2019.03.07 深刻化する「子どもの貧困」
日本生協連の調査でも明らかに

岩垂 弘 (ジャーナリスト)

 安倍政権は「アベノミクス」の成果を盛んに強調するが、アベノミクスが「子どもの貧困」を加速させていることが明らかになった。日本生活協同組合連合会(324生協加盟、全国の組合員数は2873万人)が昨年暮れに発表した「子どもの貧困支援に取り組む生協」についての調査結果だ。

 子どもの貧困への社会的関心が高まる中、日本生協連はこの問題を地域の問題としてとらえ、2015年度から、貧困に直面している子どもたちを支援する活動を続けている。具体的には「フードバンクまたはフードドライブ」、「子ども食堂」、「学習支援」といった活動だ。

「フードバンク」とは、食品を取り扱う企業から、製造・流通過程などで出る余剰食品や規格外商品、店舗で売れ残った賞味期限・消費期限内の食品などの寄付を受け、無償で必要な人や団体に提供する活動である。「フードドライブ」とは、家庭で余っている食品を持ち寄り、福祉団体や施設、フードバンクなどに提供する活動のこと。「子ども食堂」とは空腹であったり、1人で食事をしている子どもたちに、無料または低額で食事を提供する取り組みをいう。「学習支援」は、貧困家庭の子どもたちの勉強を支援する活動だ。
 日本生協連によれば、生協によるこうした活動は生協単独で行うというよりは他の団体、例えばNPO法人やJA(農業協同組合)と連携して行う事例が多いという。

 日本生協連が昨年実施した「子どもの貧困支援に取り組む生協」についての調査は、日本生協連が約130の地域生協に対し2017年度の取り組みについて聞き取りをするという形で行われた。90の地域生協から回答があり、うち54生協が具体的な取り組みを挙げた。
 その内訳は「フードバンクまたはフードドライブ」44生協、「子ども食堂」30生協、「学習支援」14生協だった。合計が54を上回ったのは複数回答があったためだ。

 調査結果は、この3年間の変化も紹介している。それによると、これらの活動に取り組む生協が以下のように年々増加しているという。
◆フードバンクまたはフードドライブ=15(2015年度)→35(2016年度)→44(2017年度)
◆子ども食堂=12(2015年度)→26(2016年度)→30(2017年度)
◆学習支援=5(2015年度)→13(2016年度)→14(2017年度)

 子どもの貧困支援活動に取り組む地域生協が年々増えている。ということは、地域で貧困家庭の子どもが年々増えているということに他ならない。
 この原因について日本生協連の調査はコメントしていないが、原因はもはや明らかだ。つまり、アベノミクスは富裕層を生み出したが、その一方で、国民の間に経済的格差をもたらした。とりわけ、非正規労働者の増加は、低所得世帯の増加をもたらし、中でも母子家庭を苦境に追い込んだ。フードバンクや子ども食堂が支援の手を差し伸べなければならない子どもたちが増えてきたのも当然と言っていいだろう。



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