2022.07.28 「国葬」がオモシロイ?
           韓国通信NO701
    
小原 紘(個人新聞「韓国通信」発行人)


 「アベ政治を許さない」を主張してきた者にとって彼の突然の死は残念というほかない。「許せない」相手から謝罪の言葉を聞くチャンスが永久に失われた。生かしておくべき大切な人だった。
 国葬をするという。法的根拠のない異例な国家行事だ。参院選勝利で舞い上がったのか、愚かな決定をしたものだ。安倍という「くびき」から解放された安堵感と死者へのゴマスリ感がにじむが、意図するのは死者を悼む気持ちに乗じた政権アピールという露骨な政治利用だ。言わずもがな、国を挙げた服喪にふさわしい人物かどうか疑問が沸き上がった。

<驕りが墓穴を掘る>
 国葬が遅まきながら安倍政権に対する批判と疑問に火をつける点けることになった。
 「一般庶民の生活苦」「大企業と金持ち優遇」。アベノミクス批判から始まり、最悪の事態を迎えつつあるコロナパンデミックを目前にして、あの悪名高いアベノマスクと「モリ・カケ・サクラ」の記憶があらためて噴き出す。積もった不満が安倍政治に由来することに多くの国民が気づき始めた。果たして国葬にふさわしい人物なのか。
 税金の無駄使い、国の借金を山と築いた。不誠実・無能・無責任さが問われている。長期政権に忖度を重ねてきた新聞・テレビもそろそろ目覚めたらどうか。安倍政権に対する冷静な検証を求めたい。
 諸外国から「偉大な政治家」の死を惜しむ声が寄せられたのは事実だが、まさかモリ・カケ・サクラの醜態、118回のウソ、アメリカに盲従する軍拡路線を称賛したわけではないだろう。死者へのお悔み外交辞令を国葬の根拠にしているのも信じがたい。

 旧統一教会、現世界平和統一家庭連合と安倍元首相との関係も国葬に疑問を感じさせる理由のひとつだ。祖父の岸信介元首相時代から始まった自民党とカルト集団のつながりは共通の反共主義によって持ちつ持たれつの関係を深めてきた。マインドコントロールされた信者たちはオウム真理教の信者を彷彿とさせるが、統一教会は自民党と深く結びつきながら違法な「霊感商法」をとおして勢力を拡大してきた。
 今、統一教会との関係を指摘された政治家たちは釈明にいとまがない。襲撃事件で「藪から蛇」。反社会的組織との癒着が次々と明らかになり、自民党がオカルト集団と言われかねない事態になっている。岸信介元首相が文鮮明とともにCIAのエージェントだった疑惑も囁かれてきた。戦後の保守政権の実態が透けて見えはじめた。

 「オモシロイ」とは不謹慎かもしれない。事件と国葬を議論すると自民党の闇に行き着いてしまう。わが国の将来は統一教会と深く結びついた安倍政権(自民党政権)の体質と正面から向き合うことにかかってはいないか。寝た子を覚ます衝撃が走る。
 何かにつけて腰の定まらない立憲民主党が国葬に反対を表明した。捨てたものではない。参院選勝利をうけた自民党の「黄金の三年」が「イバラの三年」に変わろうとしている。
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