2017.02.10  韓国を信頼できない78%
          韓国通信NO216

小原 紘(個人新聞「韓国通信」発行人)

産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)が先月28、29日に実施した世論調査によると「韓国を信頼できない」という回答が77.9%に達したという。韓国の政治空白がもたらした釜山の慰安婦像設置や竹島問題が影響を及ぼしたという。さらに一昨年12月の日韓合意については86.4%が韓国側は守らないのではないかと懸念を示し、大使等を帰国させた日本政府の対抗措置については8割が理解を示したという。
微妙な時期の微妙な世論調査だが、「好きか嫌いか」ではなく「信頼できるかできないか」という設問は意味ありげである。反韓・嫌韓気分に外交問題が上乗せされた格好だ。竹島(独島)の問題は別にして、気になるのは、一昨年末の従軍慰安婦問題の「政府間決着」と平和の少女像をめぐって新たな軋轢が生まれていることだ。

電撃的な決着と思われたが、1年経過した今、この問題で日韓関係はむしろ悪化した。韓国内では6割以上の人が「再交渉」「破棄」を求め、わが国でも産経の世論調査に表れたように8割近い人が韓国側に不信感を抱いている。もっとも日本人の印象としては「解決した」と思っていたのに裏切られたということかも知れないが。
この食い違いはどこから生じたのか。振り返ってみたい。

当日発表された両国外相の共同声明から検証したい。以下、外務省のホームページの概略である。
岸田外務大臣は「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している」と述べ、安倍首相の言葉として「安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明した」と発表した。さらに後段では「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」とも述べている。
一方、尹(ユン)外交部長官は両国の合意を受けて、この問題が「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認し、日本大使館前の少女像に対し、公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する」と述べた。

安倍首相のもとでは解決は絶望視されていたが、韓国側が合意したのは、大幅な譲歩を日本側から引き出したと判断したこと、さらに両国の背景に北朝鮮包囲を急ぐアメリカの積極的な要請があったとされる。従軍慰安婦の存在さえ認めなかった首相が「軍の関与の下に多数の慰安婦の方の『名誉と尊厳』を傷つけことに心からの「おわびと反省」を述べたことは確かに画期的ではあった。

 「和解合意」が生んだ深い対立
解決したかに見えた従軍慰安婦問題だが、最近の日本では韓国政府の約束「不履行」を「振り込め詐欺」、韓国は「10億円を返すべき」という声まであがっている。
一体何が問題だったのか。
まず確認しておきたいのことは、被害者が元従軍慰安婦のハルモニ(おばあさん)であり、加害者は日本だということである。見た通り、12.23の共同記者会見で日本政府自らが認めたことだ。

問題点を探ってみた。
1) 政府間の外交交渉であっても当事者を抜きにした解決には無理があったこと。
2) 「謝罪」「反省」の気持ちを手紙をとおして被害者に表明することについて安倍首相がそのつもりは「毛頭ない」と一蹴した(衆議院予算委員会2016/10/3)ことが話をこじらせる原因となった。これでは共同会見は単なる「リップサービス」であり、真意ではないと韓国側では受け止められた。本当に解決する気ならば韓国に出かけて直接謝罪してもいいくらいだが、文書ひとつ渡せないと頑張る首相の態度は理解できない。
3) 「癒し」事業に使う10億円は慰謝料でも損害賠償でもないというのが日本政府の立場だ。「おわび」とは無縁な金は受け取れないと主張する被害者の気持ちを日本政府は理解すべきだった。
4) 10億円を払えば平和の少女像は撤去されると多くの日本人が理解したようだが、共同会見ではそのような約束はしていない。「解決に努力する約束」はしたが、政府が勝手に撤去ができない以上当然だ。
「平和の少女像」は、戦争が惹き起した少女たちの苦しみを二度と繰り返してはならないという平和への祈りを込めて市民たちが建てた。毎水曜日に大使館前で開かれる集会に出かけてみたらよい。屈辱的な解決に走った朴槿恵大統領と不誠実な安倍首相への糾弾の声は聞かれても決して「反日」ではない。日本が再び戦争をする国になることを心配するハルモニたちのスピーチに感動するはずだ。日本が撤去にこだわれば市民たちの平和への思いを逆なですることになりかねない。「反核平和の折り鶴」を原爆を落としたアメリカからやめて欲しいと言われるようなものだ。
5) 金ですべて解決できると考えた日本政府は不遜である。「最終的不可逆的に解決した」という文言にもよく現れている。日韓両政府が急いだばかりに、それそれの国が抱えてきた問題が一挙に表面化したように見える。被害者をかかえる韓国政府の見通しの甘さは明らかだ。次期大統領候補には日韓合意を引き継ぐ人はいない。新大統領が誰になっても合意は撤回、または再交渉は確実だ。

日本は韓国政府を批判する立場かも知れないが、振り出しに戻ることになれば日韓関係を悪化させた政治責任は免れない。破棄・再交渉となれば10億円はどうなるのか。返してもらうとしても前代未聞の大失態である。
韓国政府の「不履行」に抗議して日本は大使と領事を引き揚げ、日韓スワップ協定協議の中断を決めた。韓国へ強い姿勢を示すことで安倍内閣が支持率が上がった。韓国のマスコミもそのような指摘をしている。「信頼できない8割」の分析は簡単ではないが、隣国ヘイトをにじませた日本側の対応を8割近い人が支持したとも読める。北朝鮮に小泉首相とともに平壌にでかけ平壌宣言の実績をあげ、拉致問題が明らかになると北朝鮮敵視政策によって首相にのぼりつめた安倍首相。彼はトランプ米国大統領顔負けの「自国ファースト」主義者である。ただスケールが違う。アメリカに従属しながら、アジアで「エラソウ」にしている「小トランプ」である。

春だ 出かけよう
 立春といっても寒い日が続きます。家に引き籠もっていては免疫力が落ちるばかり。
 去る3日、全国各地一斉行動日に駅頭でアピール行動。バス待ちの中学生二人から話しかけられた。「何をしてるんですか」「憲法を変えて戦争するアベに抗議してるんだ」「アベって安倍晋三?」「そう」「僕たちもがんばります」。彼らは高校入試の願書受付に来たらしい。「受験生ガンバレ!!」
 元気が出たついでに国会前の反原発デモに参加。少なくなりました。700人くらいでした。「韓国通信NO497」で取り上げた90才を越えた元都立戸山高校の先生だった武藤徹さんに会った。耳が遠いようなので耳元で「風邪ひかないでね」と挨拶したら、うれしそうに頷いてくれた。節分の夜。会場では豆まきをした。「原発アウト!安倍アウト!」

 福島原発事故から6年目。さまざまな行動が予定されている。寒さを吹き飛ばそう。春は近い。
   2月19日 貧困格差にNO! 2.19総がかり行動        1時半~日比谷野音
   3月11日 柏崎刈羽原発再稼働許すな東電本社包囲   2時~4時まで東電本社前
   3月18日 福島県民集会  郡山開成山陸上競技場    13時10分開会
   3月20日 フマシマ忘れない さよなら原発全国集会    1時半~ 代々木公園
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