2019.06.29  最悪、最低の顔ぶれのG20大阪サミット
     直前に日米安保破棄発言のトランプ大統領から殺人関与濃厚のサウジ皇太子まで

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

 大阪で6月27,28日に開催された主要20ヵ国・地域首脳会議の開会会合のテレビ中継を見ながら、「G20最悪、最低の顔ぶれだ」と思った。G20は2008年にワシントンで開催されてから、毎年開催され、日本では初めて。まず、トランプ米大統領。2年半前の就任以来、第2次大戦後、米国が先導して営々と築いてきた、平和と経済繁栄をめざす国際的秩序、条約・協定から次々と脱退する徹底した無責任と利己主義。欧米など6か国がイランと締結し、実行された核合意から米国だけ一方的に脱退。現在は原子力空母艦隊をはじめ軍事力をイラン周辺海域に集中して、いつでも攻撃する態勢だ。
 歴代米政権が最も信頼してきた英国のメイ首相は退任直前、フランスのマクロン大統領には、反対勢力の激しいデモが続く。そして、トランプが就任以来、真っ先に訪問し、兵器の巨額売却の約束を獲得、イランを敵視する中東政策の頼りとするサウジアラビアから参加したのは、米国を本拠地にしていた自国民の国際的ジャーナリストを訪問先のトルコ大使館内で殺害した事件の関与が濃厚視されるムハンマド皇太子。
 ついでに中東からの首脳だけを紹介すると、まずエジプトのシシ大統領。2012年の「アラブの春」で独裁政権が倒れ、その後の史上初の大統領選挙で選ばれたムスリム同胞団のモルシ大統領の政権を13年にクーデターで打倒。大統領以下の同胞団員を大量に逮捕投獄・殺害。15年の選挙で大勝、大統領に就任。憲法を改正して任期を2030年まで延長できる制度にした独裁者だ。
もう一人、トルコのエルドアン大統領。2014年8月、初の直接選挙による大統領選で当選。以後独裁色を強め、16年7月、軍の一部がクーデター未遂事件(大統領の陰謀の疑いがある)を起こし、中東では際立っている自由、活発なメディア、公務員から野党支持勢力を多数逮捕・投獄、追放した。しかし、エルドアンの独裁的政治に国民の不満、批判が高まり、今年、大統領の要求で再投票まで行われたトルコ最大の都市、イスタンブールの市長選挙で、野党の対立候補に敗れた。
 そして安倍首相。主要国の首相の中で、最もトランプにゴマをすり、トランプの信頼が厚いと内外に誇示していた。だがその実、安倍首相が知っていたかどうか不明だが、じつは、米国内での集会や目立たないメディアへの発言で、日米安保条約の破棄の可能性を主張。さらには米国の諜報機関がやった疑いもある日本タンカー攻撃については、「警護は自国でやれ」とまで言っているのだ。 以下に朝日新聞の引用を紹介しよう。

 日米安保をめぐるトランプ大統領の発言―
「日本が攻撃されたら我々は軍事力を行使しなければならないが、我々が攻撃されても、日本人は何もせず、家でソニーのテレビを見ていられる」(2016年8月5日、アイオワ州の選挙集会)
「日本のことに関して言えば、私はすべての同盟国を助けたい。しかし我々は巨額の金を失っている。世界の警察官にはなれない」(同年9月26日、大統領選の最初のテレビ討論会)
「日本は原油の62%を(ホルムズ)海峡経由で輸入している。なぜ我々が他国のために無報酬で航路を守っているのか。自国の船舶を(自国で)守るべきだ。」(2019年6月24日、トランプ氏のツイッター)
「トランプ大統領は日米安全保障条約を破棄することに言及した」(同日米ブルームバーグ通信)
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