2019.08.27 英BBCが報道した、韓国の軍事情報保護協定破棄
―日韓関係悪化を報道する世界のメディア

坂井定雄(龍谷大学名誉教授)

韓国政府は22日、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄した。朝日新聞1面の見出しは「韓国、軍事情報協定を破棄」「日本の輸出優遇除外問題視」「協定『国益に合わないと判断』」。世界の主要メディアはどう伝えたのか。
このニュースをソウル、東京を拠点とする米国はじめ国際的通信社と新聞社も大きく報道した。日韓関係悪化を懸念しつつ、連日のように入念に伝えてきた英BBC放送電子版(ASIA)は、ニュースと共に日韓関係の悪化について、改めて解説を含めて報道した。
その記事では、慰安婦問題とのかかわりについても解説、そのなかで、粗末な建物の軒下で、日本軍兵士たち数人が、普段着の女性6人を集めてしゃべっている動画(18秒ぐらい)を掲載、「初めて知られた”慰安婦たち“の写真」と説明を付けている。私も見たことがない、生々しい動画だ。また記事の併用写真には「BOYCOTT JAPAN」のプラカードを掲げる女性や慰安婦群像の写真なども掲載されている。
(写真はあまりにも生々しいので、転載はやめます。8月22日のBBC英語版のASIA参照。ここでは、記事をそのまま紹介します)

韓国と日本の抗争 (BBC電子版ASIA 2019.8.22)
韓国は日本との最近の外交、貿易抗争の中で、日韓軍事情報包括保護協定を破棄した。
それは、日本が韓国を輸出優遇国から除外し、重要な電子分野の輸出を制限することになったからだ。

第2次世界大戦にさかのぼる、緊張の原因。
韓国は、日本が朝鮮半島を占領中に犯した残虐行為への補償を求めている。日本はその問題は解決していると言っている。

慰安婦―痛みに満ちた遺産
沈黙を拒否した性奴隷たち


その影響は?
韓国政府は、日本政府が韓国を輸出優遇国から除外した結果、両国の安全保障協力に重大な変化が生じたため、韓国は両国間の軍事情報保護協定を終りにしたと言明した。
日本の河野太郎外相は「最近の地域安全保障情勢のこの上ない誤判断だ」と決めつけ、日本政府は「強い抗議」を韓国政府に伝えると述べた。今のところワシントンから反応はない。米国は3年前、北朝鮮のミサイル追跡協力の一部として、この協定を求めた。
今月初め、日本は、韓国を輸出優遇国から除外すると発表、その対抗措置を韓国にとらせることとなった。
7月には、日本は、サムスンはじめ韓国の重要企業がメモリー素材やデイスプレイ・スクリーン生産に必要な材料の、輸出管理を始めた。
株式市場は、この貿易紛争が世界の電子産業に悪影響を与えることを恐れて下落した。
最近の緊張は、韓国最高裁が、日本企業に対して戦時中の強制労働をさせられた朝鮮人に対して補償金を支払うよう、判決したことから始まった。
関係企業の一つ、三菱重工業は補償金の支払いを拒否、他の2社は韓国で資産を差押えられている。

この問題がなぜ解決しないのか
1965年の日韓基本条約は多くの韓国人に不人気で、1990年代の民主変革の結果より多くの人々が大きな声を上げるようになった。
1992年以来、慰安婦問題の活動家たちは、毎週水曜日、ソウルの日本大使館の外側で、生存している元慰安婦数十人に対して謝罪と補償要求を叫ぶようになった。
この問題で日韓の交渉は2015年に調印に至り、日本は韓国の要求に従い、10億円を韓国の犠牲者救済のための基金として支払うことに合意した。
その際、安倍首相は記者団に「日本と韓国は、いまや新時代に入りつつある」「私たちは、この問題を次の世代にまで引きずってはなりません」と記者団に語った。

日本の修正主義者たちは第二次大戦中の性奴隷残虐行為を否定している

しかし慰安婦問題の活動家たちは、かれらは意見を求められることがなかった、と言い、取引を拒否した。2017年に就任した文在寅大統領は、日韓合意が修正される可能性を示唆した。
歴史的な争いが頭をもたげ、どの国も治めることはできそうもない。
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