2021.01.07 トランプの任期切れまであと1年(31)

          ―最後は、大統領選得票数の書き換え工作の失敗

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

 連載「トランプの任期切れ・・・」の(1)は昨年1月10日付の「イラン国民が崇拝する司令官殺害で幕開け」だった。トランプ政権は、第2次世界大戦後の米大統領では最悪と考え、再選は無いと確信して連載の表題とした。
 そして最終回は、表題のように、トランプ大統領による醜悪な「大統領選挙得票数の書き換え工作の失敗」となった。世界中で報道されているように,トランプ氏は、大統領選挙得票数集計発表の最後となったジョージア州の大統領選挙担当最高責任者のラフェンスバーガー州務長官に約1時間も電話をかけ続け、僅差でトランプ氏に勝利したバイデン氏の得票を1票上回る結果となる11、780票以上をどこかで発見し、トランプ票に加算して、トランプ氏の勝利となるよう、要求した。同州の州務長官は共和党の知事以下序列3位の要職。同氏は投開票が公正に行われたことを詳細に説明したが、大統領はトランプ名の11、780票以上をどこかで見つけ、トランプの得票数を増やすようよう、執拗に求め続けたという。
 ジョージア州当局が最終的発表した大統領選挙の得票数はー
バイデン:2,473,633
トランプ:2,461,554
 
▼全部録音されていた大統領の電話
 この電話は、ラフェンスバーガー氏のオフィスで全部録音されていた。その録音を、ワシントン・ポスト紙が入手、3日、特ダネで大きく報道した。同誌の報道は、米国内だけでなく世界中で報道された。特に競争紙ニューヨーク・タイムスは、電話の全録音を別途入手し、大きく追いかけ報道した。
 トランプ氏は、大統領選結果を「不正選挙」だとして各州の裁判所に提訴して全部敗北、せっかく保守派の裁判官を送り込んだ最高裁判所への上訴も諦めるか、門前払い。
 大統領としての最後の権威を示して、超党派で合意成立した予算総額7405億ドル(76兆円)国防権限法案に対して拒否権を行使したが、上下両院は同案を再可決、拒否権行使を覆し、成立した。
 ワシントン・ポストが掲載した記事から、一部を抜粋紹介しようー

 「私はちょうど11,780票を見つけたい」:異常な1時間にわたる電話で、トランプは彼に有利な再計算をするよう、ジョージア州の州務長官に圧力をかけた
エイミー・ガ-ドナー記者


 トランプ大統領はジョージア州のラフェンスバーガー州務長官に対し、土曜日の異常な1時間の電話で、彼の敗北を覆すのに十分な票を「見つける」よう促した。それについて法学者たちは、ひどい権力乱用、潜在的な犯罪行為だと表現している。
 ワシントン・ポストが入手した両氏の会話では、トランプはラフェンスパーガーを叱りつけたり、お世辞を言ったりしながら、彼の虚偽の主張に従うことを洲務長官が拒否した場合、犯罪的な結果が及ぶと脅した。
 それに対しラフェンスパーガーと彼の事務局長は、ジョー・バイデンの11,779票差の勝利は公正で正確であると説明し、トランプの主張を拒絶した。
 トランプは彼らの主張を拒絶した。「ジョージアの人々は怒っている。国中の人々は怒っている」「あなた方が再計算したといっても、何の問題もない」
 ラフェンスパーガーは「大統領、あなたの問題は、あなたの持っているデータが間違っていることです」と答えた。
 また、トランプは「私は持っているよりも一人多い11,780票を見つけたいと思っている、なぜなら、われわれは、この州で勝利しているからだ」とも言った。


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