2021.03.02 慰安婦は性奴隷ではなく売春婦だった―ハーバード大教授の論文の波紋
    韓国通信NO661
           
小原 紘(個人新聞「韓国通信」発行人)

 産経新聞が報じた米ハーバード大学ラムザイヤー教授の論文が大きな波紋を呼んだ。
 慰安婦は売春婦を対象に募集したもので強制性はなかった。日本政府や総督府は関与しなかったというものだ。
 日本政府にとっても驚天動地の内容である。
 教授は日本法と経済学専門の学者で知日派としても知られる。論文の背景と意図は不明である。
 従軍慰安婦を日本軍の性奴隷とする世界の常識を覆す論文の「意義は大きい」と産経新聞は評価(1月28日)したが、韓国はもとより日本、アメリカから反論と抗議が殺到したのは当然だった。(写真/John Mark Ramseye)。
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慰安婦は明らかな人身売買―アメリカ国務省の見解
 韓国聯合ニュースは「日本軍による性的目的のための人身売買であり、深刻な人権侵害」とのアメリカ国務省の見解を報じた(2月19日)。
 ラムザイヤー論文への批判が広まるなか、韓国の新聞各社はこの米国政府の見解を一斉に伝えた。米国務省は「自由と人権、女性の権利向上、世界とインド太平洋地域をめぐる米韓日の関係発展を注視する」と、日本政府に釘をさすことも忘れなかった。

 徴用工判決、慰安婦判決で日韓関係は冷え切ったままだ。
 慰安婦問題で見せた今回のアメリカ新政権の姿勢が注目されるが、アメリカのための「和解」は願い下げにしたい。日韓両国が問題と真剣に向き合い和解する道を選びたい。

 雑誌『週刊金曜日』が3週にわたり慰安婦判決の全文を紹介する特集を組んでいる(ただし26日号は未発行)。原告のハルモニ一人ひとりを紹介、日本政府に対して損害賠償を求める韓国側の根拠を明らかにした。日韓条約ですべて「解決済み」、「主権免除」を盾に一笑に付して取り合わない日本政府の非常識さが浮き彫りになっている。

 よその国の裁判で被告となった国は賠償すべきか否か。日本政府の主権免除の主張は正しいのか。主権免除の原則は国際商取引についてはもはや通用しない。人道上の侵害行為についても主権免除は通用しない趨勢だ。日本国内では「ばかげた判決」と受け止められた慰安婦裁判の判決だが、国際司法裁判所(ICJ)の場に持ち込まれたら日本が負けることが十分考えられる。
 すべて解決済み、主権免除を無視した非常識な判決などと笑っている場合ではない。安倍・菅政権の常識は、政権を忖度したメディアによって日本国内では通用しても世界では通用しそうにない。かつて無知と驕りから、無謀な戦争に突入したことを思い出す。韓国無視の風潮の中から、日本人の驕慢の精神構造が見えてきはしないか。
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