2021.04.12 反軍デモの先頭にミス・ミャンマーも
BBCが異例の大きな画面で報道

坂井定雄(龍谷大学名誉教授)

 ミャンマーで、国軍がクーデターを起こし(2月1日)、民主的に樹立、運営されてきた政府を打倒してから、2か月以上が経過した。直ちに巻き起こった、最大都市ヤンゴンはじめ主要都市(小都市での動きは不明)での反国軍デモは、国軍の残虐な鎮圧行動にもかかわらず、続いている。国軍の無秩序な銃撃で殺害された市民は、現地の人権団体よると、4月5日までに570人に達した。
 ミャンマーの事態は、日本の新聞、放送で大きく報道されてきたが、国際的には、英BBC放送が、全世界で受信できるTVと記事、写真で最も精力的、系統的に報道してきた、と思う。そのBBCが5日、アジア版の冒頭で、1ページ大の女性ハン・ライの肖像写真とともに報道した「ミャンマーの美の女王が軍に対して決起した」は、アジア中で視聴され、大きな注目と支持を集めた。その美女コンテスト「ミス・グランド・インターナショナル」は2013年にスタートした国際的ミス・コンテスト。タイ・バンコクに本部がある。各国から選ばれたミスが競う。日本も13年の第1回から参加している。コンテストのスローガンは「Stop the War and Violence」。同記事と肖像写真をここで紹介したいが、肖像写真権をコンテスト本部が握っているようなので、ここでは紹介できない。
 紹介するBBCアジア版の記事には、ハン・ライの肖像写真のほか、彼女がデモでスローガンを掲げた写真、ミス・グランド・コンテストにミス・ミャンマーとして参加した時の写真、ヤンゴンでのデモにマスク姿で参加した写真、クーデターを拒否する3本指を示す彼女の写真も載っている。このBBCアジア版の報道をぜひ見ていただきたいが、日にちが少し経っているので、やさしくないかも知れない。そこで以下にBBC 電子版 ASIAの“The Myanmar beauty queen standing up to the military”の要点を紹介しようー

 ミス・ミャンマー,ハン・ライが先週、彼女の国の軍部が犯した残虐行為について話すとき、語調が変わった。―「私の国ミャンマー…とてもたくさんの人たちが死につつあります」とタイでのミス・グランド・コンテストの会場。「どうかミャンマーを助けてください。私たちはいますぐ、あなたたちの国際支援が必要です」
 1か月と少し前、22歳のハン・ライは、ミャンマー最大の都市ヤンゴンの路上で、軍に対する抗議デモに参加していた。アウン・サン・スーチーが率いる国民民主連盟(NLD)が2020年の選挙で大勝して樹立した民主的政治体制を、クーデターで破壊した軍に対する抗議だ。 全国で巻き起こった軍に対する何万、何十万人の抗議デモに対して、軍はまず水鉄砲で攻撃して解散させようとした。それに失敗すると軍は、デモ隊への攻撃をまずゴム弾で開始、それに失敗すると実弾で攻撃を始めた。
 抗議デモに対する軍の攻撃はさらに残虐になり、4月1日には死者が500人を超えた。

 ハン・ライはヤンゴン大学で心理学を学ぶ学生。4月初め、バンコクでのミス・グランド・インターナショナルの会場で、正式にミス・ミャンマーとして2分間のスピーチ時間を与えられ、そのすべてをミャンマー軍クーデターの不当性と残虐な弾圧について語った。それをミャンマー軍が知り、帰国次第、彼女を逮捕する危険があると、友人たちが強く忠告した。軍はミャンマーの民主化と国家発展に努力してきたアウン・サン・スーチーさんを拘束し続け、さまざまな罪状を作り上げて、14年間の投獄にする計画を進めている。
 ハン・ライも結局、最低3か月はミャンマーに帰国しないことを決めた。(了)

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