2020.06.17  COVID-19のせいで…
          韓国通信NO640

小原 紘(個人新聞「韓国通信」発行人)

 家にひきこもりの生活。食事したと思ったら、また食事? 一日中、食事ばかりしている感じ。読書と韓国語の勉強、NHKの「らじるらじる」でクラシック音楽を聴く毎日。日本語教室がオンライン授業になった。運動不足で体重計に乗るのがコワイ。
 NHKの報道のひどさには涙も涸れはてた。テレビ朝日の「報道ステーション」も元気がない。政権に忖度した経営トップによる締めつけのウワサが聞こえてくる。「ニユース23」は、まともに見ることができる。日曜の朝の「サンデーモーニング」は欠かさず見る。一週間がなんとなく過ぎ去る。こんな毎日、早く出口を見つけなければいけない。
 人の名前が覚えられない。『水滸伝』(北方謙三)を読みだしたが、登場人物の多いことに驚く。全11巻読み切れるか心配だ。梁山泊に集い、腐敗した社会を変革する群像は魅力的だ。
 運転免許の更新のために認知機能検査を受けた。辛うじて合格。胃と大腸の内視鏡検査、こちらも辛うじてバス。辛うじて生きている感じがする。
 書きたいことがあるのに書けない。コロナに負けているのかも知れない。パソコンに向かう。

<韓国を知る>
 韓国を知りたいと思い続けて40年になる。長い航海だが、自分を知る旅でもある。「近くて遠い国」は、近づいたと思うと非情にも遠ざかる存在だ。歴史書を読み、言葉を学び、旅もたくさんした。韓国人の友だちがたくさんできた。
 「韓国通」という言葉が嫌いだ。韓国通といわれる人たちには、もの知り顔で語り、韓国を不当に貶めてきた人たちが多い。歴史改ざん勢力と韓国通には重なるところがある。知ることと、語ることに謙虚でありたいと思う。
 私とほぼ同年配で韓国語を勉強して、韓国の日本大使をつとめた人がいる。彼は毎週水曜日の大使館前の抗議集会を見続けてきた。得意とする韓国語で、彼は誰とどのような話をしてきたのか。韓国で何を見、何を学んだのか。外務省を退職後、現在は反韓、嫌韓の先頭に立ってテレビや新聞、雑誌で活躍している。彼は徴用工訴訟で韓国大法院が損害賠償を命じた三菱重工の顧問だったことで知られる。あきれてコメントもしたくない。
 最近、ソウル以外の地方を旅することが多くなった。地方の人たちと話ができるのは楽しい。子どもやお年寄りと話をするのを目標にしているが、子どもはともかく、地方のお年寄りの言葉は分かりにくいので敬遠気味だが、地方には新しい発見があり刺激に満ちている。
 ソウルには国旗(太極旗)を掲げて「文在寅はアカだ!」と叫ぶ集団がいる。政権の批判勢力の主張をせっせと日本に送り続ける特派員と私は違う世界に住む。
 韓国の空気を吸ってみたいと思うのだが、コロナで出入国が制限されて当分行けそうもない。

<注目の韓国ドラマ『ハンムラビ法廷』>
 韓国映画の国際的評価は高まる一方だ。『パラサイト- 半地下の家族』は日本でも多くの人が鑑賞し、現在も上映続行中だ。深刻な貧困問題をコミカルに描き国際的にも高い評価を得た。
 外出が思うようにできないこの時期、異色の韓国ドラマの鑑賞を提案したい。
 ドラマ『ハンムラビ法廷』である。BS211で毎週土曜・日曜午前10時から放映される。青春ドラマと紹介されるが、内容の濃さは、見進めていくうちに、ただものではないことに気づくはず。ご覧になるなら韓国の「風」が感じられるので、吹き替えなしの字幕付きをおすすめしたい。
 COVID-19のせいで…  COVID-19のせいで… 舞台はソ ウルの中央地方裁判所。主人公はチャ・オルム判事(写真左)とイム・バルン判事(写真右)。ともに民事44部に所属。実はふたりは高校時代の先輩、後輩の関係だ。女性判事のチャ・オルムは音大から裁判官の道に進んだという変わりダネ。何故裁判官の道を選んだかはドラマのなかで追々語られるが、感受性が強く理想に燃える裁判官の卵だ。一方のイム・バルンはソウル大卒のエリート裁判官。現実的でやや体制内的だが将来を嘱望されるエリートだ。
 一回ごとにほぼ内容が完結するので途中から見ても、理解ができる。全20話。テレビ局は恋愛ドラマとしてコメディ性を強調するが、韓国の司法組織、さまざまな事件をとおして韓国の現実が見えてくる社会性のあるドラマといってよい。貧困の問題、社会正義、裁判所に蔓延する体制擁護の風潮、上司の裁判官によるパワハラ、韓国が抱えている社会問題がドラマに投影され、興味深い。判事役の二人の俳優は見ての通り。ミスキャストではないかと思われるほどの美男美女だが、回を追うごとにふたりの熱演には目が離せなくなる。
 映画にしてもドラマにしても時代の大きな流れの変化の中で名作が生まれてきたという印象が強い。韓国の民主化闘争を描いたドラマ『砂時計』(1995)、朴景利の長編小説『大地』のドラマ化 『名家の娘 ソヒ」』(2004)と比べると、軽い内容に見えるが、韓国社会をありのままに描いている点で、「ローソクデモ」の余韻、社会の変化を感じさせる。裁判所の体質、社会問題を率直に描いた後世に残る名作ドラマになるかも知れない。
 日本では刑事もの、検事ものドラマが実に多いが、司法の問題を社会問題、政治問題にまで結び付ける姿勢はとぼしく、「正義もの」「ミステリー」「人情もの」作品が定番だ。その点、『ハンムラビ法廷』は裁判所に対する忖度、タブーはなく、司法制度に挑戦的でもあり、現実を活写したような リアリティ感がある。
 現在、韓国で進められている検察改革。このドラマの舞台は裁判所だが、難しい司法の問題が一般の視聴者に受け入れられたというのも興味深い。二人の裁判官の葛藤とそこから生まれる友情。二人を指揮する破天荒で正義感に溢れ、部下思いの部長判事と、謎めいた女性事務官の存在も魅力的だ。

<辺野古に基地は作らせない>
沖縄県民の意志を無視して辺野古基地建設を続ける政府。我孫子市議会に政府に対して意見書の提出を求める請願の審議が10日行われ、全会一致で承認された。請願者は620人にのぼった。沖縄を孤立させない思いが実現するまであともう一歩。18日の本会議で正式に採択が決定する。千葉県では初となる沖縄へのエールを全国に広めたい。これまでの運動のねらいと経過と成果については後日報告したい。
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