2016.10.04 前置詞句(prepositional phrase)
前置詞句を主語とする表現は、英語なのに日本語のような雰囲気がある

松野町夫 (翻訳家)

和文英訳は、まず主語を設定することから始まる。主語を決めないかぎり、英文は書けない。英文に主語は不可欠だ。主語になるものは名詞、代名詞のほか、名詞相当語句(noun equivalent)である。名詞相当語句は名詞そのものではないが、その働きが名詞に相当するものをいう。たとえば、〈the+形容詞〉、動名詞、不定詞、前置詞句、名詞節など。

名詞相当語句: 下線部が名詞相当語句で主語(主部)となる。
The sick need good care. 病人にはよい治療が必要だ。→ 〈the+形容詞〉
注記:〈the+形容詞〉は集合的に複数扱い
Smoking too much is bad for your health. → 動名詞〈動詞+ing〉
タバコの吸い過ぎは健康に悪い。
To solve the problem is impossible.  → 不定詞〈to +動詞〉
= It is impossible to solve the problem.
その問題を解くのは不可能です。
Through the wood is the nearest way. → 前置詞句
森を抜けるのが一番の近道です。

前置詞句とは何か
前置詞句とは、through the wood; on the table; in the kitchen のように、前置詞で始まる句をいう(A prepositional phrase is a phrase that begins with a preposition, such as “through the wood”, “on the table” and “in the kitchen”)。前置詞の後に続く語をその前置詞の目的語という。

名詞相当語句の中で、私にとって前置詞句を主語とする表現が一番悩ましく、そのぶん新鮮な魅力を感ずる。私は長い間、この種の表現を倒置(inversion)と理解していた。原文は 〈S+V+A〉 の文型と解釈した。ちなみに、A は付加語(Adjunct)のこと。付加語とは削除することのできない修飾語(副詞または前置詞句)を意味する。SVA型の構文とは、たとえば、

a. Mother is in the kitchen. 母は台所にいます。(付加語 A) → 〈S+V+A〉
b. Ken is sleeping in his room. ケンは部屋で寝ています。(修飾語 M) → 〈S+V〉
b. の in his room は削除しても文としては成立するが、a. の in the kitchen を削除すると文は成立しない。修飾語(modifier)は削除できるが、付加語(adjunct)は削除できない。

本題に戻って、
The nearest way [S] + is [V] + through the wood [A] → 〈S+V+A〉 を倒置すると、
一番の近道は森を抜けることです。
Through the wood [A] + is [V] + the nearest way [S] → 〈A+V+S〉 となる。
森を抜けるのが一番の近道です。

つまり、真の主語は the nearest way で、through the wood は付加語にちがいないと思い込んでいた。実際、そのように解釈しても特に不都合はない。少なくとも be 動詞のSVA型の構文に関しては。

しかし、旺文社 『ロイヤル英文法』や、安藤貞雄著 『現代英文法講義』では through the wood を主語と認定している。前置詞句を主語としてみると、とたんに広々とした新しい英語の世界が展開する。

Through the wood [S] + is [V] + the nearest way [C] → 〈S+V+C〉
森を抜けるのが一番の近道です。

前置詞句を主語にすると、〈S+V+C〉というごく普通の基本的な文型となる。この解釈の方が単純で はるかにわかりやすい。前置詞句を主語とする表現には解放感があり、英語なのに日本語のような雰囲気すら漂っている。

Under the bed is a good place to hide. → 〈S+V+C〉
ベッドの下は隠れるのによい場所である。
Among her virtues are loyalty, courage, and truthfulness.
彼女の徳のなかには忠実、勇気、誠実が数えられる。
From childhood to manhood is a tedious [tíːdiǝs] period.
子供から大人にかけては、退屈な時期である。

上記の3つの表現は、それでもなお、倒置と解釈する余地は残されている。これに対して、以下の5つの表現はもはや倒置などではなく、前置詞句を主語としないかぎり、どうにも説明がつかない。ただし、すべての動詞が前置詞句を主語にできるわけではない。前置詞句を主語にとる動詞は be 動詞と suit に限定されているのでご用心あれ。

Over the fence is out. → 〈S+V+C〉
= it is out if the ball goes over the fence.
(ボールが)フェンスを越えるとアウトです。
Near the fire is warmer.
火の近くはもっと暖かいですよ。
After four is OK with me.
4時以降ならOKです。
Above the cloud is difficult for us to see.
雲の上は私たちには見えにくい。
Around eight o’clock suits you? 
8時頃ではご都合いかがですか?

前置詞句が主語になるということは、前置詞句が実質的に名詞になるということでもある。「前置詞句が名詞になる」という現象は、二重前置詞では頻繁に起る。二重前置詞とは、from across, from under, from within, from in front of のように、ふたつの前置詞が連続するものをいう。たとえば、

She called to me from across the street.
彼女は「通りの向こう」から私に声をかけた。
He took a bottle from under the counter.
彼は「カウンターの下」からボトルを取り出した。
The noise seemed to be coming from within the basement.
その音は、「地下室の中」から聞こえてくるようだった。
Please move your car away from in front of our house?
「家の前」から離れたところに車を移動していただけませんか。

前置詞の後には名詞が続く。上記の英文の from の後の前置詞句はいずれも実質的に名詞であると解釈すると、わかりやすい。日本語でも「通りの向こう」「カウンターの下」「地下室の中」「家の前」というように、いずれも名詞として表現されている。

