2020.08.15 トランプ政権、最後の1年(21)
米大統領選挙戦、トランプ、郵便投票補助金の支出を拒否
ハリス上院議員が副大統領候補で民主党さらに優勢


坂井定雄(龍谷大学名誉教授)

 11月3日に迫った米大統領選は、トランプ大統領と民主党の大統領候補バイデン前副大統領が、それぞれ現ペンス副大統領、カマラ・ハリス上院議員を副大統領候補として、戦われることになった。
 トランプ大統領は12日、記者団に対し、コロナウイルス流行で、有権者の利用が大幅に増えることが予想されている郵便投票の緊急支援補助金250万ドル、または警備費用の緊急増加対策費350万ドルの支出の署名を拒否する、と公言した。選挙情勢が不利になってきたトランプは、かねてから有権者の郵便投票増加に難色を示していた。
 11日にバイデン氏が10人近い有力候補者の中からパートナーとして選んだハリス上院議員は、父はジャマイカ、母はインドからの移民で、米国の大統領、副大統領の候補者としては初めての黒人、アジア系でもある女性。司法界出身で、サンフランシスコ地方検事やカリフォルニア州司法長官などを経て、2017年から同州選出の上院議員を務めている。今回の大統領選ではいったん立候補したが、撤退し、以後、バイデン氏支持を表明していた。
 ハリス上院議員は55歳。バイデン氏は77歳で、大統領に当選しても2期続けるのは難しいとみられ、ハリス議員が次の大統領選の本命になるとの予測が早くも出ている。
 性格は明快だが、法律家として、質問が鋭い。失言が多かったバイデン氏を鋭く追及する場面が幾度もあった。しかし、バイデン氏を支える立場になってからは、信頼され、7,8人の女性議員や公職者の中から、副大統領候補として選ばれた。
 ハリス議員については、副大統領候補として、その生い立ちから政治家としての活躍まで、米国のテレビや新聞で詳しく報道されている、朝日新聞もー「上院議員として注目されたのは、質問の手腕だ、検察官の経験を生かし、公聴会でトランプ政権の閣僚や最高裁判事候補を追求、冷静さを保ちつつ、矢継ぎ早に質問を繰りだし・・・」「民主党の候補者討論会では、人種差別撤廃のためのバス通学制度にバイデン氏が反対したとして、激しく批判。『ある少女は毎日そのバスで学校に通っていた。その少女は私だ』と詰め寄り、一時は支持率が跳ね上がった」と書いている。
 いくつかの苦い経験があるトランプ大統領は、ハリス議員が、副大統領補に過ぎないのに、直ちにハリス議員の攻撃をはじめた。米大統領としては恥をさらすような醜い言葉でハリス議員を攻撃したが、ここでは省く。
 その一方で、トランプはかねてから予想されていた通り、郵便投票緊急支援補助金の支出を拒否したが、次の手は何をやるか、予断を許さない。(了)
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