2018.09.25 私たちの未来は……辺野古隠しに騙されてはならない
宮里政充 (もと高校教員)

9月16日、安室奈美恵さんの25年間に及ぶ歌手活動は終わりを告げた。「ネバーエンド、ネバーエンド 私たちの未来は…」と口ずさむぐらいしかできない老人の私ではあるが、彼女のこれまでの生きざまや音楽活動に心から拍手を送りたい。ありがとう、お疲れさまでした。新しい未来へ向かって羽ばたいてください!

ところで、沖縄県知事選に目を向けてみると、先だっての名護市長選挙同様、辺野古移設問題を棚上げするイデオロギーが強く働いていることがわかる。だが、かりに佐喜真淳候補が知事となった場合、棚上げしていた辺野古移設の作業が一挙に本格化することは目に見えている。つまり渡具知武豊名護市長も佐喜真候補も、沖縄だけが米軍基地の過重な負担を半永久的に背負わされるという理不尽な状況に向き合おうとせず、選挙戦を有利に運ぶ手段として辺野古隠しを企んでいるのである。姑息なやり方だ。

日本政府はこれまで日米地位協定改定のために動いたためしがない。まして沖縄にある米軍基地を本土へ移すなど日本政府にとって思いもよらないことだ。なぜ沖縄に米軍基地が集中しなければならないかについて、当時民主党政権の防衛大臣であった森本敏氏は2012年12月25日の閣議後の記者会見で「軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域だ」と述べた。また自民党政権の久間章生元防衛大臣は「辺野古でも普天間でもそういう所に基地がいるのか、いらないのか」と必要性を疑問視した」(琉球新報2018.2・1)。そして、さらに最近では石破元防衛大臣が、自身の公式サイトで、沖縄に米軍基地が集中している理由について「(本土の)反基地闘争を恐れた日本とアメリカが、沖縄に多くの海兵隊を移したからだ」と説明した。

今年の2月20日、翁長知事は来県中の参院外交防衛委員会の委員らと県庁で意見交換した際、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について委員会理事の塚田一郎氏(自民)が意義を強調したのに対して、「元閣僚らの発言を引用して『軍事的に必要だというより政治的に沖縄に置くしかないと話されている。こういった理由で沖縄に置くということをぜひもう一度見直してほしい』と再考を求め、さらに、「秋田県なら十和田湖を、宮城県なら松島を、滋賀県なら琵琶湖を埋めて抑止力のための基地を造ることが、地域の国会議員が日本の安全のためだとやり切れるのか疑問だ」と指摘した(2月21日琉球新報)。だが、これに対し委員からは、「辺野古移設が実現すれば航路が海上となり、安全性が確保、騒音も大幅に軽減される」という以上の回答は得られなかった。

沖縄に対する構造的差別とはこういうことを指すのである。沖縄県民の意思を無視し続け、一方的に米軍基地を押し付けてきた日本政府に対して、沖縄県民の長たる知事が「辺野古に新しい基地は作らせない」と主張することはごくごく当たり前のことではないか。
沖縄知事選挙は終盤戦に入っており、共同通信社の世論調査によれば、与野党が激しく競り合っているという。私は、沖縄県民が米軍基地頼みの、つまり「米軍基地ネバーエンド」の未来ではなく、ウチナーンチュとしてのアイデンティティーを大切にし、経済的にも「自立する沖縄」の未来を選択してほしいと心から願っている。(2018.09.24)
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