2016.09.17 天皇と日本
天皇制は君主制で、元号は古代の中国王朝を起源とする古い時代の年代記述方式だ

松野町夫 (翻訳家)

天皇と日本のかかわりは深い。切っても切れない関係にある。天皇を抜きにしては、日本の歴史・政治・宗教・文化は語れない。天皇の生前退位の表明報道(2016.7.13)を視聴し、あらためて天皇と日本のかかわりについて考えてみた。

「天皇」という語は中国語から取り入れられて日本語となったことば(=漢語)である。中国語では天皇は天の最高神を意味したが、唐の674年以降、地上の君主の意味で使用されるようになった。つまり、天皇という称号の日本での使用開始は、第40代天武天皇(在位:673~686)以後となる。それ以前、天皇は「すめらみこと」と呼ばれていた。西郷信綱によると、「すめら」は「澄める」に由来するという。「みこと(尊・命)」は神または貴人の尊称なので、「すめらみこと」は神聖な貴人を意味する。「天皇」は漢語、「すめらみこと」は大和言葉。

天皇家の歴史は古い。戦前、天皇家は万世一系(ばんせいいっけい)と喧伝されていたので多くの人は今でも、天皇家は同じ血筋で古代から現代に至るまでえんえんと続いていると信じているか、またはそうあってほしいと思っている。日本の初代の天皇は神武天皇(在位:前660~前585)、現在の平成天皇(今上天皇)は第125代天皇(在位:1989~)とされる。しかし天皇家が万世一系というのはもちろん事実ではない。歴代の天皇のうち、とくに古代初期の天皇は神話伝説であり史実ではない。

戦後、江上波夫の「騎馬民族征服王朝説」が一世を風靡(ふうび)した。これは、日本の大和政権は大陸から渡来した東北アジアの騎馬民族が樹立したとする学説である。これによると、天皇家の先祖は大陸からの渡来人となる。騎馬民族説はマスメディアでさかんに取り上げられ、ブームとなり一般人から広く支持された。敗戦を契機に、戦前の天皇制(天皇主権)から戦後の象徴天皇制(国民主権)に日本が大きく変化する過程で、時代が江上説を必要としたのかもしれない。この仮説には、神武以来の万世一系という天皇家の神話をうちこわす解放感があった。

しかし騎馬民族説は今日、支持する専門家が少なく、日本の古代史学界ではほとんど否定されている。ウィキペディアの「騎馬民族征服王朝説」によると、その理由は、1. 考古学の成果からみて、前期古墳文化と後期古墳文化の間には断絶はなく、強い連続性が認められること。 2. 「大陸から対馬海峡を渡っての大移動による征服」という大きなイベントにもかかわらず、中国・朝鮮・日本の史書にはその記載がなく、それどころか中国の史書では、紀元前1世紀から7世紀に至るまで日本を一貫して「倭」と呼んでおり連続性が見られること。 3. 騎馬民族であるという皇室の伝統祭儀や伝承に馬畜に由来するものがみられないこと。(以下略)
弥生時代後期から古墳時代にかけて、日本には大陸や朝鮮半島との交易や戦火を契機に騎馬文化が流入したのはまちがいない。しかしそれは穏やかな流入であり、少なくとも王朝が交代するような大規模かつ急激な事態は無かったというのが現代の定説である。

天皇家の人々の中で現在、国民に最も敬愛されている人物は、おそらく聖徳太子(574~622)であろう。第33代女帝、推古天皇(在位:592~628)のもと、摂政として蘇我馬子と協調して政治を行い、遣隋使を派遣し大陸の進んだ文化を取り入れ、冠位十二階や十七条憲法を制定するなど、天皇を中心とした中央集権国家体制の確立を図った。

聖徳太子の死後、古代日本の国家制度は律令制に移行する。「律」は刑法、「令」は行政法・民法などにあたる。律令制は古代中国に始まり唐代に完成し、その影響は東アジア諸国にも広まった。日本では、大化の改新(645年)を経て、第40代天武天皇(在位:673~686)の時代に、律令体制がほぼ完成したという。こうして古代日本は、天皇を君主とする官僚制度によって統治されることになった。

律令制下の天皇は中国流の皇帝として位置づけられたが、両者は基本的に異なる。

1. 天皇は世襲制で君主に選ばれたが、中国の皇帝は有徳者が天命を受けて君主となった。
たとえば、秦の始皇帝は紀元前247年秦王となり、前221年 武力で中国全土を統一し皇帝(在位:前222~前210)となったが、彼の死後わずか4年で秦王朝は項羽や劉邦などによって滅ぼされ、中国は項羽以下の多くの新しい王によって分割統治された。

2. 天皇は日本固有の民族宗教「神道」の指導者だが、皇帝は世俗的君主である。
原始・古代社会の日本人は人間の力を超えたものに畏怖の念を抱き、それをカミと呼んだ。また、あらゆるものに魂があり、魂をカミ、その働きもカミと考えていた。天皇はこうした土着の宗教「神道」の指導者である。カミとの交流は収穫祭や稲作儀礼など宗教的儀式を通して行われるが、天皇はそうした儀式の最高の司祭者でもある。

天皇が主権者として日本を治めた期間は、古代(250-1185)と近代(1868-1945)の約千年である。中世(1185-1573)と近世(1573-1868)は武家の台頭により、天皇は次第に政治的実権を失い、名目上の主権者となるが、それでも鎌倉・室町・江戸の幕府の長を征夷大将軍に任命するなど、任命権や認証権を持ち、一定の政治的影響力を保持し続けた。武力で天下統一した者でも、政権を長期的に維持するには人民の信任を得る必要があり、それには天皇のお墨付きが不可欠だったのかもしれない。

