2020.08.12 トランプ政権、最後の1年(20)
米大統領選まで、3か月切る。重要14州のうち、トランプが前回勝利した10州のうち
優勢は3州だけ。逆上、暴言を重ねる大統領。


坂井定雄(龍谷大学名誉教授)

 11月3日の米大統領選が近づいてきた。信頼度が高いすべての世論調査で、民主党のバイデン候補が回答数の6-11%の差で優勢を維持している。トランプ大統領は、激しい反中国宣伝、人種差別反対・民主化運動の広がりへの弾圧、先週ここでも隅井孝雄さんが詳述している郵便投票への不信宣伝など、あの手この手で、逆転を策している。しかし、新型コロナウイルスを効果的に制圧できない限り、それはできまい。7月30日にここでも書いた通り、選挙民の最大関心事はコロナ対策。対策強化を1か月以上遅らせ、都市と経済活動の緊急制限を早々と解除してしまい、感染拡大制止に失敗したトランプ政権への不信は深い。
 日本でも、経済活動制限を早々と緩和して、より急激な感染再拡大を阻止できなかった、安倍政権と東京都はじめ自治体の知事の責任は大きい。
 米国での感染者は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、8月9日現在、499万人余、死者16万人余で、8月3日からの6日間で感染者は33万人余、死者数は8525人増加した。ニューヨークタイムズ紙は8日、米国での感染者が500万人を超えたと報道している。米国の感染者、死者増加の勢いは続いている。8日、感染者世界2位はブラジルで275万人余、3位はインドで185万人余。

8月5日のBBC電子版が紹介した米国の世論調査会社Real Clear PoliticsとAP通信社による8月3日の世論調査によるとー
激戦となっている重要14州のうち、バイデンが優勢なのは11州、トランプ優勢は3州。
4年前の大統領選挙では、トランプが10州で勝利、民主党のクリントンが勝利したのは4州に過ぎなかった。
米国の大統領選の仕組みは複雑で、まず有権者は州ごとに割り当てられている投票で、本選の選挙人を選ぶ。選ばれる選挙人は全国での総数は538人。本選挙では、選挙人の半数を超える270を獲得した候補者が当選だ。本来、人口比例のはずだが、実際には州によって差があり、前回は、全選挙区での選挙人選挙での合計獲得票数では民主党のクリントンが300万票強も多数の票数を得たが、本選挙ではトランプに敗北している。

 現時点から大勢は変わらない、と米国の主要メディアの世論調査も予測しているようだ。しかし、トランプ大統領は、“大逆転”を狙って、何をするかわからない、と多くの米国民もメディアも不安を抱いているようだ。
不真面目だと思われるのが心配だが、英BBC国際電子版は8月5日、米大統領選報道の本記(柱記事)の末尾を次のように結んでいるー「しかし、賭け屋市場は、トランプを見捨ててはいない。最新のオッズ(掛け率)は、11月3日の大統領選挙でトランプが勝つ率を、3分の1としている」
ロンドンの賭け屋市場は、豊富なデータを分析して、さまざまなこと、特に各国の大統領選挙などを予測するので知られているが、トランプの勝率を3分の1にまで予測しているのは、不測の事態の発生を懸念しているからに違いない。(終わり)

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