2009.04.07
自治体議会に非核意見書を採択させよう
「非核ネットワーク」が呼びかけ
「核兵器廃絶の好機を生かそう!」と、市民の連絡網「非核自治体全国草の根ネットワーク」(非核ネットワーク)が、「日本政府が核兵器廃絶に向けてイニシアチブを発揮するよう求める意見書を全国の自治体議会に採択させよう」と呼びかけている。米国の高官やオバマ大統領が核兵器廃絶に向けて積極的に取り組むと繰り返し言明し、米露の両首脳が核軍縮に向けた新たな条約締結交渉を始めることで合意するなど、核兵器廃絶へ向けた動きが世界的に加速しているのを受けて、日本政府にも核兵器廃絶への努力を促そうというわけだ。
非核ネットワークは非核自治体運動を草の根から進めるため、「超党派」「対等・平等」「草の根」の3原則の下に結成された市民の連絡網だ。1987年、東京で開かれた第1回非核自治体全国草の根交流大会での申し合わせにより、翌年、自治体の議員や市民らによって結成された。
「日本の全自治体に非核平和宣言を」「非核法を制定、東北アジアを非核地帯に」「日本の全自治体に原子力防災対策を」「平和行政を充実し、平和博物館の建設を」などを目標に掲げており、情報交流紙『非核ネットワーク通信』を発行しているほか、情報と意見を交換するための「非核自治体全国草の根交流大会」を2年に1度開いている。
日本の自治体は1851だが、これまでに非核宣言をした自治体は1500で宣言率は81%(09年3月現在、日本非核宣言自治体協議会調べ)。これには非核ネットワークも政党、労組、平和団体、市民団体とともに大きな役割を果たしてきた。
非核ネットワークに協力している西田勝・元法政大学教授(文芸評論家)によると、米国のキッシンジャー元国務長官、シュルツ元国務長官、ペリー元国防長官ら4人の元高官が07年、08年と2回にわたって「核兵器のない世界」という提言を発表、これまで米国の外交や軍事政策に深くかかわってきた有力者の発言だけに世界的な反響を呼び起こした。その後、大統領に就任したオバマ氏も「核兵器のない世界」を目指すと言明した。
西田氏は「核兵器廃絶の好機がまさに到来したと言わなければなるまい」と指摘し、今こそ「非核を求める地域の住民が自治体を拠点に、他の内外の市民や自治体とともに、自国の政府の政策を変えさせ、国際組織を動かし、核兵器廃絶を実現すること」が必要、と述べ、具体的には、自治体の議会に、日本政府が核兵器の廃絶に対してイニシアチブをとることを求める、内閣総理大臣や外務大臣あての意見書を採択させようと呼びかけている(『非核ネットワーク通信』09年2月15日号)。
岩垂 弘 (ジャーナリスト)
「核兵器廃絶の好機を生かそう!」と、市民の連絡網「非核自治体全国草の根ネットワーク」(非核ネットワーク)が、「日本政府が核兵器廃絶に向けてイニシアチブを発揮するよう求める意見書を全国の自治体議会に採択させよう」と呼びかけている。米国の高官やオバマ大統領が核兵器廃絶に向けて積極的に取り組むと繰り返し言明し、米露の両首脳が核軍縮に向けた新たな条約締結交渉を始めることで合意するなど、核兵器廃絶へ向けた動きが世界的に加速しているのを受けて、日本政府にも核兵器廃絶への努力を促そうというわけだ。
非核ネットワークは非核自治体運動を草の根から進めるため、「超党派」「対等・平等」「草の根」の3原則の下に結成された市民の連絡網だ。1987年、東京で開かれた第1回非核自治体全国草の根交流大会での申し合わせにより、翌年、自治体の議員や市民らによって結成された。
「日本の全自治体に非核平和宣言を」「非核法を制定、東北アジアを非核地帯に」「日本の全自治体に原子力防災対策を」「平和行政を充実し、平和博物館の建設を」などを目標に掲げており、情報交流紙『非核ネットワーク通信』を発行しているほか、情報と意見を交換するための「非核自治体全国草の根交流大会」を2年に1度開いている。
日本の自治体は1851だが、これまでに非核宣言をした自治体は1500で宣言率は81%(09年3月現在、日本非核宣言自治体協議会調べ)。これには非核ネットワークも政党、労組、平和団体、市民団体とともに大きな役割を果たしてきた。
非核ネットワークに協力している西田勝・元法政大学教授(文芸評論家)によると、米国のキッシンジャー元国務長官、シュルツ元国務長官、ペリー元国防長官ら4人の元高官が07年、08年と2回にわたって「核兵器のない世界」という提言を発表、これまで米国の外交や軍事政策に深くかかわってきた有力者の発言だけに世界的な反響を呼び起こした。その後、大統領に就任したオバマ氏も「核兵器のない世界」を目指すと言明した。