明治維新で天皇は君主として再び返り咲いた。天皇は統治権を持つ元首となり、天皇に直属する文武の官僚が権力を行使する絶対主義的な政治機構および天皇を倫理・道徳の中心とする政治・社会体制(=天皇制)が成立した。天皇制は明治憲法で法的に確立され、明治・大正を経て昭和初期の太平洋戦争に敗北するまで77年間継続した。

しかし1945年、敗戦で天皇は元首の地位を剥奪され、日本国および日本国民統合の象徴となり、主権は天皇から国民に移行した。天皇は国家的儀礼としての国事行為のみを行い、国政に関する権能を有しない(=象徴天皇制)。

象徴天皇制は現在、大多数の国民によって支持されている。
2009年10月末にNHKが行った世論調査『平成の皇室観』では、天皇のありかたについて、「天皇は現在と同じく象徴でよい」と回答した人の割合が圧倒的に高い。
1. 天皇に政治的権限を与える … 5.9%
2. 天皇は現在と同じく象徴でよい … 81.9%
3. 天皇制は廃止する … 7.5%

こうした国民の圧倒的支持を背景に、日本の各政党も立場の違いはあるが、いずれも象徴天皇制を維持する方針を示している。自民党は2012年版『日本国憲法改正草案』の第1条で、「天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」と表明しているし、共産党も民主共和制を目標としながらも、当面、象徴天皇制と共存する方針である。そうすると、象徴天皇制は今後も継続し、それに関連する元号法も存続することになる。

天皇の生前退位についても、メディアの世論調査によると、国民の85%が賛成しているという。こうした現状を考慮すると、遅かれ早かれ、皇室典範は「生前退位」「生前譲位」を認めるように改正され、元号も平成から新しい元号に変わるのは、まず、まちがいない。

しかし、天皇制はしょせん君主制であり、世界史的にみて君主制をとる国は次第に減少しつつある。元号は古代の中国王朝を起源とする古い時代の年代記述方式で、日本でしか通用しない。現代は西暦が世界標準だ。日本は国際社会の一員であり、物事はもっと国際的、世界的視野に立って判断したほうがよいのではないか。

2016.08.22 抽象名詞は可算か不可算か
-ness, -tionで終わる英単語は抽象名詞

松野町夫 (翻訳家)

名詞は事物の名前を表す。「猫」「鉛筆」など形のあるものを表す名詞を具象名詞(concrete noun)、「美」「親切」など形のない抽象概念を表す名詞を抽象名詞(abstract noun)と呼ぶ。

抽象名詞は可算か不可算か?抽象名詞は不可算名詞(数えられない名詞)である。ちなみに、具象名詞は可算だが、物質名詞(water, milk)や一部の集合名詞(baggage, furniture)、固有名詞(John, Tokyo)は不可算名詞に属する。

抽象名詞は、具体的な形を持たない抽象概念(abstract concept)を表す。たとえば、
観念 → beauty, love, courage, justice(美、愛、勇気、正義)
感情 → joy, anger, sorrow, pleasure(喜怒哀楽)
状態 → peace, stability, confusion, hunger(平和、安定、混乱、空腹)
学問 → art, music, mathematics, science (芸術、音楽、数学、科学)

抽象名詞を主語にして一般論を述べるときは、以下のように無冠詞、単数形となる。
Beauty is in the eye of the beholder. 【諺】 美しさは見る人の目の中にある。
Hunger is the best sauce. 【諺】 空腹は最良のソースである。
Science is verified knowledge. 科学とは検証された知識をいう。

抽象名詞の作り方: 「形容詞」+ness
形容詞に接尾辞(ness)を付けると、「性質」「状態」などを表わす抽象名詞ができる。ためしにランダムハウス英語辞典で ness で終わる単語を後方検索したところ、7,139 words がヒットした。

good(良い) + ness = goodness(善)
bad(悪い) + ness = badness(悪)
There's more goodness than badness in him. 彼には悪いところもあるが、良いところがもっと多い。

happy(幸福な) + ness = happiness(幸福)
There are different ways to happiness. 幸福へ至る道はさまざまだ。

sad(悲しい) + ness = sadness(悲しみ)
He looked at me with sadness in his eyes. 彼は目に悲しみをたたえて私を見た。

polite(礼儀正しい)+ ness = politeness(礼儀正しさ)
We accepted the invitation out of politeness. 私たちは礼儀上その招待を受けた。

rude(失礼な) + ness = rudeness(無礼)
I cannot forgive his rudeness to my wife. 妻に対する彼の無作法は許せない。

hard(厳しい) + ness = hardness(厳しさ)
He often complained of the hardness of life. 彼はよく人生の厳しさをこぼしていた。

抽象名詞の作り方: 「動詞」+ion
また、ラテン系の動詞に接尾辞 -ion(-tion, -ation, -ition, -sion)を付けると、「動作」「状態」を表わす抽象名詞ができる。ためしにランダムハウス英語辞典で ion で終わる単語を後方検索したところ、7,951 words がヒットした。

tempt(誘惑する) + ation = temptation(誘惑)
He could not resist the temptation to steal. 彼は盗みたい誘惑に抗することができなかった。

suggest(提案する) + ion = suggestion(提案)
The party was given at my suggestion. そのパーティーは私が言い出して催された。

compete(競争する)+ tion = competition(競争)
The small merchant gets powerful competition from the chain stores.
小規模の商人はチェーンストアから激しい競争を仕掛けられる。

globalize(国際化する) + tion = globalization(国際化)
the globalization of world markets 世界市場のグローバリゼーション

recreate(気晴らしをする) + ion = recreation(レクリエーション)
What do you do for recreation? レクリエーションには何をしますか。

vacate(空にする) + ion = vacation(休暇=心を空にすること)
You aren't here on vacation. 休暇でここに来ているのではありませんよ。

