2019.12.14 敵を知る人による重要な指摘
―片山善博の「桜を見る会」論の紹介―

半澤健市 (元金融機関勤務)

 本稿は、鳥取県知事・総務大臣を経て現早大教授の片山善博(かたやま・よしひろ)の「『桜を見る会』で重要な論点」というエッセイの紹介である。月刊誌『世界』に連載されている「片山善博の『日本を診る』」の122回分として同誌2020年1月号に載った。以下に要約を掲げ最後に半澤の感想を記す。

《慇懃無礼な安倍政権論の面白さ》
 片山の「桜を見る会」の位置づけは、「森友・加計」事件とは「いささか趣を異にするところがある」というものだ。
安倍政権は、明らかに不公正なことをしでかしているのだが、当人たちはそれを躍起に否定してきた。一連の過程で都合の悪い文章は廃棄されているし、およそ作り話としか思えない奇想天外なストーリーが持ち出された。
次いで「森友・加計」事件の処理の仕方が解説される。「森友」では、実行当事者を「近畿財務局限り」にし、関係文書の改竄を「財務省理財局の仕業」に押し込めた。
「加計」では「総理秘書官が記憶を失い、加計学園幹部が嘘をついていたとヘラヘラ前言を翻す」ことで、総理自身が火だるまになることを避けた。しかし「桜を見る会」は総理の主催であり自ら説明責任を果たす必要に迫られている。

《会計処理に重要問題がひそむ》
 片山は「桜を見る会」の会計処理上の問題に集中する。
菅官房長官の会見で、記者が「これまでの予算計上のあり方に問題があったか」と問い、菅は「結果から見れば、そうではないか」と答えた。その問答の欠点をこう皮肉る。
「記者は頓珍漢で問題の本質を理解していない」し、答弁は「予算執行に責任ある立場にある者として無責任」である。予算を上回って支出した政府は、財政支出の法形式に違反している。このことを政府はどう説明するのか。
片山は、予算超過の支出の出所はまず「裏金」であろうとする。裏金を使った例はかつていくつもの自治体で発覚した。たとえば中央官庁から幹部が県を訪れたときの知事主催懇談会の経費である。もし二次会の予算が計上されていないと裏金から出す。
しかし片山は「今の政府が、(裏金を使うほど)腐敗しているとも思えない」と書く。そして、他の可能性として「他の費目の予算流用」、「予備費」の流用を挙げる。「官房機密費を充てた可能性もないわけではない」が、「まさか『桜を見る会』などに投入されていることはあるまい」と慎重な推定をしている。そして片山エッセイは次のように結ばれている。(「■から■)、原文のまま」

《片山「見る会」論はこう結ばれる》
 ■実は政府はこの超過経費を「内閣府一般共通経費」で賄ったと説明しているようだが、胡乱(うろん)で俄には信じがたい。では具体的に内閣府予算のどこからいくらを適法に持ってきたのか、尋ねてみたい。すると立ち往生し、結局はここで取り上げたまっとうでない経理処理がなされていると発覚する可能性は十分ある。ここは国会の財政監視機能に強く期待する。■

筆者(半澤)の感想三点。
一つ 「敵を知るもの」の批判は強いと思う。他には郷原信郎ぐらいしかいない。SNSを
   含むあらゆる方法で、フェイク(偽物)を排し事実を拡散しようではないか。
二つ 「明らかに不公正なことをしでかしている」のに安倍支持はなぜ続くのか。
   開票開始の瞬間に結果が出る選挙を断固拒否する。香港の戦友に学んで投票率を
   70%に上げようではないか。オセロゲームの与野党逆転を実現しようではないか。
三つ 安倍晋三は、提出を要求された日に「見る会名簿」が廃棄された理由に、「障害者
   雇用職員」の作業であることを挙げた。こういう恥ずかしい指導者に一日も早く退
   場してもらおうではないか。国会閉会中も全てのデモクラシー支持者は安倍政権追
   及を続けようではないか。(2019/12/09)

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