I've just arrived at the station. It's raining hard.
夫: わかった。傘、持って行ってあげるよ。 I know. I'll bring you an umbrella. (not take)
*話し相手に何かを「持って行く」ときは、take ではなく bring を使用する。
I'll bring you something. (not take) となる。

ある語の同義語や反義語がひとつとは限らない。類語辞典や反対語辞典をひくと、たいてい数個の単語が表示される。たとえば、go の同義語は get, head, pass, move, travel, advance、 go の反義語は come, stay, stop, halt ... というように。以下は反義語(go ↔ stay)の例である。

A: Are you going out tonight? 今晩、出かけますか?
B: No, I’ll stay home. いいえ、家にいます。

シソーラス(thesaurus)は、単語を意味によって分類・配列した一種の類語辞典だが、最近では、同義語や反義語を収録したオンラインの「同意語・反意語辞典」もあり、重宝する。

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