抽象名詞の作り方: 「動詞」+ment
動詞に接尾辞 –ment を付けると、「動作」「状態」「結果」「手段」を表わす抽象名詞ができる。ためしにランダムハウス英語辞典で ment で終わる単語を後方検索したところ、1,568 words がヒットした。

move(動く)+ ment = movement(動き)
Loose clothing gives you greater freedom of movement. ゆったりした服装は動きやすい。

pay(支払う)+ ment = payment(支払)
We require payment in advance for all goods purchased. 商品のお支払はすべて前払いです。

attach(取り付ける)+ ment = attachment(取り付け)
Hooks on the ski boots make attachment easier. スキー靴の留め金で取り付けは簡単です。

develop(開発する)+ ment = development(開発) 
The land was sold for development. その土地は開発のために売られた。

抽象名詞が可算名詞に変身する
ここの例文で掲げた名詞はすべて抽象名詞(不可算)なので a/an を付けたり、複数形にはできない。しかし、こうした名詞がその抽象性を失って「具体的なもの」を意味するとき、具象名詞(可算)に変化する。その名詞はもはや抽象名詞ではなく具象名詞なのでa/an を付けたり、複数形にすることが可能となる。たとえば、beauty は「美しさ」を意味するときは抽象名詞だが、「美人」を意味するときは具象名詞になる。development は「開発」を意味するときは抽象名詞だが、「団地」を意味するときは具象名詞。

Everyone admired her beauty. 誰もが彼女の美しさを称賛した。 → 抽象名詞
A beauty is a beautiful woman. 美人は美しい女性である。 → 具象名詞

the application of science to industry 科学の産業への応用 → 抽象名詞
start an application アプリケーション(プログラム)を起動する → 具象名詞

It is still under development. それは今なお開発中だ。 → 抽象名詞
a new housing development 新興住宅団地 → 具象名詞

2016.07.25 ラーメンは可算か不可算か
麺を表す単語は不可算名詞が多いが、ヌードルは可算名詞

松野町夫 (翻訳家)

「サッポロ一番」や「カップヌードル」など、即席麺の海外進出に伴い、ラーメンは日本ばかりでなく、アジアや北米でも人気が高い。アジアはもともと「汁麺」(soup noodles)という食文化を持っているが、英米にはそうした伝統がなく、どうもラーメンをスープ感覚で捉えているフシがある。たとえば、「チキンヌードルスープ」などがそうだ。 chicken noodle soup = soup made with chicken and noodles
この場合、主体はあくまでもスープであり、チキンや麺は副成分にすぎない。

ラーメンのルーツは中国。ラーメンは当初、「南京そば」と呼ばれていたが、その後、支那そば → 中華そば → ラーメンというように、時代とともに呼び名は変遷した。広辞苑ではラーメンを次のように定義する。この場合、ラーメンは麺料理の一種で主体は麺にあり、スープではない。

ラーメン【拉麺・老麺】
(中国語から)中国風に仕立てた麺料理。小麦粉に鶏卵・塩・かん水・水を入れてよく練り、そばのようにしたものを茹(ゆ)で、スープを注ぐもの。支那そば。中華そば。

ラーメンは英語で ramen または Chinese noodles という。
メリアム・ウェブスター英英辞典では、ラーメンを不可算名詞、ヌードルを可算名詞として定義している。

ramen [rɑ́ːmen]
[noncount] : very thin, long noodles used in Asian cooking.
筆者訳: ラーメンはアジア料理に使う非常に細長い麺のこと。

noodle [[núːdl]
[count] : a thin strip of dough that is made from flour, water, and eggs and that is cooked in boiling liquid
筆者訳: ヌードルとは小麦粉に水・鶏卵を入れてよく練り込んだ細長い麺で、沸騰液で調理する。
〈Chinese noodles〉中華そば。ラーメン。

麺類にはうどん・そば・そうめん・ラーメン・スパゲティなどがある。
うどん udon [U]
そば soba [U]
そうめん vermicelli [vǝ̀ːrmǝséli] バーミセリ [U]
ラーメン ramen [U]
スパゲティ spaghetti [U]

上記の麺はいずれも不可算名詞 [U] なので、原則として複数にしたり、あるいは aをつけることはできない。一般に麺を表す単語は不可算名詞が多いが、noodle は例外で可算名詞。つまり「ラーメン」は、以下のように可算と不可算の2通りの表現が可能となる。

ラーメンは好きですか?
Do you like ramen? → ramen は不可算名詞なので単数形で使う。
Do you like Chinese noodles? → noodle は可算名詞なので複数形で使う。

ラーメンは日本の麺料理で、麺・スープ・具からなる。
Ramen is a Japanese dish of noodles, consisting of noodles, soup and toppings.

中華麺は小麦粉に鶏卵・塩・かん水・水を入れて練り込んで作る。
Chinese noodles are made from flour, eggs, salt, lye water and water mixed together.

