2020.11.09 トランプ政権、最後の1年(28)
米大統領選挙、バイデン氏勝利確実。トランプ氏の提訴は敗北必至

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

バイデンさん、カマラ・ハリスさんおめでとう!
 この4年間、トランプ大統領の下、今なお拡大を続けるコロナ・ウイルス感染症が世界最大の米国。黒人に対する非道な抑圧、WHO(世界保健機関)からの脱退通告をはじめ、医療支援、環境保護などの国際協力の否定や縮小。国際的には、これほど悪政を重ねた米国の大統領は、少なくとも第二次大戦後はいなかった。
 トランプ氏は、選挙の敗北を受け入れようとせず、選挙の一部無効を主張して、郵便投票の不正など数件を裁判所に提訴、最高裁判所まで争おうとしている。トランプ氏は、最近、亡くなった最高裁長官の後任に保守派の判事を大統領選挙直前に任命、裁判官の構成を判事9人のうち6人を保守派で占めることなった。トランプ氏が、大統領選挙の開票結果で敗北した場合に、かねてから主張している郵便投票の不正を訴えることに備え、新任判事の駆け込み任命をしたのは明らかだった。慣例では、歴代大統領は、大統領選挙直前の新判事任命は行わず、選挙後に行ってきた。
 しかし、憲法に従うのが最高裁判事であり、保守派といっても、妊娠中絶を認めないことなどが明確なだけで、全体として憲法を尊重し、従い、事実関係の判断を公正に行うはずだ、とみなしている国民は少なくないはず。
 また、権威ある調査機関、ブレナン正義センター2017年の報告によると、米国での選挙不正は極めて少なくて0.0009%。(BBCの報道)
 テレビ報道でもわかるように、投票所の管理は極めて厳重で、トランプ支持者が開票作業中の投票所に押しかけても、厳重な警護で侵入できない。
 今回に選挙は、過去最多の投票率67%程度で、投票数1億6千万人以上とみられる。
 うち郵便投票6千5百万人以上を含む期日前投票は1億116万人程度だった。
 トランプ氏が、選挙の不正を訴え、最高裁で争っても、勝ち目は全くない、と思う。

▼注目のカマラ・ハリス副大統領
 発足するバイデン政権で最も注目するのは副大統領に就任するカマラ・ハリスさんだ。米国女性の中でも、最高の学歴、司法および政治歴を持つ黒人、初めての女性副大統領。主な経歴だけでも、カリフォルニ州地方検事補、サンフランシスコ地方検事、カリフォルニア州司法長官、アメリカ上院議員。父はジャマイカ人移民。母はインド人移民。高齢のバイデン大統領の補佐役として、これまでの米副大統領では見られなかった大きな役割を担って活躍するだろう。当選確定後のTVインタビューでも、いわば常識的なバイデン氏をはるかに超える感動的なスピーチをした。最後になるが、米国のテンプル大学のジャパン・キャンパス(東京世田谷区)で米国の学位を受けている。(了)
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