2007.07.24
中国統一高考 名門をソデにー異変の目立った大学統一入試
丹藤佳紀 (早稲田大学講師)
こんな言葉が! (13)中国で
9月から新学期の始まる中国では、学期末の6月、全国一斉に行なわれた「統一高考」(全国統一高等院校=大学・高専=入試)の結果がこのほど発表された。例年同様、合格、不合格の結果から悲喜こもごもの状況が展開されている。
文化大革命で中断され、復活して30年目になる今年の「統一高考」では一つの異変が注目された。本土に復帰して10年目を迎えた香港の大学の合格最低点がぐっと高くなり、本土の高得点の受験生が香港の大学を目指す動きが目立ったのである。
中国の「統一高考」では、最高点を獲得したナンバーワン受験生は「状元」と称えられ、北京市、雲南省など地区ごと、文科・理科別に氏名・得点・出身校が公表される。本人はもちろん、家族や親戚そして出身校にとっても晴れがましいことだろう。
「状元」というのは、かつて、官僚登用試験の科挙で、最終の殿試(でんし)に第1位で合格した受験生に与えられた称号だ(現在の用法は、清朝末期に途絶えた科挙の名残りということか)。
各大学は、自校への入学最低点をそれぞれ発表し、合格者を選抜するのだが、「状元」となった受験生は、名門校の北京大、清華大を頂点とするナンバースクールにゆうゆう入学できるし、そうするのが普通だ。
ところが、今年、そうした名門大学の入学勧誘をけって中文大学など香港の大学を選ぶケースが例年を大きく超えたのである。
中国共産党の機関紙『人民日報』の開設しているウェブサイト『人民網』(www.people.com.cn)では大学受験専用ページを設けている。
その内容は驚くほど多彩で、一般的な入試ガイド、入試問題の回答と解説から個々の受験生の合否判定までサービスを提供している。上記の"異変"もここから発信された。
『人民網』は、各省市の文科と理科の「状元」を顔写真入りで報道しているぐらいだから、これらの受験生が最終的にどこを選択したかについても熱心にフォローしている。
たとえば、7月16日のトップ記事:「湖南の美しい才女、北京大・清華大の勧誘・招請を謝絶して香港の大学を選択」。記事には、この湖南省・雅礼高校3年生という清楚な女学生の写真もついている。
こうした追跡報道をまとめると、10人を超す「状元」が香港の大学(香港大学・香港中文大学・香港科学技術大学)を選択したようだ。
こうした例については、「棄京赴港現象」を見出しにした解説記事まで掲載された。それによると、この女学生は香港中文大学で金融学を学び、さらに留学して国際金融理論を身につけたいという。やがては中国で「起業」したいというから、優秀でかつチャレンジ精神に富む女学生のようだ。
さて、試験の成績のずば抜けている「状元」の"香港流出"は今年始まったことではない。ここ5年来、大陸各地区の文科・理科のトップ受験生がどの大学に入ったかという統計がある。1位は北京大学で合計315人と過半数を占め、2位の清華大学195人を大きく引き離している。この統計だと、香港へ合計17人入学しており、上記の3大学がベストテンの4、5、8位を占めていた。
それが、今年1年で一挙に10人超と跳ね上がったため話題になった。その理由について、「香港の大学は奨学金が多いからだ」に始まって「研究・教育のレベルが高い」から「卒業生の欧米での評価が段違いだ」などまで、この"異変"についての議論がかまびすしい。
これぞという理由はまだ挙げられていないが、「国際化」という要素が大学教育にも影響を及ぼしている事情はある。胡錦涛党総書記、呉邦国党政治局常務委員など現政権の首脳を多数輩出してきた清華大学も安閑とはしていられないようだ。
ところが、今年、そうした名門大学の入学勧誘をけって中文大学など香港の大学を選ぶケースが例年を大きく超えたのである。
中国共産党の機関紙『人民日報』の開設しているウェブサイト『人民網』(www.people.com.cn)では大学受験専用ページを設けている。
その内容は驚くほど多彩で、一般的な入試ガイド、入試問題の回答と解説から個々の受験生の合否判定までサービスを提供している。上記の"異変"もここから発信された。
『人民網』は、各省市の文科と理科の「状元」を顔写真入りで報道しているぐらいだから、これらの受験生が最終的にどこを選択したかについても熱心にフォローしている。
たとえば、7月16日のトップ記事:「湖南の美しい才女、北京大・清華大の勧誘・招請を謝絶して香港の大学を選択」。記事には、この湖南省・雅礼高校3年生という清楚な女学生の写真もついている。
こうした追跡報道をまとめると、10人を超す「状元」が香港の大学(香港大学・香港中文大学・香港科学技術大学)を選択したようだ。
こうした例については、「棄京赴港現象」を見出しにした解説記事まで掲載された。それによると、この女学生は香港中文大学で金融学を学び、さらに留学して国際金融理論を身につけたいという。やがては中国で「起業」したいというから、優秀でかつチャレンジ精神に富む女学生のようだ。
さて、試験の成績のずば抜けている「状元」の"香港流出"は今年始まったことではない。ここ5年来、大陸各地区の文科・理科のトップ受験生がどの大学に入ったかという統計がある。1位は北京大学で合計315人と過半数を占め、2位の清華大学195人を大きく引き離している。この統計だと、香港へ合計17人入学しており、上記の3大学がベストテンの4、5、8位を占めていた。
それが、今年1年で一挙に10人超と跳ね上がったため話題になった。その理由について、「香港の大学は奨学金が多いからだ」に始まって「研究・教育のレベルが高い」から「卒業生の欧米での評価が段違いだ」などまで、この"異変"についての議論がかまびすしい。
これぞという理由はまだ挙げられていないが、「国際化」という要素が大学教育にも影響を及ぼしている事情はある。胡錦涛党総書記、呉邦国党政治局常務委員など現政権の首脳を多数輩出してきた清華大学も安閑とはしていられないようだ。
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