かん水(梘水)は、中華そばをつくるのに必要な あく(灰汁)と水のアルカリ性水溶液で、麺にコシ(粘着性)や風味、色合いをつける。
Lye water is an alkaline solution of lye and water necessary for making Chinese noodles, which adds stickiness, flavor and color to noodles.

麺は非常に重要だが、スープがラーメンの味を決定するのにもっと重要な役割を果たす。
Noodles are very important but soup plays a more important role in deciding the taste of ramen.

ラーメンのスープはダシとタレからなる。
Ramen soup consists of broth and sauce/seasoning.

ダシは、鶏ガラや、豚骨、牛骨、鰹節、煮干し、昆布、椎茸などを煮出して作る。
Broth is made by boiling chicken bones, pork bones, beef bones, dried bonito flakes, dried baby sardines, kelp, or shiitake mushrooms in water and then removing them.

また、食肉の臭みを除去するために、ネギ、生姜、ニンニクなどの香味野菜も一緒に煮込む。
And to remove an unpleasant odor from meat, savory herbs such as green onion, ginger and garlic are also boiled together.

ラーメンのタレは濃縮された少量の調味液または調味料で、ダシで割るとスープに特有の風味がつく。
A ramen sauce is a small amount of thick liquid or seasoning, which adds a particular taste to soup when diluted with broth.

具をのせると一杯のラーメンが完成する。
A bowl of ramen will be ready when you put some toppings on top.

典型的なラーメンの具:
Typical toppings for ramen:

叉焼(チャーシュー) roast pork; メンマ(シナチク) pickled bamboo shoots
ネギ green onion; 海苔 nori ; トウモロコシ corn; バターbutter; ニンニク garlic
鳴門(なると)巻き a slice of fish cake with a pink spiral pattern
薩摩揚げ a deep-fried cake of ground fish
野菜炒め(モヤシ、キャベツ、ニンジン、タマネギなど)
stir-fried vegetables (bean sprouts, cabbage, carrot, onion, etc.)

ラーメンの具は何が好きですか?
What toppings do you want on your ramen?

英語版 Wikipedia の Ramen は、以下のサイトを参照してください。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ramen

2016.06.22  sushi(寿司)は可算か不可算か
寿司関連の用語は不可算名詞が圧倒的に多い

松野町夫 (翻訳家)

寿司はもともと日本語である。日本語の名詞には可算も不可算もない。しかし、たとえ日本語の名詞であったとしても一度英語に取り入れられると、可算か不可算か、いずれかに分類されることになる。こうして sushi は現在、不可算名詞 [U] として英英辞典に収録されている。寿司には にぎりずし・まきずし・ちらしずしなどいろいろな種類があるが、英米で単に sushi というと「にぎりずし」を指す。

sushi
[U] a Japanese dish of small cakes of cold cooked rice, flavoured with vinegar and served with raw fish, etc. on top: [OALD7]
筆者訳: 寿司は日本料理のひとつで、冷やした酢飯を小さくケーキ状に握り、生魚などをのせたもの。
sushi

寿司関連の用語は不可算名詞が圧倒的に多い。それまで英米文化になかった寿司・刺身・わさび・海苔・豆腐は、日本語がそのまま英単語になっている。

不可算名詞 [U]
寿司 sushi, 刺身 sashimi, わさび wasabi, 海苔 nori, 豆腐 tofu
醤油 soy sauce, 酢 vinegar, ガリ pickled ginger, 海藻 seaweed

鮨種(すしだね)も、切り身(魚肉)または食材なのですべて不可算名詞だ。

鮨種 → すべて不可算名詞
はまち yellowtail, まぐろ tuna, たい sea bream
さけ salmon, こはだ gizzard shad [gízǝrd ʃǽd]
かつお skipjack, or bonito, いわし sardine, にしん herring
さば mackerel, あじ horse mackerel, しまあじ striped jack
ひらめ left-eyed flounder, かれい right-eyed flounder
(日本ではひらめは高級魚。ひらめ、かれいなどを flatfish と総称する)

いくらsalmon roe, うに sea urchin roe, 数の子 herring roe
いか squid, たこ octopus, 甘えび shrimp, えび cooked prawn
あわび abalone, ほたてscallop, 赤貝 ark shell, かき oyster
穴子 conger, うなぎ eel, かに crab, いせえび lobster

寿司は海外でも好評だ。外国人はサーモンを好きな人が多い。しかし日本ではマグロの好きな人が圧倒的に多い。マグロには、クロマグロ bluefin tuna, ミナミマグロ southern bluefin tuna, メバチマグロ bigeye tuna, キハダマグロ yellowfin tuna など、いろいろな種類があるが、最高級のすし種といえばクロマグロの「とろ」。とろはマグロの腹側の脂肪に富んだ部分で、大とろ・中とろに分類できる。赤身はマグロの背骨に近い部分で脂肪はない。

大とろ top-quality fatty tuna
中とろ medium fatty tuna
赤身 red tuna

鮨種は切り身なので不可算名詞 [U]。しかし、魚介類が切り身ではなく、まるまる一匹の魚や一個の貝、つまり個体を意味するときは可算名詞 [C] になる。

tuna [túːnǝ] ツナ
1. マグロ [C]
2. マグロの身 [U]

salmon [sǽmǝn] サーモン
1. サケ [C]
2. サケの身 [U]

abalone [æ̀bǝlóuni] アバローニ
1. アワビ [C]
2. アワビの身 [U]

