2007.06.11 労組はいかにしてNPOと連携するか
連合通信社がガイドブックを発行

労働組合とNPOガイドブック   労働組合や市民団体にニュースを配信している連合通信社(東京都港区)が、『労働組合とNPO――協働へのファーストステップ』と題するブックレットを発行した。どうすれば労働組合が地域の市民と連携してゆけるかを解説した手引書で、同通信社も「労働運動の新しい展望を示す一冊」とPRしている。

 労働組合の地盤沈下が止まらない。厚生労働省が06年12月に発表したところによると、労働組合の組織率は18・2%に過ぎない。これは、労働組合員がいまや市民社会の中では極めて例外的な存在になってしまったことを意味する。
 労働組合の側もこうした事態を放ってきたわけではない。日本労働組合総連合会(連合、組合員680万人)は外部の有識者による「連合評価委員会」(座長は中坊公平・元日本弁護士連合会会長)を設置し、連合の運動に対し評価と提言を求めた。
 評価委員会は03年9月に報告書をまとめたが、そこでは「雇用の安定している労働者や大企業で働く男性正社員の利益のみを代弁し…労資協調路線のなかにどっぷりと浸かって…不平等・格差の拡大という不条理に対する怒りがあまり感じられず…国民の共感を呼ぶ運動になっているのか、という疑問を強く抱かざるをえない」として、改革の課題・目標に次の五つの柱を提起していた。
 1 働く者の意識改革――働く仲間と議論し、勉強しよう
 2 企業別組合主義から脱却し、すべての働く者が結集できる新組織戦略を
 3 働く側の視点からの「新しい賃金論」――均等待遇実現を変革の突破口に
 4 公正な分配を実現する社会制度の構築――市場主義・競争主義を超えた新たな「分  配の機軸を」
 5 新しい協力と連帯の中心に連合が立つ――NPOなど市民活動との連帯を

 これを受けて、連合が最初に具体化に着手したのが5である。すなわち、地域の中でNPO(特定非営利活動法人)などの市民活動との連携を強めてゆく取り組みだ。05年の連合大会では、地域協議会を再編・強化して複数の専従者を置き、地域で活動しているNPOなどとのネットワークづくりに乗り出す方向が打ち出された。「地域に根ざした顔の見える連合運動」をめざそうというわけである。
 ところが、これまで会社の門から外へ一歩も出たこともない「内向きの活動」を続けてきた労組員の中には「NPOって何だ」「何をしている団体なんだ」と言い出す人もいて、NPOに対する理解が行き届いているといいいがたい状況。そこで、連合通信社としては、NPOとの協働に向けた一般組合員用のガイドとしてこれを刊行したという。編集は連合通信社編集部、監修は勝又壽良・前東海大学教授。

 「労働組合は社会からどうみられているか」「労働組合が地域に足を踏み出す意味」「地域活動を進めていく視点」「NPOと労働組合―連携のための課題」「NPOとは何か? パートナーを知ろう」といった目次が並ぶ。
 B5判、64ページ。定価700円。申し込みは連合通信社(03−3454−1105)へ。
 
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