2016.10.06 キューバの当面の対米要求は経済封鎖の解除
キューバ友好の集いで鮮明に

岩垂 弘 (ジャーナリスト)

 駐日キューバ大使館主催の「第4回全国キューバ友好の集い」が9月25日、東京で開かれたが、集いを通じて、昨年7月に米国と54年ぶりに国交を回復したキューバの対米交渉における当面の最大課題が、経済封鎖の解除であることが明らかになった。

 駐日キューバ大使館主催の「全国キューバ友好の集い」は、日本の友好団体との交流を深めるための行事。2年ごとに開かれているが、2015年に開く予定だった第4回が大使館の都合で延び、今年の開催となった。
 会場は麹町のエデュスカ東京(全国教育文化会館)。日本キューバ友好協会、全日本民医連、ピースボート、日本キューバ連帯委員会、キューバ友好円卓会議、キューバを知る会・大阪、キューバ教育研究会、キューバ文化交流会などの関係者ら百数十人が集まった。

 集いでは、まずマルコス・ロドリゲス駐日キューバ大使があいさつ。次いでこの集いのために来日したアリシア・コレデーラICAP(キューバ諸国民友好協会)副総裁があいさつした。
 副総裁は、まず「フィデル・カストロ(前国家評議会議長)は90歳を迎えた。彼は常に偉大な日本国民の友人である」と、キューバが日本国民との友好関係促進を望んでいる旨を強調。次いで「今年はキューバ社会にとってと重要な年である。なぜなら、今年4月に開かれた共産党第7回大会で、2030年までの経済社会開発15年計画が採択されたからだ。これは、革命の成果を継承しながら経済改革を進めてゆくという内容である。キューバ国民はこの計画を達成すべく奮闘している」と述べた。

 さらに、副総裁はこう言葉を継いだ。
 「しかしながら、わが国では米国による経済封鎖が1960年代から続いている。こうした不当で犯罪的な経済封鎖によってキューバが受けた損害は2015年から2016年にかけてだけでも46億ドル、トータルでは1258億7300万ドルにのぼる。このことは、キューバ人の日常生活に深刻な影響を与えている」
 「国交回復後、オバマ米大統領は封鎖を緩和したが、それは一部に過ぎない。経済封鎖の撤廃を国際社会に訴えたい。今年も、わが国は国連に米国による対キューバ経済封鎖の解除を求める決議案を提出している。わが国がこうした決議案を国連に提出するのは25回目である。来る10月27日に採決がおこなわれることになっており、決議案が採択されるよう望む。国内では、毎月17日を、経済封鎖に反対しグアンタナモ基地返還を求める日とし、全国民で取り組んでいる」

 ちなみに昨年の国連総会(193カ国)では、米国による対キューバ経済封鎖の解除を求める決議案が賛成191、反対2、棄権ゼロで採択された。反対は米国とイスラエルだけだった。国連総会は1992年以来、同じ趣旨の決議を採択しており、今年採択すれば25年連続の採択となる。

 この後、集い参加者による分科会がおこなわれた。テーマは「経済封鎖」「キューバ訪問・ブリガーダ参加」の二つ。いずれもキューバ側の提案で設けられたものだが、テーマの一つに「経済封鎖」が選ばれたのは、キューバ側がこの問題を重視していることの表れと思われた。

 集いは閉幕に先立って声明を発表したが、そこには次のような文言が盛り込まれた。
 「私たちはキューバ国民との連帯を重ねて表明し、キューバ国民に大きな損害を与えている米国政府による不法で不当な経済封鎖の撤廃ならびにグアンタナモ米軍基地となっている土地のキューバへの返還を求める世界の要求を支持するものです」

 なお、集いの席上、キューバ側から、来年はキューバ革命の英雄、チェ・ゲバラの没後50年に当たるので、これを記念する国家的行事が来年10月8日を中心に2週間にわたってサンタ・クララでおこなわれることが発表された。日本ではゲバラ・ファンが多いだけに、来年は、ゲバラ没後50年を記念するイベントへの参加を目指すツァーがいくつも組織されそうだ。

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