可算と不可算のこのような区別は、魚肉だけでなく食肉にも当てはまる。
動物名とその肉を表す語は pig [C] と pork [U]、cow [C] と beef [U] のように通例異なるが、chicken と lamb (子羊、ラム)は両方に同じ単語を用いるので注意が必要だ。

chicken [tʃíkǝn] チキン
1. ニワトリ [C]
2. 鶏肉 [U]

lamb [lǽm] ラム
1. 子羊 [C]
2. 子羊の肉 [U]

「夕食に鶏肉を食べた」は、I ate chicken for dinner. [U] という。これを I ate a chicken for dinner. というと、「夕食はニワトリ一羽を捕まえてそのまま食べた」と、逃亡者の夕食になる。

「鮨種」という単語そのものは ingredients or sushi toppings で、いずれも可算名詞 [C]。
刺身にはシソの葉・大根・海藻など、いわゆる「刺身の妻」を添えるが、こうした「料理のつま」を英語ではガーニッシュという。 garnish [gɑ́ːrniʃ] はふつう可算名詞 [C]。Use some of the parsley as a garnish. パセリを料理のつまとして使う。

寿司は、飯・魚介・野菜などを使うが、こうした食材は腐りやすい。夏場はとくにそうだ。そこで殺菌力・防腐力の強い酢やワサビなどを活用して、酢飯(すめし)を主材にし、切り身にワサビをつけ、わさび醤油にひたして食べる。「ガリ」はショウガの根を薄切りにして熱湯に通し甘酢に漬けたもので、寿司には口直しとして不可欠の一品である。寿司に使うこうした酢やワサビ・醤油・砂糖・塩などの天然防腐剤は、英語ではすべて不可算名詞 [U] である。




沖縄を考えるパネルディスカッション
短信

  沖縄――戦後史から問う
  第15回望月百合子忌


 沖縄が本土に復帰して44年。しかし、いまだに国土の0.6%しかない沖縄に在日米軍専用施設の73.8が集中している。この現実を私たちはどこまで知っているだろう。また、沖縄を捨て石として、「繁栄」を謳歌してきた戦後の歴史も。私たち自身の問題として沖縄を考えていきたい。

 日時:6月25日(土)午後1時半~
 会場:主婦会館プラザエフ(JR四谷駅麹町出口前)
パネリスト:
    鹿野政直さん(歴史学者)
    堀場清子さん(詩人・女性史研究家)
    新垣 毅さん(琉球新報編集委員)
 コーディネーター:鎌田 慧さん(ルポライター)
 参加費:1000円(会員800円、学生500円)
 
主催:NPO現代女性文化研究所
参加希望の方はご予約ください。電話03-3941-1007 FAX03-3941-7577
Email:gendai-j@almond.ocn.ne.jp                   (岩)


2016.06.09 food(食物)は可算か不可算か
food が種類・個体・製品を表すときは可算名詞 [C] になる

松野町夫 (翻訳家)

インターネットが本格的に普及する以前の話であるが、職場で「フード(food)は不可算名詞なのに、この会社では英語の社名にフーズ(foods)を使用しています。おかしいですよね?」と聞かれたことがあった。たしかに food が「食べ物一般」を意味する場合は不可算だが、工場製品、つまり「食品」(= food products)を意味する場合は可算になる。つまり社名にフーズ(foods)は、以下のように、ごく普通のことでまったく問題ない。

ハウス食品株式会社 House Foods Corporation
味の素冷凍食品株式会社 Ajinomoto Frozen Foods Co., Inc.
日清食品ホールディングス株式会社 Nisshin Foods Holdings Co., Ltd.
(参考: 日清食品株式会社 Nissin Food Products Co., Ltd.)

food が「食べ物一般」を意味するときは不可算名詞であるが、food が「特定の種類の食べ物」を意味するときは不可算または可算(U or C)となる。

1. 食べ物一般 → 不可算(U)
2. 特定の種類の食べ物 → 不可算または可算(U or C)

■食べ物一般(food in general)
food が「食べ物一般」を意味するときは不可算名詞(U)として単数形で集合的に用いる。

We don't have enough food. 食物が足りない。
She gave food to the man. 彼女はその男に食べ物を与えた。
He's very particular about food. 彼は食べ物にかけてはとてもやかましい。
A piece of food is stuck between my teeth. 歯の間に食べ物のかけらがはさまった。
The refugee camps need more food. 難民キャンプは食べ物をさらに必要としている。
Take great care when handling food. 食べ物を取り扱うときは細心の注意を払いなさい。
Food is something that people or animals eat, such as vegetables, fruit, meat, rice etc.
食べ物とは人や動物が食べるもので、野菜、フルーツ、食肉、ご飯などをいう。
We prepared food and drink for the office party.
私たちはオフィスパーティ用に食べ物や飲み物を準備した。
How long can someone live without food or water?
人は食べ物や水なしでどのくらい長く生き延びることができるか?
The human body needs food and water to survive.
人間の体は生き延びるために食べ物や水を必要とする。

■特定の種類の食べ物(a particular kind of food)
food が「特定の種類の食べ物」を意味するときは不可算または可算(U or C)となる。しかし、「特定の種類の食べ物」でも不可算名詞(U)として用いる場合が多い。

