2021.12.11 アフガニスタン、暫定政権が女性の権利で行政命令発布
パンジュワク通信社が伝える現状(6)

坂井定雄(龍谷大学名誉教授)

 アフガニスタンのタリバン暫定政権が発足してから4カ月近くが過ぎた。政権最高指導部は3日、女性の権利に関する行政命令を発表し、すべての関連機関、組織、ウラマー(イスラム教指導者)、裁判官たちに伝達した。暫定政権の最高指導部は、女性の人権問題が、米国をはじめ西側主要国による国家承認、支援の大きな妨げになっていることを十分知っており、この行政命令を急いだに違いない。
 パンジュワク通信社が3日に伝えた、女性の権利に関する行政命令の要点を紹介しようー
(1) 結婚には成人女性たちの同意が必要(結婚する双方は対等)。誰も女性に結婚を強制、圧力をかけてはならない。
(2) 女性は所有物ではなく、高貴で自由な人間である。誰も平和的な交渉で女性を交換したり、憎悪を終わらせるために他人に女性を提供してはならない。
(3) 夫の死後、シャリアアダト(4か月と10夜)あるいは妊娠期間が過ぎても、彼女を平和的な交渉事や憎悪を終わらせるために、利用してはならない。
(4) 夫の死後の女性が再婚して、新しい夫からマハール(坂井注:現地用語?)を受け取るのはシャリア(イスラム法)上の権利である。
(5) 未亡人には相続権があり、夫の遺産から規定されている分を受け取り、夫の父親、子供たち、親戚はじめ誰も、彼女の権利分を減らすことはできない。
(6) 一人以上の女性と結婚している男性は、シャリア(イスラム法)に基づき、それらの女性たちすべてに正しく遺産を分配しなければならない。

 以上の行政命令を実行するため、関係機関に以下の指示をくだすー
(1) ハッジ・宗教問題省に対し:学識者たちが、女性の権利について、人々が認識をもっと深めるように、抑圧された女性たちが与えられるべき権利を与えられないならば、アラーは不満であり、アラーに苦しみと怒りをもたらすことを、文書や説教によって示すよう、力づけなければならない。
(2) 情報・文化省に対し:現存する女性に対する抑圧を取り除くため、またシャリア(イスラム法)上の女性の権利について、ウラマ(イスラム教導者)と一般市民に有益な出版物とオーディオ普及を進めなければならない。
(3) 最高裁判所はすべての裁判所に対し、女性特に寡婦の権利とその抑圧に配慮し、女性たちが抑圧を乗り越え、シャリア上の権利を獲得できるよう、指示しなければならない。
(4) 中央、地方の長は、以上の指示を実行するため、ここに明記した各省、最高裁判所と協力しなければならない。

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