2016.03.05  ビヨンセ、スーパーボウルで初の政治的テーマ、論議呼ぶ
 アフリカンアメリカンの命の尊さを訴え

隅井孝雄(ジャーナリスト)

スポーツ界最大のイベント第50回スーパーボウル(2月7日)のハーフタイムショーで、ビョンセ(Beyouce)の歌と踊りがはじめて政治的な課題を取り入れたと大きな話題となっている。
今年のスーパーボウルはカリフォルニア州、サンフランシスコ郊外のサンタクララ「リーバイススタジアム」で開催された。カロライナ・パンサーズ対デンバー・ブロンクス、10対24でブロンコスが勝った。
開幕を飾るアメリカ国歌は赤い衣装のレディーガガが熱唱。ハーフタイムショーはイギリスのロックバンド「コールドプレイ」、ビヨンセ、ハワイ出身のポップス歌手ブルーノ・マーズの三組。ビヨンセは新曲「Formation」披露した。

ブラックパンサーに因んだ?
この曲は「Black Lives Matter」( 重い黒人の命)というキャンペーンに連動したもので、ビヨンセとダンサーたちは、黒い皮のジャンプスーツ姿で拳をつき上げるフォーメーションを展開、バウンス・ビートのリズムに乗った歌を熱唱した。
この衣装やパフォーマンスは、観客、テレビ視聴者に1960年代の黒人民族主義「ブラックパンサー」、マルコムX、マイケルジャクソンなどを想起させるものであった。折から黒人歴史月間、このところ警官によるアフリカ系アメリカン殺害が続いていることに対する批判だと受け止められた。会場のサンタクララは、ブラックパンサー発祥の地オークランドにほど近い。

抗議は不発
一方、元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアー二氏が、Foxテレビで「市民を守っている警官に敬意を表すべきだ」と語るなど、ビヨンセのパフォーマンスに反対意見も聞かれた。スーパーボウルの会場では写されなかったが、この曲のミュージックビデオには少年が暴動鎮圧装備の警官の前で踊るシーンや、壁の落書きで「Stop Shooting」などの文字が映し出される。インターネット上ではビヨンセに抗議するためNFL本部前(ニューヨーク市)に集まれ、との呼びかけが行われた。
2月16 日、抗議の当日「ビヨンセとNFLに抗議するために現れたのはたった5人、多数のビヨンセ支持者に囲まれ、そのなかの一人は表現の自由を守るために来たと語った」(夕刊ニューヨークポスト2/16)と報じられた。
ビヨンセはテキサス州ヒューストン出身。第52回グラミー賞で6部門受賞、女性アーティストとしては最多記録を持っている。これまでのCDトータルセールは1億万枚以上。 
アフリカ系アメリカ人とクレオール(アメリカンインディアンとフランスの混血)の両親を持つ。クレオールのゆかりからフランス風の名前がついた
ビヨンセはこの新曲を持って北米、ヨーロッパをめぐる40日間のツアーに出る。

▽視聴者は1億人を越えて、史上三位
第50回スーパーボウルは、ニールセン社によると視聴率史上三位の1億1220万人に達した。またインターネット同時配信も無料であったため、ユニークユーザー数396万人、ネット平均視聴時間101分といずれも過去最高を記録した。またCM料金30秒一本500万ドル、放送したCBSネットワークの収入は4億758万ドルと、いずれもこれまでの最高だった。
試合はレギュラーシーズンで14連勝、15勝1敗でコマを進めたカロライナ・パンサーズ(地区優勝2013年以来3連勝)、昨年に続くスーパーボウル2連勝(地区優勝は2011年以来5連勝)を狙うデンバー・ブロンコスの対決が注目を集めた。
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(写真説明)黒い皮のジャンプスーツ姿で、こぶしを突き上げる超人気歌手ビヨンセ(CBSニュースから)
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