不可算名詞 [U] → 不可算が普通だが可算も可。
seafood シーフード; fast food ファースト‐フード; frozen food冷凍食品
baby food 幼児食; liquid food 流動食
Japanese/Chinese/Italian food 日本・中国・イタリア料理
healthy food 健康によい食べ物; junk food ジャンクフード
good food 良い食物; tasty food おいしい食物
bad food まずい食物; coarse food 粗食
light food 消化しやすい食物; heavy food 消化しにくい食物
pet food ペットフード; cat/dog/fish food キャッツ・ドッグ・フィッシュ・フード
spicy food 香辛料のきいた食物; salty food 塩辛い食物; sweet food 甘い食物
nutritious food 栄養のある食物; poor food 栄養のない食物

ただし、food が以下のような「工場製品」を意味するときは可算名詞(C)として用いる場合が多い。
可算名詞 [C]  → 可算が普通だが不可算も可。
インスタント食品 instant food(s); 加工食品 processed food(s); 健康食品 health food(s); 機能性食品 functional food(s); 自然食品natural food(s); 缶詰食品 canned food(s)

food が種類・個体・製品(=食品)を表すときは可算名詞 [C] になる。

スパゲッティは私の好物の一つです。Spaghetti is one of my favorite foods. (種類)
パンやジャガイモ、米のような食べ物には多量の炭水化物が含まれている。
Foods such as bread, potatoes and rice contain a lot of carbohydrate. (種類)

パスタはイタリアの食べ物で、小麦粉と水、ときに卵を混ぜて作る。
Pasta is an Italian food made from flour, water and sometimes eggs. [C] → (個体)
= Pasta is a type of Italian food made from flour, water and sometimes eggs. [U]

冷凍食品は電子レンジで調理するものが多い。
Many frozen foods are cooked in a microwave oven. [C] → (製品)
= Many kinds of frozen food are cooked in a microwave oven. [U]

fatty food [U or C]
油っこい食べ物には多量の脂肪が含まれている。Fatty food contains a lot of fat. [U]
油っこい食品は避けるようにしています。I try to avoid fatty foods. [C]  → (製品)
油っこい食べ物やチョコレートは食べてはいけない。Don't eat fatty food or chocolates. [U]

frozen food [U or C]
わが家のフリーザーは冷凍食品でいっぱいだ。Our freezer is full of frozen food. [U]
その店は冷凍食品の専門店だ。The store specializes in frozen foods. [C]  → (製品)

starchy food [U or C]
澱粉質の食品には多量の澱粉が含まれている。
Starchy foods contain a lot of starch. [C]  → (製品)
彼はダイエットをやめて、澱粉質を大量にとる食事に戻ってしまった。
He gave up his diet and went back to eating vast quantities of starchy food. [U]

不可算名詞 [U] が可算名詞 [C] に変身するとき:

food に限らず、一般に、不可算名詞(fruit, coffee, work, paper, etc)が種類・個体・製品を表すときは可算名詞 [C] になる。たとえば、

リンゴとオレンジは果物である。 Apples and oranges are fruits. [C] → (種類)
コーヒーを二つください。Two coffees, please. [C] → (個体)
ピカソの初期の作品を見た。 I saw Picasso’s earlier works. [C]  → (製品)
この話は新聞各紙にに掲載された。The story was in all the papers. [C]  → (製品)

2016.06.02  高島俊男『漢字と日本語』を読みながら

    ――八ヶ岳山麓から(185)――

阿部治平(もと高校教師)

私は夜間高校の地理と数学の教師だった。
当時もいまも高校・中学の地図帳には、文部省の方針に従って中国の地名は漢字にカタカナが併記してある。このため活字で地図が黒くなって地形がしっかり読み取れない。それに学習時間のすくない定時制生徒にとっては、漢字とカタカナの両方をおぼえるのは負担が大きい。もう40年ほど前のことになるが、私は民間の地理教育団体でこんな提案をしたことがある。

「新聞・雑誌などの中国の地名は漢字表記だけだから、実用を考えればペキン・シャンハイ・ホンコンなどすでに定着している地名を除いて重要地名であっても日本語の漢字音読みだけ教えればよい。中国史の授業もそれで十分に間に合う」と。
これは地理教師たちの総スカンを食らった。当時地理教育に熱心な教師には、文部省とは異なる原則の「現地読み」を重んじる人たちが多かった。「東シナ海」を中国流に「東中国海」とすべしという人がいたくらいだ。中国地名のカナ表記問題はずっと後を引いている。近くは明木茂夫『中国カタカナ表記の研究』(東方書店2014)がある。

これを高島俊男さんが『漢字と日本語』(講談社現代新書2016)でとりあげた(以下「この本」という)。高島さんは以前、週刊文春の「お言葉ですが」というコラムで、十何年間も我々を楽しませてくれたひとである。漢字問題では『漢字と日本人』(文春新書)・『漢字雑談』(講談社現代新書)がある。この本はその続きである。
私はこの本を読んで、日本語バイリンガルの中国人地理学者に、①ぺイハイ(北海)、②チャンチアン(長江)、③ター運河(大運河)などカタカナ地名20をあげて、これを漢字で書けるか聞いてみた(カッコ内は正解)。彼は一目見て「全然わからない」といった。カタカナ表記は中国語のようにみえて、しょせん日本語である。
結論からいうと明木さん、高島さんの結論は、私の提案とだいたい同じである。ただ高島さんの場合、結論に至るまでがたいへんに面白い。
人名にも似た問題がある。加藤秀俊氏は、中国人は日本人名を中国語でよぶが、これを日本語でよんでもらおう、我々も中国人名を中国語に近い発音で呼ぶことにしようではないかと提案したという。高島さんはこの意見に賛成している(文春文庫『お言葉ですが』シリーズ第7巻の「香港はホンコンか」)。
そうすると習近平を「シージンピン」、李克強を「リーコーチアン」とよぶことになる。毛沢東(マオツォトン)、魯迅(ルーシュン)まではなんとか生徒におぼえさせられるかなあ。康熙・雍正になると無理でしょうね。ジンギスカンだのヌルハチだの非中国語を例外として、人名も漢字の日本語音読みにするしかないと思う。これによって生まれる不都合は、漢字使用圏の持病とあきらめるしかない。

