2018.06.02  「平和が来る」~盧武鉉元大統領9周忌追悼記念式~
          韓国通信NO558

小原 紘(個人新聞「韓国通信」発行人)

 盧武鉉元大統領が亡くなってから9年目の去る5月23日、生家のある慶尚南道金海市で追悼式が盛大に開かれた。
 歴代の大統領の中で長年好感度トップだった朴正熙大統領に代わって、廬武鉉が世論調査で好感度一位の座に就いた。朴正熙は娘の朴槿恵とともに嫌われ者になった。韓国社会が変わったことを実感する。
               「平和が来る」~盧武鉉元大統領9周忌追悼記念式~
 追悼式には遺家族を始め、丁世均(チョン セ ギョン)国会議長、各党代表者、朴元淳(パク ウォン スン)ソウル市長ら各地方自治体長らが市民とともに参加した。
 板門店会談から約1カ月後の追悼式。南北の融和と統一に力を注いだ盧武鉉元大統領の功績を偲んだ。
 追悼式のテーマは「平和が来る」だった。
 文在寅大統領の懸命の努力にもかかわらず米朝会談はトランプ大統領に振り回されている感がある。だが平和と統一に対する韓国国民の期待は日本人の私たちには想像できないくらい大きい。
 政治の劣化が著しいニッポンは感動のない国だ。福島を切り捨てながら『花は咲く』なんて歌は聞いていられないが、官製ながら韓国のBGM『ワン・ドリーム ワンコリア』は台湾の『反原発ソング』の次に素晴らしい。
 台湾→https://www.youtube.com/watch?v=-xZYuYQnyC8
 韓国→https://www.youtube.com/watch?v=2cKPU_GPa7w
どちらも若い歌手たちが生き生きと歌っている。何かが生まれそうな予感がある。

<「釜山始発バリ行き列車」の衝撃>
 「板門店宣言」の1-⑥には「南と北は……東海線及び京義線鉄道と道路を連結し」とある。38度線で分断されていた二つの鉄道と道路を繋ぐ意味はとてつもなく大きいことに気づく。
 北朝鮮は国際社会から孤立していると言われるが、実は地理的には韓国は半島でありながら「陸の孤島」だと今頃気がついた。鉄道と道路が結ばれると韓国はユーラシアと「繫がる」。
 追悼記念式で、李海瓉(イ へ チャン)盧武鉉財団理事長(元首相)が、「若者たちが最近一番楽しみにしていることは、列車に乗って北朝鮮と中国の丹東を経てヨーロッパに旅行に行くことだ」と語ったが、これまで夢と考えられていたことが現実になりつつある。国家の統一はまだ先としても、交通の「動脈」が繋がるだけで東アジア経済共同体の実現と繁栄が目に見えてきた。OECDは日本がGDPで韓国に追い越されると予測しているが、「戦争終結宣言」によってさらにその時期は早まると考えられる。 

<孤立を深める日本>
 北朝鮮への「制裁」だけ叫んできた日本は東北アジアで孤立する可能性が高い。「日米韓」と呪文のように唱えてきた時代は終わろうとしている。北朝鮮の脅威を利用して軍国主義に走る日本はアジアばかりか世界の趨勢から取り残される。
 世界に誇る平和憲法を持つ国として南北朝鮮の統一を積極的に支援すべきだという声が一部の政治家・財界人からあがっている。便乗的な側面は否めないが。
 トランプ大統領は戦争状態の「継続」か「解消」かによる自国の「損得」の計算で揺れている。既に北朝鮮に対する「経済支援」を巡ってアメリカと中国との確執が始まっているように見える。
 日本は「核兵器禁止条約」に反対しながら、北の核兵器廃棄声明を信用できないという。「拉致」の解決がなければ制裁の継続を主張する。しかし主体性は無い。トランプが「北との戦争も辞さない」といえば、「その通り」と応え、「北と話し合う」と言えば「支持」し、「米朝会談取りやめ」といえば「支持」するという荒唐無稽さだ。日本が今何をすべきか明らかだろう。緊張と戦争が国を富ませるという戦前の発想に安倍首相が取りつかれているなら直ちに辞めてもらう他ない。「平和が来る」という確信を韓国の人たちとともにしたい。
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