2009.04.08 良かった! NHKの「戦争と平和の150年」
国際法による平和、憲法9条の価値を強調 

坂井定雄 (中東ジャーナリスト)

 ご覧になった人が多いと思うが、NHK総合4月4日放送の「プロジェクトJAPAN プロローグ・戦争と平和の150年」1,2部は、見ごたえずっしりの力作だった。なぜか再放送の予告はないが、近いうちに必ず再放送してほしい。「プロジェクトJAPAN」は3年計画だとのことだが、期待してますよ!

 3月を通してNHKは、BS2でNHKや外国の放送局が作成したイラク戦争のドキュメンタリー(一部は未放送の映像もあった)を10本ぐらい放送、わたしはすべてみた。アブググレイブ監獄所長だった女性準将が辞職後、捕虜への残虐行為で告発された部下たちを訪問して、上官の命令で行われた国家犯罪であることを明らかにしていったドキュメンタリーの再放送や、米軍によるイラク兵の訓練の実態を報道したノルウエーのテレビ局のドキュメンタリー(日本ではたぶん未放送)など、良い放送シリーズを企画してくれたと感心した。

今回の「戦争と平和の150年」は、それ以上に、NHKの意気込み、良心、力量を感じた。日本ジャーナリスト会議の受賞候補にもしてほしい。

 「幾多の戦争を経た世界と日本が『力』ではなく『法』によって平和を実現しようと試みてきた歴史の水脈を2部構成でたどる」(ネットの番組案内)という設定がいい。国際司法裁判所の設立と足立峰一郎判事の役割の評価。冷戦下にNATOの重要軍事拠点となった大西洋の島に建てられた日本国憲法9条の碑。アフリカのガーナやシェラレオネのNGOが憲法9条を理念の柱にして平和活動をしていることなど、憲法9条が国際的に高く評価されていることを、あらためて報道する意味は大きい。アメリカでの日本研究の第1人者、ジョン・ダワー教授のコメントも深く、明快だ。

 こんなに褒めると、政府や自民党の広報みたいなNHKの政治報道に嫌気がさしている人たちに怒られそうだが、NHKで働く人々はこういう番組を作りたい、放送をしたい、それができるはずだ、ということを、「戦争と平和の150年プロローグ」は示していると思った。

 それにしても、新聞のテレビ欄の番組紹介「▽女神と鉄血宰相▽法の支配をめざす列強の魂胆▽オランダで国葬された日本人“侍”▽焼け跡に生まれた憲法・・・」はなんだ。文案はNHKが書いたのだろうが、くだらなそうなのでVTRに記録しなかった。腰を引かずに、ネットの番組表のような内容紹介をきちんとやるべきではないか。


 
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