2009.02.20 中川財務相レロレロ会見――同行記者団はなにか隠していないか
暴論珍説メモ(55)
田畑光永 (ジャーナリスト)

 早いもので中川財務・金融担当相のあの情けない記者会見を見せられてから一週間近い。
あの男はいったいどういう人間か、日本のイメージをどれほど傷つけたのか、麻生首相の責任はどうなる、そして内閣の運命は・・・世上にあふれるこれらの論議にここで加わるつもりはない。
 じつはあの会見を見た時に妙な違和感があった。それを誰かが解き明かしてくれるのではないかと今まで待っていたのだが、これまでのところ果せないので、その疑問をここに書かせてもらい、種明かしを待ちたい。
 私の感じた違和感とはこういうことだ。あの会見で中川氏の冒頭発言を聞けば誰もがおかしいと思ったはずだ。ろれつが回らず、「オバマ政権」と口に出すのもやっと。「昨日、今日と(会議を)やりまして、主として今日ですが、共同声明みたいなもんが出まして・・・」という口調はとても会見などと言えるものではない。なぜそこで「大臣、どうかしたんですか」と聞く人間がいなかったのか。目はうつろ、あくびを噛みしめる姿に「体調が悪いのですか」とも聞かない。
 そればかりではない。明らかにおかしいのに、まるでそのことに気がつかないようなふりをして質問を続けていた。普通なら「大臣、しっかりしてください」あるいは「こんな会見やめよう」という声が上がるところだ。
 にもかかわらず、私がテレビで見た限りでは、記者団からはその場の異常さを問題にする声は一切上がらず、むしろ記者団は通常の会見が行われているように、自分たちで装っていたとしか思えない。
 なぜだ? 記者団は中川氏があういう状態であることを予期していたか、あるいは驚かなかったからではないのか。ということは、記者団は中川氏の記者会見前の行動(飲酒?)、ないしは状態(酩酊?)を知っていたのではないか。それが私の疑問である。
 公表された中川氏の14日のスケジュールは、午前中にG7の会議。昼には財務省国際局長らと食事、そこで軽く飲酒(ワインは中川氏が注文、と財務省国際局長が国会で答弁)。午後、日ロ財務相会談。夕方、同行記者団との会見、となっている。
中川氏本人の言では、前日、ローマへ向かう機中で酒と多めの風邪薬を飲んだそうで、そのために体調がおかしくなったというのだが、それなら当日午前中の会議ではもっと体調が悪かったのではないのか。しかし、会議中の中川氏が特別ヘンだったという報道はない。それとも時間が経つにつれて悪くなってきたというのだろうか。午後の日ロ財務相会談の模様もテレビで映ったが、そこでの姿は完全に正常とはいえないにしても、会見の時のようではなかった。
問題は日ロ財務相会談の後、記者会見までの時間だ。それがどのくらいの長さで、その間、中川氏がどこで何をしていたのか、私の見た限り報道されていない。その後の会見がああなったのだ。ところが国会でもその点は追及されていない。昼食時、「ワインには口つけただけで、ゴックンはしていない」などというアホらしい問答が行われただけだ。
そこで、以下は私の想像である。中川氏はその時間に酒を飲んだ。記者団は(全員かどうかは分からないが)それを知っていた。そこには中川氏、記者団ともにそれぞれの立場に伴うはずの緊張感はなく、なれあいの空気が支配していたのではないか。悪い想像をすれば、一緒に飲んだ記者もいたかもしれない。そして時間が来たので、ぞろぞろと会見場へ行った。そこでああいうシーンとなった。
想像だから、確信はない。しかし、そうとでも考えなければ、あの大臣のレロレロぶりにまるで誰も気がつかないような奇妙な雰囲気の説明がつかない。
G7の意義だとか、取材源と取材者との距離とか、両者の緊張関係とか、分かりきったことをあらためて言うつもりはない。しかし、この前代未聞の珍事には同行記者団の態度、行動がかかわっているというのが私の第一勘である。彼らはなにかを隠しているのではないか。この見方が見当違いであれば、同慶のいたりだが、なにはともあれ会見前の中川氏と記者団の行動を細かく明示してほしい。隠し事はよくない。

Comment
アメリカの国債を売りたいorもう買わないと言う政治家は消されますね。
日本人の個人資産が欲しくて欲しくてたまらないアメリカ、それを後押しする小泉・竹中路線
さる吉 (URL) 2009/02/20 Fri 11:05 [ Edit ]
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() 2013/05/12 Sun 01:29 [ Edit ]
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