2022.05.25 ロシア軍はどこまでウクライナを侵略するのか

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)

 ウクライナに侵攻したロシア軍は5月20日、2カ月半にわたる攻撃で、ウクライナ東部の港湾都市、人口約40万人のマリウポルを占領した。マリウポルは、ウクライナの豊富な穀物の輸出港として栄えてきた都市で、世界でも有数の巨大な製鉄所がある。この製鉄所の占領はロシア軍の戦争目的の一つだった。製鉄所の地下に避難した一般市民は両国の交渉で救出され、最後まで製鉄所の地下で守っていたウクライナ軍の兵士2,439人は投降した。
 これでロシア軍は、ウクライナ東部のロシア国境に沿った地域から南部のクリミア半島の付け根を超え、黒海沿岸の重要な港湾都市オデッサに至る延長約500キロ、幅数十キロの曲線地域を支配したことになる。新聞各紙のウクライナ報道の地図の通りだ。
 ウクライナの領土は、東西約1,200キロ、南北約500キロ。ロシア軍は2月24日、ウクライナ北部から大規模な侵攻開始、進路の都市や村を焼き払いつつ首都キーウ占領を目指したが、ウクライナ軍の厳しい抵抗に苦戦。死傷者数も大きく、首都攻略をあきらめ、本国から多数の部隊を受けつつ東部国境地域に転戦。東部のドンバス地方のルハンスク州、ドネツク州の占領作戦を開始した。この2州には、ロシア語を日常使用する住民も多く、親ロシアの旗を掲げた小都市が2か所ある。

▼ウクライナからの穀物輸出を阻止するロシア
 東部に転戦したロシア軍が特に重視したのがマリウポルだった。マリウポリとともに、ロシアが重視しているのが、世界有数の穀物輸出港のオデッサ。同市にはロシアの占領が届いていない。そのため、ロシア軍はオデッサへの爆撃とともに、オデッサ港の沖合に艦隊を派遣、海上での攻撃を警告、オデッサ港からの穀物積み出しを阻止し始めた。

▼5月23日午後3時48分現在のBBCのまとめ
 24時間、最新のニュースを世界に流しているBBC電子版は、上記の時間のウクライナ情勢のニュースの要点を次のように流しているー
 「ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、ウクライナでは毎日、東部で50~100人の生命が失われていると語った。この数は戦争による死者であり、戦争がより激しくなったことを示している。
 英国国防省は、ウクライナでのロシアの戦死者はアフガニスタンとソ連の戦争での戦死者数と同様である、と述べている。
 ロシアはウクライナ東部のセヴェロドネツク攻撃を強化しており、“焦土戦術”を使っている。
 この紛争での最初の戦争犯罪の判決が下される。
 ウクライナ政府は、何らかのウクライナの領土を奪おうとしているモスクワとの停戦交渉には同意しない、と述べている。(了)

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