2017.01.28 脱原発 台湾の次は韓国
韓国通信 NO515

小原 紘 (個人新聞「韓国通信」発行人)

 台湾の「脱原発」に祝杯をあげたい。一昨年台湾を訪れ、建設中止に追い込まれた第4原発を見学、現地市民たちと交流した。東日本大震災で多額の救援募金に取り組んだことはよく知られるが、同時に地震の多い台湾の人たちは原発の危険を大いに学んだようだった。
 現在稼働中の6基は2025年までに稼働停止、廃炉にする計画だ。昨年1月の総統選挙で脱原発を掲げた民進党蔡英文候補を勝たせた国民の勝利と云える。2011年の福島第1原発事故以降、台北では日本をはるかに上回る反原発デモが開かれたのは記憶に新しい。

日本では、安全性の審査ではないと云いながら次々と再稼働の「お墨付き」を与え続ける原子力規制員会。厳しい基準に合格したから心配いらないとする政府。その政府を信用するという立地自治体。誇りを持てと言われても「自虐的」になってしまう。

韓国では、原発を推進してきた朴槿恵大統領が「断頭台」にあがる。問われたのは政治の「私物化」だけでない。民意を無視したあらゆる政治が俎上にあがり批判にさらされている。父親(朴正煕)譲りの強権政治の破たんである。
10億円で慰安婦問題の「手打ち」を行った日韓の政治交渉の舞台裏もこれから明らかにされる。現大統領の後継と目されている前国連事務総長潘基文はそれまでの言を翻して従軍慰安婦問題の再交渉を言いだすしまつ。アメリカの肝いりで政治決着をしたはずの慰安婦問題は振り出しに。安倍首相の「外交成果」も朴槿恵とともに破たん寸前である。

原発については、文在寅(ムン・ジェイン)、現ソウル市長朴元淳(パク・ウォンスン)氏ら次期大統領の有力候補者が、そろって「脱原発」を公約にしているのが注目される。
文在寅は前回の大統領選挙で脱原発を掲げていたが、「不十分だったことを認め、今回は党の方針として脱原発を掲げる」という。朴元淳はこれまでソウル市長として脱原発のためにクリーンエネルギーの導入に注いできた実績をもとに脱原発政策を掲げる。

原発事故をテーマにした韓国映画『パンドラ』が関心を集めている(昨年12月公開、ネットで世界190か国で公開予定)。野党候補の大勝が予想さるなか、韓国が脱原発に舵を切るのは時間の問題だ。「福島の教訓を学べ」「韓国にも地震は起きる」「原発は安全ではない」が韓国でも常識になりつつある。
韓国の議論は「安全神話」のなかに眠り続ける日本人にはとても刺激的だ。原発の後始末に20兆円。過去の分まで国民に負担させるというあきれた話。これからも「事故が起きたら、みなさん、『ヨロシクネ』」と云うことらしい。気の滅入る話ばかりだ。どこかで断ち切らないといけない。

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