西田氏は「核兵器廃絶の好機がまさに到来したと言わなければなるまい」と指摘し、今こそ「非核を求める地域の住民が自治体を拠点に、他の内外の市民や自治体とともに、自国の政府の政策を変えさせ、国際組織を動かし、核兵器廃絶を実現すること」が必要、と述べ、具体的には、自治体の議会に、日本政府が核兵器の廃絶に対してイニシアチブをとることを求める、内閣総理大臣や外務大臣あての意見書を採択させようと呼びかけている(『非核ネットワーク通信』09年2月15日号)。
非核ネットワーク世話人会は、住民が自治体議会に提出する陳情のモデル案文をつくった。これを参考にしてほしいという。世話人会よれば、3月24日、千葉県佐倉市議会本会議で日本政府への意見書が可決された。
非核ネットワーク世話人会の連絡先は東京都新宿区中落合4-13-5 川村一之気付 TEL&FAX03-3952-6713
非核ネットワーク世話人会がつくった自治体議会への陳情のモデル案文は次の通り。
「核兵器のない世界」をめざす米国の新核政策を歓迎し、日本政府に核兵器廃絶へのイニシアティブを発揮することを求める意見書提出に関する陳情
2009年 月 日
提出者 住所
氏名
主旨
「核兵器のない世界」をめざす米国の新核政策を歓迎し、日本政府に核兵器廃絶へのイニシアティブを発揮することを求める意見書を提出してください。
理由
米国のオバマ大統領は今年1月の就任演説で「核兵器のない世界」をめざして、まず核の脅威を減らすことから始めると明言しました。核兵器廃絶への好機が訪れています。この機会を逃さず、〇〇〇〇年〇〇月〇〇日に行った○○市(都・道・府・県・市・町・村)非核平和宣言の趣旨に基づいて貴議会が日本政府に対して国民の悲願であり宿願である核兵器の廃絶に向けてイニシアティブを発揮するよう求める、下記のような案文の意見書を提出するよう陳情します。
(意見書案文)
「核兵器のない世界」をめざす米国の新核政策を歓迎し、日本政府に核兵器廃絶へのイニシアティブを発揮することを求める意見書(案)
米国のオバマ大統領は今年1月の就任演説で「核兵器のない世界」をめざして、まず核の脅威を減らすことから始めると明言しました。冷戦終結後に期待された核兵器廃絶への潮流は、米国の単独行動主義によって停滞を余儀なくされていただけに、大きな変化であり、まさに核兵器廃絶への好機が到来したといわなければなりません。
米国における核兵器廃絶に向けた新しい動きは、2007年1月に米国のヘンリー・キッシンジャー元国務長官、ジョージ・シュルツ元国務長官、ウイリアム・ペリー元国防長官、サム・ナン元上院軍事委員会委員長の4人が連名で『ウオール・ストリート・ジャーナル』紙に提言「核兵器のない世界」を発表したことに始まります。
米国の民主・共和両党重鎮4人の提言は「人類が核兵器を保有するよりは、それを地球上からなくす方が、人類にとって安全である」という基本的な考えに立ち、核の脅威のない世界を築くために核戦力の削減など8項目を米国に求めています。
提言をまとめた4人は2008年1月にも提言「核兵器のない世界に向けて」を発表し、ロシアのミハイル・ゴルバチョフ元大統領や英国のマーガレット・ベケット外務大臣などを始め、多くの米国元高官が歓迎の意思を示したことを明らかにし、米ロ両国に核の危険性を短期間のうちに劇的に削減する案を提示しました。
また2008年10月にはオーストラリアのケビン・ラッド首相が提唱した「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)」が発足、共同議長にギャレス・エバンス元豪外相と川口順子元外相が就任、今年10月に提言をまとめることになっています。
日本は核兵器による攻撃で被害を受けた最初の国であり、核兵器を廃絶することは国民の半世紀以上に及ぶ悲願であります。世界最大の核保有国である米国の元高官らが核兵器廃絶へのプロセスを提言した、いまこそ日本政府は積極的に核兵器の廃絶に向けてイニシアティブを発揮する好機です。
そこで私たちは〇〇〇〇年〇〇月〇〇日に行った○○市(都・道・府・県・市・町・村)非核平和宣言の趣旨に基づいて、〇〇市(都・道・府・県・市・町・村)民とともに、日本政府が世界に対して、自ら核兵器廃絶への範を示すため、下記の項目を実施されるよう強く要望するものです。
記
1. 非核三原則を法制化すること。
2. 東北アジアを非核兵器地帯にするよう努力すること。
3. 提言「核兵器のない世界」やオバマ米国大統領の核政策への支持を表明すること。
4. NPT(核拡散防止条約)第6条を履行するよう核兵器保有国に求めること。
5. 核兵器禁止条約交渉の開始に全力を尽くすこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、○○○議会の議を経て意見書を提出します。
2009 年 月 日 議長名
衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/外務大臣あて
以上
