2018.10.03  玉城デニーさんの当選を心から喜ぶ
          ある友への手紙

「リベラル21」にも何回か書いてくださったジャーナリスト、藤野雅之さんが、沖縄県知事選での玉城デニーさんの当選を祝って、Facebookに一文を投稿しました。藤野さんは共同通信記者として働く一方、40年間、沖縄与那国島に通って援農活動を続けてきた人です。藤野さんだから書いた、心のこもった喜びの一文なので、筆者の同意を得てその全文を転載します。(編集委員会・坂井定雄)

藤野雅之 (ジャーナリスト)

 玉城デニーさんの当選で、沖縄をめぐる今後の展開に希望を持つことができると、今朝は良い気分です。
 昨夜は、Facebookで那覇の玉城事務所から渡瀬夏彦さんが生中継してくれて、見入っていました。朝日新聞と沖縄タイムス、琉球朝日放送も合同でYoutubeで生中継し、これと交互に見ました。朝日は中継が始まった直後の20時1分に「玉城さん、当確」を打ちましたが、なかなかそれに続く2社目が出ず、どうなるのか、最初は気になりました。21時30分少し前に毎日新聞が、続いてNHKが当確を報じると、事務所はわっと歓声が上がって、カチャーシーに沸きました。
 
選挙戦終盤には、佐喜真候補側から玉城さんを中傷するデマ報道がネットやビラを使ってなされ、心配しましたが、佐喜真候補が辺野古基地問題に徹頭徹尾触れなかったことが決定的な敗因だったと思います。しかも「携帯料金を4割値下げする」などという国や県に権限のないことを公約に掲げたりして、そんなことは誰でもウソだとわかる発言でした。
 それに対して、玉城さんは自分の出自と沖縄への思い、さらにそれを県政にどう繋げるかをきちんと語り、その誠実な姿勢が女性をはじめ多くの無党派層の心を打ったと思います。那覇在住の友人の渡瀬さんが首里の近くで朝日を眺めに行く途中で出会う石焼き芋を売っているおばさんが「期日前投票に行ってきたよ。当然、玉城さんと書いたよ。ちゃんと候補者の話を聞けば、どっちが良いかは誰でもわかるよ」と言ってくれたのが嬉しかったと書いていました。
 
  渡瀬さんは援農隊の初期の参加者で、十数年前から那覇に住んで、フリーライターをしています。今回の選挙では、ボランティアで玉城さんの選挙運動に陰で協力してきました。毎日、車を運転しながら、状況をリポートして、愛聴者が多いようです。
昨日は県議会議員の補欠選挙もあり、玉城さんの立候補を裏で支えた山内未子さんが当選しましたが、渡瀬さんは彼女の選挙も支えていました。その山内さんが「いまの沖縄は、政府からの補助金や交付金に頼らないでも経済を維持していける。それだけの力をつけてきている。それなのにいまだに政府に頼ろうとする保守系の人たちはこの考えから抜け出せない。沖縄県民は自立することにもっと自信を持つべきだ」と言っていたというのです。この考えに私は大変感銘を受けました。私が40年間、与那国で援農隊活動をしてきたのも、与那国に自立してほしいと思ってきたからです。

 しかし、当時は与那国の人には、離島で産業もなく人材もなく自立などできないと考える人が多かったのです。ところが、尾辻吉兼町長が出てきて「与那国島自立ビジョン」の活動を始めました。私は彼の考えに共感して協力しましたが、その途上で尾辻町長が急死して、いまの外間守吉町長になりました。その後しばらくして島では自衛隊誘致運動が始まりました。尾辻さんの後継を称して当選した同級の外間町長は最初は自衛隊誘致反対でしたが、次第に彼らに取り込まれることになったのです。

  自衛隊に頼るということは、自立を諦めることにつながりかねないと思います。そして、基地を強制する国に頼ることで、補助金と引き換えに国の言いなりになり、自立心を失っていく。こうして次第に沖縄人としての自尊心をも失ってしまうことになりかねないのです。国の言いなりになって、どうして自尊心を維持できるでしょうか。人間は生きていくのに誇りが必要です。故郷を売り渡して国に頼るのではなく、自分たちの力で故郷を守り、自立することこそ自尊心を育てるのです。基地が沖縄経済に占めるのは5%以下です。沖縄は経済的に見てもすでに自立を始めています。
 
国は沖縄人に自尊心を捨てさせて、沖縄を本土に都合の良いように利用しようとしているのです。しかもそれを永続化しようとしています。そんな政策に自ら寄り添っていく保守派のやり方に、どうして賛成できるでしょうか。このことに沖縄県民が気付き始め、それが今回の玉城さん当選につながったのではないかと私は思っています。これをさらに伸ばしていって、本当の沖縄の自立につなげてほしいと願っています。
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