2019.08.17 「WOW! 年寄りが元気ダ」 外国人観光客がつぶやいた
韓国通信NO611

小原 紘 (個人新聞「韓国通信」発行人)

8月3日(土)、千葉県我孫子駅前で「安倍政治を許さない」「原発ヤメロ」のステッカーを、いつもの「三人の侍」で掲げた。「手賀沼の花火大会」のある土曜日。駅前の人通りはいつもより多かったが、若者がひとり近寄ってきて「ごくろうさま、ガンバッテ」と声を掛けてくれた外は皆無言で通りすぎて行った。暑さのせいだろう。

<新宿の繁華街は大騒ぎ>
夕方5時半から新宿「アルタ」前で開かれる「とめよう東海第二原発集会」に参加。青春時代を過ごした新宿の変貌ぶりにあらためて驚いた。「アルタ」と言われてもピンとこない、「二幸」なら知っている年配の人ばかりが集まった。集会での発言が、40年過ぎたポンコツ原発を再稼働させる「愚かさ」に集中したのは当然だった。
茨城県にある東海第二原発の30キロ圏内に97万人が住み、事故が起きれば首都圏の壊滅が予想される。くわえて日本原電は事故発生率日本一という危険な会社である。東日本大震災時には全外部電源が喪失して福島第一と同じ事故が発生するところだった(国会事故調報告書)。
日本一の繁華街新宿の街が放射能で汚染されて「死の街」になるとは信じられない。ここで声をあげデモをする意味はとても大きい。
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デモ行進は3百人は超えていただろうか。政党代表、著名人の挨拶もない首都圏の住民たちのデモは切実なだけにとても元気だった。通行人へのビラ渡し、ギターや太鼓の音がビルに反響して鳴りわたった。
夕方といっても相当な暑さである。途中でエスケープも考えたが、歩いているうちに気分が高揚しているのを感じた。
新宿ド真ん中の土曜日である。大勢の通行人たちは3百人余りの闖入者たちに戸惑いの表情を見せた。なかには生まれて初めてデモを見た若者もいたに違いない。デモをする側からデモを見る人を観察するのは結構面白い。無関心に見えても若者たちに何かが伝わっていくのを感じる。手を振るカップルもいた。
車の渋滞で長い信号待ちの時間、若者たちは突然現れた都心のデモに付き合ってくれた。
毎月3日、我孫子駅前でたった1時間のスタンディングを始めてから3年過ぎた。強行採決された安保法制の撤回を求める有志のささやかな運動である。「何になるの」という疑問がわくこともある。最近は割り切って、公然と今の政治に非を鳴らす大人がいてもいいではないか、若い学生たちに学校では教えてくれない「課外授業」になれば、という自負もある。
3百人の都心デモ。ドン・キホーテみたいだが結構楽しい。そこには原発に反対する人と無関心な若者、外国人観光客との出会いがあった。日本ではデモはガラパゴス化してるように見えるが、その日の新宿はそうではなかった。外国人観光客の存在に力を得たような気がする。

<スマホが捉えた「日本のデモ」>
蒸し暑さに閉口した外国人観光客が足を止めてスマホでデモ隊をさかんに撮りまくっていた。野次馬のような好奇心、彼らの「つぶやき」が聞こえてきた。

「これは何だ、パレードか?」
「日本に『デモ』をする人がいるとはオドロキ」
「NO NUKES, NO FUKUSHIMA, 珍しいものを見た」
「日本観光の貴重な記念写真ができた」
「年寄りばかりのデモ 不思議の国ニッポン!」
「年寄りが元気だなア」
「ポリスは親切で、デモ隊おとなしい これも不思議」
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私も楽しくなってデモ行進から離れてはデモを見る通行人を撮りまくった。

デモ行進は西口ガード下を抜け、青春の思い出のションベン横丁、今の「思い出横丁」から小田急、京王デパート前を通り、甲州街道直進、明治通りを左折して伊勢丹前から新宿区役所にいたるまでの短い距離を約1時間かけて練り歩いた。いつのまにか涼しい風が吹き出し気持ちがいい。こんなに外国人がいるのなら、新宿駅のアナウンスのように宣伝カーも英語、中国語、韓国語でアピールしたらどうだろう。国際的な注目を集めること請け合いだ。
見回したところ報道関係者の姿は見当たらなかった。それでもスマホでデモが国内外にSNSで拡散された。「日本の新宿でデモ隊発見!」。「東海第二原発廃炉」の画面がクッキリ映し出されたはず。
どうしたわけか、日本の主要メディアは政府を批判する集会やデモを報道しなくなった。2003年のイラク派兵反対運動以来、反原発運動、安保法制、共謀罪、国家機密法反対運動をマスコミは無視し続けてきた。

我孫子駅のホームから、「ドスン」という轟音とともに最後の花火が見えた。この日の「打ち上げ」みたいに感じられた。家に帰れば、猛暑のニュースをトップに、北朝鮮がまたもやミサイルをぶっ飛ばしたニュース。それに、「ホワイト国」適用を取り消したため韓国が反発、日本政府は「国際法違反」と韓国を批判したというニュース。
寝苦しい夜が続く。

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