2020.07.30 トランプ政権、最後の1年(19)
        100日を切った米大統領選挙―焦点はコロナ対策
        民主党バイデン氏が10%以上堅いリード

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

 アメリカ大統領選挙まで100日を切った。
 27日のワシントン・ポストは、「なお、トランプに一つの質問をする:なぜ、コロナウイルスの危機を解決するために、もっと努力しないのか?」の見出しで大きく報じた。その書き出しはー「トランプ大統領の助言者や協力者たちは、大統領の座を再現するためには、ひとつのことを彼に納得させなければならないー彼の再選のための最良の道は、新型コロナウイルスを捻じ伏せることだ」
 さらに「米国でこの凶悪な病原体が初めて報道されて以来、トランプは経済の再開と、子供たちを学校に返すことを要求し続けたが、すべて彼の再選運動のテーマだった。」
 「しかしいま、彼の陣営も反対勢力の陣営も、彼が目標達成するために必要なことーこの大流行と戦う明確な戦略と一貫した指導性―を失っているということで一致している」と続けている。

 米国最大手のニュース専門ケーブル・テレビ局CNNが25日に発表した7月の全国世論調査によると、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン候補の争いは、バイデンが52%、トランプが40%の支持で、バイデンがかなり優勢。「しかし、トランプが復活する残り時間はまだある」とCNNは結んでいる。
 また、CNNが同時に伝えた、ニュース専門テレビ局FOXニュースの世論調査によると、視聴者が最も重視する問題は、新型コロナ・ウイルス対策で29%。これまでの大統領選挙で行われた同局の世論調査で常に視聴者が最重視した、経済問題は大きく低下、第2位の15%だった。

 ここでも再三書いたが、トランプ政権の新型コロナ対策は、これまでの米大統領では到底あり得ない、誤認、サボタージュの連続だった。その一つは、米政府の疾病対策立案の最高顧問のアンソニー・ファウチ博士の提言にほとんど耳を傾けなかったことだ。 ファウチ博士は、世界有数の免疫学者で、6代にわたって米大統領の感染症対策の最高顧問を務めた。ワシントン発の報道に再三登場している同博士は中国武漢で1月、コロナ感染症が流行し始め、感染死者がそれまでに17人発生、同23日には武漢市が外部との交通遮断を断行した時点から、世界的な流行の危険をトランプに説明し、米国での対応の必要を主張した。その後、中国からアジア、欧州諸国に流行が拡大し、世界保健機関(WHO)は3月11日、新型コロナ・ウイルス(COVID19)のパンデミック(大流行)を宣言した。
 翌3月12日には、中国での感染者数は80,770人になり、米国でも流行が始まっていたが、感染者数は世界で10位の402人に過ぎなかった。その時点でも、トランプ政権がファウチ博士の忠告に耳を傾け、対策に全面的な取り組を開始すれば、事態は変わったはずだ。だが、事態はそうならず、1日の感染者数は次のように変わった(最近では米国の感染者は1日6-7千人づつ増え続けている)

3月12日:中国 80、770人(1位)、 米国    402人(10位)
3月17日:中国 81,058人(1位)、 米国  6、421人
3月22日:中国 81,435人(1位)、 米国 33,276人(3位)
3月27日:米国101,650人(1位)、 中国 81、498人(3位)
5月5日 :米国180.634人(1位)、 中国 83,966人(11位)
7月27日:米国4,233,923人(1位)、中国83,891人(26位)
(ジョンズ・ホプキンス大学の集計による)
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