2020.09.04  トランプ政権、最後の1年(22)
   “ハートのないトランプ”へのジュネーブの怒り

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

わたしは、「リベラル21」に書いた原稿を友人たちに転送しているが、8月21日の「大坂なおみ、黒人市民殺傷に強い抗議」に、ジュネーブに住む親しい故人の夫人から、すぐ返事をいただいた。筆者の了解をいただいて、全文を紹介したいー

“9月になりました。
昨日は急に気温が下がり、びっくりいたしました。
こちらは20日あたりから、ヒーターが入りますので、普通かな と思いながら 増え続けるコロナを恨んでおります。
ハートのないトランプや、しんぞうのない晋三さん のニュースに夢が持てませんねー。菅さんですか?
この数年 アフリカからの代表部の駐在員家族も増え、きちんとした黒人が多いように思います。
孫2人は黒人とのハーフですが、嫌な思いをしたことはないといいます。
わたしは、ずっと見てきましたが、小学校の先生が、毅然としていて、親も、抗議することもないようです。
孫娘マリは先週からバス通学の中学生になりました。
私 コロナ鬱!と、叫んでおります。
お元気で!!“

 友人夫妻は、もちろん日本人で、今は故人となった友人は官庁から派遣されてジュネーブの国連機関に終生勤務して終えた。二人の娘さんたちは、上はスイス人、下は国連機関に勤めるエチオピア人と結婚して、幸せに暮らしている。
 下の娘さんの結婚には、相手がアフリカ出身の黒人なので、友人が強く反対した時期もあったようだが、母親は最初から「仕事のしっかりする、素敵な若者」と支持、父親もやがて好意を強めて、賛成した。
 ジュネーブには国連欧州本部、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)、国際労働機関(ILO),世界気象機関(WMO)、世界知的所有権機関(WIPO)など国連専門機関や関連機関の本部が集まっている。
それらの国連専門機関・関連機関では、人種差別はなく、開発途上国から多くの人材が集まっている。新型コロナ・ウイルスとの全世界的な戦いの中心となっている、WHOのテドロス事務局長は、エチオピア人だ。さきに本欄でも紹介したことがある、天然痘撲滅運動の中心になっていた故蟻田功博士は日本人。人種差別をせず、世界の人材と資金を集めて、ジュネーブに本部がある国際機関は世界に大きな貢献を果たせるのだ。
いま、新型コロナ・ウイルスの感染拡大で最も苦しんでいるのは、アフリカ諸国。そのいわば命綱になっているのがWHOだ。その最大の資金拠出国である米国の大統領が脱退を宣言した。規約上も今年度分拠出分の支払いは実行しなければならないが、もしトランプが再選されれば、脱退を実行するだろう。
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