2021.11.10 タリバン政権下の現状報道を回復(3)

          アフガニスタンのパジュワク通信社

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)


 国際社会はアフガニスタン・タリバン政権を早く承認すべきだ。前政権もその軍も崩壊し、タリバン政権の支配は確固としている。アフガニスタンと関係が深い隣国パキスタンのカーン首相が「承認すべきだ」と明確に発言したのは10月2日のことだが、米国も中国、ロシアもイスラム国のイランも、タリバン政権と公的な接触をしながら、承認を避けている。しかし、4千万人近い国民がいるこの国を、いつまでも国際社会が承認をしないで過ごすことはできない。国連機関と主要国は、人道的支援を開始してはいるが、規模は限られている。
 米国はじめ各国が、タリバン政権承認をしない理由の一つは、女性の地位・権利が男性に比べ劣悪であることで、暫定政権の大臣、副大臣ら計45人には、女性が一人もいない。だが、タリバン側も、少なくとも世界各国の批判を十分理解しているようだ。主要イスラム国のサウジアラビア、イラン、パキスタンなどでも、閣僚、次官級の政府重要ポストで女性の数が少ない。タリバン政権も暫定政権から、正式政権に移行する際には、女性が閣僚、次官級職に入るだろう。
 もう一つ、凶悪な国際テロ組織「イスラム国」との関係。「イスラム国」はイラク、シリアを本拠地とする反政府のテロ組織で、アフガニスタンにも「イスラム国」を名乗る暴虐な組織がある。そのアフガニスタンの「イスラム国」組織とかってつながりがあったとされてきたタリバン幹部のシラジュデイン・ハッカーニが、タリバン暫定政権の内務相に、その叔父のハリル・ハッカーニが難民担当相に任命された。しかし、タリバン政権が発足後、「イスラム国」はアフガニスタン各地で、大規模な爆弾テロを実行、多数の死傷者を出すようになった。現在、タリバン政権は「イスラム国」を最悪の敵として全国で「イスラム国」狩りを実行している。

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PANJUWOK AFUGHAN NEWS(11月6日)

 (カブール)ロシア、イラン、中央アジアの一部の国はインドで開催される地域安全保障会議(NSAs)への参加を確認した。
 インドは11月10日に開催する「デリー地域安全保障会議」の主催者となり、パキスタンは同会議のボイコットを表明した。
 中国はまだ参加を決めていないが、デカン・クロニクル紙はパキスタンの決定について、匿名のインド政府当局者が「不幸なことだが、予想外ではない」と語ったと報じた。
 この政府当局者は、インドのライバルであるパキスタンがアフガニスタンで“有害な”役割を果たしていると非難した。

 (カブール)アミニアン・イラン大使は、イランはアフガニスタンのガズニ州南部にある歴史的遺産の再建を支援する用意があると表明した。

 (カブール)6日のメディアの報道によると、トルコの治安当局は4日、イランとの東部国境地帯ビトリスで、アフガニスタン人避難民150人近くを拘束した。トルコ当局は、イラン経由でトルコに入ろうとするアフガニスタン避難民を阻止するための監視を強化していた。
 現地の当局者は、うち一人がトレーラー・トラックの内部に隠れていたと語った。
 同当局者によると拘束された避難民たちはイランとの国境のヴァン州東部の難民再会センターに移送された。
 トルコは八月以来、国境の監視を強化している。
 トルコは4百万人以上の難民を受け入れているが、その大部分はシリア難民。世界でも最大級の難民受け入れ国だ。

 (ペシャワル)パキスタン陸軍トップのバジュワ将軍と在パキスタン中国大使は5日、イスラマバードで会談し、アフガニスタン問題をはじめ地域の安全保障問題を協議した。新任の在パキスタン駐在中国武官も同席した。アフガニスタン和平問題について双方はアフガニスタンの平和と繁栄のために、両国が協力を強化することで一致した。

 (カブール)タリバンは暫定政権の一部を入れ替えるだろうと、当局者が語った。暫定政権の副スポークスマンは、民営テレビTOROニュースで、複数の専門家と著名人が閣僚に入るだろうと語った。

 (カブール)今週、デイーゼルとガソリンの価格は6%下落した。小麦粉とアラビア金の価格が上昇し。砂糖と液体ガスは上下変動した。

 (バラト)北サマンガン州スポークスマンによると、同州のサマンガニ知事は、ヒジャブ(頭覆い)を付けた女性は働ける、と表明した。

 (カンダハル市)南カンダハル地方の住民は、オートバイ事故と引ったくりの増加に困っていると語っている。
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