非核ネットワーク世話人会の連絡先は東京都新宿区中落合4-13-5 川村一之気付 TEL&FAX03-3952-6713
非核ネットワーク世話人会がつくった自治体議会への陳情のモデル案文は次の通り。
「核兵器のない世界」をめざす米国の新核政策を歓迎し、日本政府に核兵器廃絶へのイニシアティブを発揮することを求める意見書提出に関する陳情
2009年 月 日
提出者 住所
氏名
主旨
「核兵器のない世界」をめざす米国の新核政策を歓迎し、日本政府に核兵器廃絶へのイニシアティブを発揮することを求める意見書を提出してください。
理由
米国のオバマ大統領は今年1月の就任演説で「核兵器のない世界」をめざして、まず核の脅威を減らすことから始めると明言しました。核兵器廃絶への好機が訪れています。この機会を逃さず、〇〇〇〇年〇〇月〇〇日に行った○○市(都・道・府・県・市・町・村)非核平和宣言の趣旨に基づいて貴議会が日本政府に対して国民の悲願であり宿願である核兵器の廃絶に向けてイニシアティブを発揮するよう求める、下記のような案文の意見書を提出するよう陳情します。
(意見書案文)
「核兵器のない世界」をめざす米国の新核政策を歓迎し、日本政府に核兵器廃絶へのイニシアティブを発揮することを求める意見書(案)
米国のオバマ大統領は今年1月の就任演説で「核兵器のない世界」をめざして、まず核の脅威を減らすことから始めると明言しました。冷戦終結後に期待された核兵器廃絶への潮流は、米国の単独行動主義によって停滞を余儀なくされていただけに、大きな変化であり、まさに核兵器廃絶への好機が到来したといわなければなりません。
米国における核兵器廃絶に向けた新しい動きは、2007年1月に米国のヘンリー・キッシンジャー元国務長官、ジョージ・シュルツ元国務長官、ウイリアム・ペリー元国防長官、サム・ナン元上院軍事委員会委員長の4人が連名で『ウオール・ストリート・ジャーナル』紙に提言「核兵器のない世界」を発表したことに始まります。
米国の民主・共和両党重鎮4人の提言は「人類が核兵器を保有するよりは、それを地球上からなくす方が、人類にとって安全である」という基本的な考えに立ち、核の脅威のない世界を築くために核戦力の削減など8項目を米国に求めています。
提言をまとめた4人は2008年1月にも提言「核兵器のない世界に向けて」を発表し、ロシアのミハイル・ゴルバチョフ元大統領や英国のマーガレット・ベケット外務大臣などを始め、多くの米国元高官が歓迎の意思を示したことを明らかにし、米ロ両国に核の危険性を短期間のうちに劇的に削減する案を提示しました。
また2008年10月にはオーストラリアのケビン・ラッド首相が提唱した「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)」が発足、共同議長にギャレス・エバンス元豪外相と川口順子元外相が就任、今年10月に提言をまとめることになっています。
日本は核兵器による攻撃で被害を受けた最初の国であり、核兵器を廃絶することは国民の半世紀以上に及ぶ悲願であります。世界最大の核保有国である米国の元高官らが核兵器廃絶へのプロセスを提言した、いまこそ日本政府は積極的に核兵器の廃絶に向けてイニシアティブを発揮する好機です。
そこで私たちは〇〇〇〇年〇〇月〇〇日に行った○○市(都・道・府・県・市・町・村)非核平和宣言の趣旨に基づいて、〇〇市(都・道・府・県・市・町・村)民とともに、日本政府が世界に対して、自ら核兵器廃絶への範を示すため、下記の項目を実施されるよう強く要望するものです。
記
1. 非核三原則を法制化すること。
2. 東北アジアを非核兵器地帯にするよう努力すること。
3. 提言「核兵器のない世界」やオバマ米国大統領の核政策への支持を表明すること。
4. NPT(核拡散防止条約)第6条を履行するよう核兵器保有国に求めること。
5. 核兵器禁止条約交渉の開始に全力を尽くすこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、○○○議会の議を経て意見書を提出します。
2009 年 月 日 議長名
衆議院議長/参議院議長/内閣総理大臣/外務大臣あて
以上
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「<核兵器廃絶>二重基準解消の好機 政府が歓迎意向」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090406-00000129-mai-pol
オバマ大統領が「核兵器廃絶を最終目標とする包括的戦略を表明した」みたいですね
どこまで本気なのでしょうか?
それとも核に変わる兵器ができ?...
雪村総也の不安 2009/04/07 Tue 00:56
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