2020.05.01 トランプ大統領、最後の1年(12)
  新型コロナ感染症対応で国際協力に害悪(上)
      米国民の支持は低下


坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)
 
昨年末、中国武漢から始まった新型コロナ・ウイルスのパンデミック(世界的大流行)、との国際社会の戦いに、トランプ米大統領は少なからぬマイナスの役割を果たした。トランプは中国との協力、互助を拒否し、パンデミックとの戦いの国際的協力の中心となっているWHO(世界保健機関)の活動が中国寄りだとして、WHO年間予算の23.7%を占める1.15億ドルの拠出金支払いを拒否した。
まずは、NYタイムズ国際版の報道からー
4月25日の・ニューヨークタイムズはジョナサン・マーチン、マギー・ヘイバーマン記者連名の「鋭敏な共和党員は、トランプと彼を支える上院議員が沈みだしたとみている」とのタイトルで長文の記事を掲載した。記事の前書きはこう書きだしているー「ワシントン発 選挙はまだ、6か月先のことだ。しかし、新たな世論調査のラッシュと大統領の常軌を逸した発言は、政権幹部たちを民主党への政権交代を懸念させている」
「共和党員たちは、トランプ大統領の、常軌を逸したコロナ・ウイルス大流行問題の取り扱いと、経済の悪化、そのほかの問題の公的、私的世論調査の不気味な結果について、もしトランプが米国を劇的に改善するコースに乗せなければ、大統領と上院を失う危険があると、次第に神経質になっている。」
▼体内への消毒薬注入,日光照射を繰り返し主張
トランプ大統領は、側近の医療スタッフに注意されても繰り返し、コロナ・ウイルス感染者の体内への日光照射と消毒薬注入を主張した。全米で発病者、感染者の医療に当たっている誰一人同意しないだろうが、トランプは繰り返している。こんな人物が、よくぞ世界最大国アメリカの大統領になったものだ。他紙も報道しているだろうが、27日の朝日朝刊の記事(ワシントン=香取啓介)を紹介しようー『23日のホワイトの会見では、国土安全保障省の幹部が、太陽光や漂白剤などの消毒液によって新型コロナを短時間で消失する実験の結果を紹介。その後、トランプ氏が演壇に立って「体に紫外線や、とても強い光を当てたらどうなるか。あるいは光を体内に持ち込めないか」「消毒薬は1分で(ウイルスを)やっつける。体内に注入して同じことはできないか」などと発言した。直後から波紋が広がりメリーランド州の保健当局によると、「消毒薬がウイルスに効くのか」という問い合わせが100件以上あった。消毒薬メーカーも「どんな状況でも飲んだり注入したりしないように」と声明を発表するなど、対応に追われた。24日、記者団から真意を問われたトランプ氏は「皮肉だった」として、打ち消そうとした。ジョージタウン大学のローレンス・ゴスチン教授は、根拠のない主張を二度と宣伝するべきではない』と話す。(了)
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