2022.02.10  自信深めるタリバン暫定政権(3)
  中国、パキスタンはじめ中東諸国の支援拡大

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)


 アフガニスタンのタリバン暫定政権が発足してからほぼ5カ月。人口4千万人のこの国に対する国連、各国の人道支援、経済支援が次第に拡大され、タリバン政権と外交関係を正式に復活する動きがはじまっている。引き続き、国際的な水準で全世界向けに報道をしているアフガニスタンのPajhwok通信社の2月8,9日(日本時間)の報道の一部の転載をします-

 ▽英軍元トップがタリバン政権の承認必要語る
カブール(Pajhwok): イギリス軍の元トップが、欧米諸国はアフガニスタンでの戦争の敗北を認め、タリバン政府を承認する必要があると語った。
デビッド・リチャーズ元帥は7日のインタビューで、戦争で荒廃したこの国で大量の飢餓を防ぐために、欧米はアフガニスタンの新統治者と協力しなければならないと語った。
リチャーズ元帥は、各国政府に対し、寛大さと、現在深刻な人道的危機に瀕しているアフガニスタンの4,000万人の人々の生活に対する思いやりを示すよう、求めた。
リチャーズ元帥はBBCに対し、タリバン政府の中には英国や他の国が協力できる人々がいると語った。
「欧米は最終的にタリバン政府を承認することになると思います。もしそうであれば、我々は早急にそれに取り掛かった方が良いでしょう」と付け加えた。
元国防総省長官はさらに、「勝利至上主義という言葉があります。これは、敗北においても寛大であるべき機会だと思います」とコメントした。
デビッド・リチャーズ卿は、国防参謀長に就任する前の2006年にアフガニスタンで英国軍を指揮した。

 ▽中国とパキスタンがアフガニスタン資産解放を呼びかけ
カブール(Pajhwok):中国とパキスタンは、米国などで凍結されているアフガニスタン資産を解放するよう、改めて呼びかけた。
北京で行われた会談で、パキスタンのイムラン・カーン首相と中国の習近平国家主席は、アフガニスタンの現在の人道的状況について協議した。
両氏は会談後、共同声明で「アフガニスタンについては、平和で安定した、統一された、安全で安心なアフガニスタンが、地域の繁栄の基本であることで合意した」と記した。
中国外務省はさらに、両氏は共同声明の中で、国際社会に対して、アフガニスタンの人々への人道的支援を呼びかけたと、述べた。
2021年8月にタリバンが政権を奪取した後、アフガニスタンの中央銀行の資産90億ドル以上が米国とその同盟国によって凍結されたままになっている。
両者はまた、主に米国で凍結されているアフガニスタンの資産を解放する必要性を強調した、と声明は付け加えた。
パキスタンと中国は、中国・パキスタン経済回廊(CPEC)のアフガニスタンへの延長について、アフガニスタンと協議する用意があることを表明した。
両国は、グワダル港がCPECの中心的な柱であり、「地域のつながり」の重要なノードであることを強調した。
アフガニスタンは、2020年7月に同港を通じてアラブ首長国連邦からバルク貨物の最初の委託を受けた。

 ▽750トンの援助物資を積んだトルコの列車がヘラート到着
KABUL (Pajhwok): メディアの報道によると、トルコから750トンの緊急物資を積んだ特別慈善列車がアフガニスタンに到着した。
アフガニスタンの高官とトルコのエルギヌスイ大使は、7日遅くに西部のHerat州でこの列車を受け取った。
トルコ協力調整庁(TIKA)は、支援物資はアフガニスタン全土の適切な人々に配布されるとツイートした。
国営の災害・緊急事態管理局(AFAD)の下で、トルコでは11のグループがアフガニスタンに人道支援を行っている。
1月下旬にアンカラを出発した列車は、イラン、トルクメニスタンを経由して4,168kmの距離を走り、目的地に到着した。
トルコのスレイマン・ソイル内相は、「アフガニスタンでは異常気象のために1300万人近くの子供たちが援助を必要としている」と述べていた。
国連によると、アフガニスタンの人口の50%が深刻な飢餓に直面している。900万人以上が避難しており、数百万人の子どもたちが学校に通えなくなっている。
(了)。
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