2017.06.16  「共謀法」廃止のために内閣を変えよう
  
  安倍政権の暴挙に抗議する
                              リベラル21編集委員会

 自民、公明両党は6月15日早朝、参院本会議で組織犯罪処罰法改正案(「共謀罪」法案)の採決を強行し、成立させた。安倍政権の意向を受けたもので、日本の憲政史上稀にみる暴挙であった。成立した「共謀罪」法の内容も、参院の委員会での採決を省いて本会議採決に持ち込むという強行的な手段も、わが国の民主主義を根底からないがしろにするものであり、リベラル21編集委員会はこうした暴挙に強く抗議する。

 国会における議事運営では、上程された法案は衆院なり参院なりの委員会で審議して採決を行い、そこで賛成多数を得た法案が衆院本会議なり参院本会議に送られ、そこで採決が行われるというのが習わしである。ところが、今回は参院法務委員会での採決を省略し、参院本会議で法務委員会委員長による「中間報告」を行った後に法案について採決を行った。異常、異例、異様としか言いようがない。まさに議会制民主主義の破壊である。

 国会運営上の慣例から見て暴挙であるばかりでない。民意を無視したという点からみても、明らかに暴挙である。
 最新の新聞・テレビによる世論調査では、「共謀罪」法案反対、あるいは「慎重審議を」という意見が増えつつあった。さらに、全国の新聞の大半が、「徹底審議」あるいは「廃案」を主張していた。なのに、なぜ、法案の採決を急いだのか。政府・与党からは、国民が納得するような説明はついになかった。

 私たちは、今から57年前の1960年5月19日から20日にかけて国会で繰り広げられた光景を思い出す。この時、日米安保条約の改定案(新安保条約=現行の日米安保条約=案)が国会に上程され、国論は賛成・反対の両論があって揺れていたが、自民党は5月19日、衆院安保特別委員会で野党の反対を押し切って改定案を強行採決、続く衆院本会議でも自民党単独で討論なしで改案を可決。そして、6月19日に参院の議決を経ない自然承認という形で新安保条約を成立させた。
 こうした一連の強行採決を主導したのは、安倍首相が敬愛する祖父の岸信介・首相であった。「共謀罪」法の制定にあたって、安倍首相は祖父のやり方に学んだのだろうか。

 ところで、新安保条約の自然承認に先立つ60年6月15日には、新安保条約に反対する学生団体の全学連主流派の学生が国会南門から国会構内に突入、警官隊との衝突で東大生・樺美智子さんが死亡した。「共謀罪」法案について強行採決が行われた「6月15日」は、奇しくもそれからちょうど57年にあたった。果たして、偶然の一致であろうか。

 それにしても、私たちは、「共謀罪」法の中身に改めて強い懸念を表明する。
 この法律の本質は、犯罪の実行に着手する前の計画段階を処罰するというものである。にもかかわらず、国会における審議では、どんなことが「計画」や「準備行為」に当たるのか不明確のままだった。このため、準備行為が犯罪計画のために行われたかどうかということを確定するために個人の主観を捜査することになりかねず、場合によっては、心の中で考えたことが処罰の対象になりかねない。
 このため、法律家からは「一般人の日常的な行為をとらえて実行準備行為だと恣意的に認定するおそれがあり、冤罪を生みかねない」、市民の間からは「内心の自由が脅かされるおそれがあり、怖い」といった声があがっていた。

 日本国憲法第19条には「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」とある。また、同21条には「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」とある。
 こうした規定からすれば、「共謀罪」法は明らかに日本国憲法に抵触すると言っていいだろう。「共謀罪」法は廃止されるべきだと私たちは考える。
 
 「共謀罪」法が成立しても、絶望することはない。なぜなら、日本では、国民が主権者だからである。したがって、国民の多数が賛成できない法律は、国民の意思で廃止できるのだ。
 具体的には、次の総選挙や参院選挙で、国民が「共謀罪」法の廃止を提起し、これに賛成する候補者を国会に送り込もう。そうした候補者が衆参両院で多数を占めれば、政権も変えることができ、「共謀罪」法廃止は実現する。それに備えて、今回の「共謀罪」法案採決で賛成投票をした国会議員の名を覚えておきたい。

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