2022.05.19 ロシアのウクライナ侵略は長い道のりだが、失敗するだろう
―NATO事務総長

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

 BBCは16日、NATO(北大西洋条約機構)のストルテンベルグ事務総長がロシアのウクライナ侵略は計画通り進まず、ウクライナはこの戦争に勝利できるだろう、と発言した、と報じた。さらに同事務総長は、英国軍部の分析をもとに、ドンバス地域(ウクライナ東部のロシア国境に接する地域)東部で、ロシア軍の進撃が阻止されたと付け加えた。超大国ロシアの侵略に対して戦い続けるウクライナの勝利を、各国や国際機関のトップが、公的な予測を発言したのは、初めてではないだろうか。この発言を詳細に報じたBBCの報道を、紹介しようー

ロシア軍の損害にもかかわらず長い道のり
キーウ(キエフ)16日発:ジェームズ・ウオーターハウス記者


 英国国防省は、ロシア軍が保有する戦闘部隊の三分の一を失ったと推定している。その中には、死傷した兵力、侵害を受けた武器が含まれる。
 NATOは、この結果、ウクライナ側がロシア軍に対し全面的反撃を行い、この戦争に勝利できる立場になるだろう、と考えている。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領は、交戦中の南部マリューポル市について、戦況は行き詰まっており、ロシア軍を軍事的に追い払うことができないでいる、と述べている。
 1カ月前、ペンタゴン(米国防総省)は同様に、ロシア軍はウクライナ侵攻軍の25%を失った、と結論していた。ロシア軍は戦場の重点を東方に動かそうとしている、とみなすのは合理的だ。
 本日、ウクライナ当局は、ロシア軍がウクライナ東部から南部に至る前線各所で、攻撃を開始しようとしたが、戦闘意欲に欠け、攻撃は長続きせず、ロシア軍が占領した東部のイジューム市周辺では、ロシア軍とウクライナ軍の激しい戦闘が行われていると述べた。

▼スウェーデンとフィンランドがNATO加盟申請へ
 ウクライナへのロシアの侵略を注視していた北欧の中立国スウェーデンとフィンランドが、長年の国家政策を変更して、NATO(北大西洋条約機構、加盟30カ国)への加盟を申請することを正式に決めた。北欧主要3カ国のうちスウェーデンは1949年に加盟。
 NATO加盟は全加盟国の賛成が必要だが、トルコだけが反対の意思を表明、NATO側との協議が行われる予定。両国の加盟申請には、ロシアが激しい敵意を示している。(了)
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