2020.10.10  前政権に厳しい批判をした識者を忘れず仕返し
          ―元科学ジャーナリストの怒り

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

 長年、日本学術会議を取材・報道してきた元科学ジャーナリストのTさんが、菅政権による日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否に、強い怒りに満ちた一文を寄せてくれた。菅政権は、その理由を全く説明しないまま、任命拒否を強行しようとしている。Tさんの一文をそのまま紹介します。
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 衣の下の鎧、早く出し過ぎましたね。これで、菅首相なる人物に、ただ好意的だった人たちも、はっと気付くのではないかしら。
 アカデミズムに対する劣等感と、安倍政権時代に厳しい批判をした識者を決して忘れずに仕返しする――権力を持った者のおごりが、早くも露呈したわけですから。

 菅さんは総務大臣の時に、学術会議の独立性を嫌い、政府機関だから、政権の意向を忖度する御用会議にしたくて、会員の選出方法を、選挙から推薦制に強引にかえた人です。
 私はその前のガス抜きみたいな改革委員会のメンバーでしたが、何回もまじめな討論の結果を取りまとめたものが、菅総務大臣の一声で、全く書きかえられて、最後の会議に結論として強引に採択され、公表されたのには開いた口がふさがりませんでした。

 日本学術会議創生期の、二度と再び戦争に加担する研究はしないという反省と、広く学問研究の自由を守る気概、時の政権からの独立という、理想的なあり方が、70年を経過して国が大きく変節し、軍事研究に大きな予算を付けたがる時代になってしまったことを、国民として良く考えてみなければなりません。
 学術会議が、推薦性になってから研究者からも遠い存在になりかかっていることも懸念されます。いずれにしろ、これ以上、研究者まで、政治を忖度しないと、研究費がもらえないような時代にならないよう、しっかり公に議論してほしいと思います。
    
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