言語学はことばが意味を持っているという前提で成り立っているが、中国人も日本人もたいていは「漢字」が意味を持っていると思っている。学校で漢字は表意文字だと教わるからかしらん。
高島さんによると、中国の簡体字についてへっぴり腰ながら批判した中国人がいる。南海大学の向光忠という人。漢字の簡化は中国共産党の方針だから、簡体字(略字)問題でたてつくのは相当怖い。このブログでは簡体字が使えないので、以下、大変くどい表現になりますががまんしてください。

第一、本来の意味がなくなる。たとえば穀物の「穀」は、同じ音の「谷」で代用される。「穀」に「谷」の意味はない。おなじく麺類の「麺」の簡体字は「面」である。日本では「缺」を「欠」にした。「欠」はもともとあくびをするとか、まげた体を伸ばす意味である。
第二、つくりがでたらめ。「進」は「井」にしんにょうになった。「講」は言べんに「井」を書く。「隹」と「冓」がともに「井」になっている。ならば「構」は木へんに「井」のはずだが「勾」になる。さらに「又」はどこにでも使われている。「樹」は「木」と「寸」のあいだに「又」である。「難」は「又」の右に「隹」である。「権」は木へんに「又」である。「聖」は「又」の下に「土」である。
第三、「幹」「乾」「干」などは前のふたつをすてて「干」に統一した。これは日本略字にもありますね。わきまえるの「辨」、花瓣の「瓣」、辯護士の「辯」はひとまとめにされて「弁」である。
第四、漢字の意味を表わすへんやつくり(意符)が変形した。一番は「言べん」で、「さんずい」に近い形になった。「言」の字はそのままだから、「言」と「言べん」が表わす「説」「話」などの文字グループとの関係が薄れた。
第五、漢字の音を表わす部分(声符)が変ってしまって音を表さない。「標」は本来「票」が音を表わすのに、木へんに「示」になった。日本略字でも「仮」は元来「假」ですね。つくりの「叚」が「休暇」など「カ」を表わしたのに「反」とは。
日本の略字も中国の簡体字もゆくゆくは表音文字化を目指した過渡的な文字である。日本はカナかローマ字、中国はローマ字化を予定した。ところが両国とも漢字の廃止は不可能とわかってそのままになっている。数十年間の一時停車である。

ここで思い出されるのは、日中両国の漢字を統一したらどうか、という意見である。本ブログに英語をめぐって興味深い話を展開をされる翻訳家の松野町夫さんも、以前日中の漢字統一を期待されたことがある。漢語と日本語はずいぶん距離が遠い言語だが、日本語に漢字はなくてはならぬものだから、こうした考えはごく自然に生まれる。
結論をいうと、両国当局がその気になりさえすれば、印刷字だけは正字(中国語では繁体字)にすることが可能である。日本字の「豊」と、「三」を|で串刺しにした簡体字は「豐」になる。そのかわり日中共通の略字「学」「当」「円」なども「學」「當」「圓」になる。手書きのときは略字を使えばよい。読む字と書く字が両方存在することになるが、昔からこれはあったからあまり問題ではない。

この本には中国語がよそから受入れた外来語についても興味深い話がある。葡萄とか駱駝とかは古い時代の外来語だが、明治以後日本から中国に入った漢字語は、高島説によると「何千とあるんじゃないか」という。
私は中国で日本語を教えたとき知ったかぶりをして、漢人学生に「社会科学・自然科学の術語には日本人がヨーロッパ語を漢字を使って翻訳し、それが中国に入ったものが多い」と何回かいったことがある。そのたび学生の多くは意外な顔をした。もちろん嫌な顔をして「でもその漢字は中国から日本へ行ったものだ」と反論する学生もいた。
こういうとき日本人教師としては、すかさず「ところが日本の数学の術語は中国製が多い」といわなければならない。「幾何だの代数、方程式、微分積分、抛物線(漢字制限のため放物線になった)なんかがそうだ。中国へやって来たカソリックの僧侶などが数学書をいち早く漢語に翻訳し、それが日本に入ったにちがいない」というと、学生たちは「そーらみろ」といった顔をしたものである。

高島さんは中国人によるヨーロッパ語の翻訳は、ポケットを「口袋」、タオルを「手巾」など意訳が多い傾向があるという。純音訳語でも使う方はいく分かは漢字に意味をこめる。チョコレートの「巧克力(チアオコリ)」は、食えば力がつくぞといったように。
高島さんは、音と意味を兼帯した外来語の傑作はアイスクリームの「氷淇淋(ビンチーリン)」だという(「氷」の中国漢字は「にすいに水」)。淇淋はもともとcreamの南方語による音訳で「キーリン」と発音する。標準語が北方語なので「チーリン」になった。氷と淇淋の組み合わせが巧みである。

だが私は、最高傑作はコカコーラの「可口可楽(カコウカラ)」だと思う。口にしてよし楽しむべし。マクドナルドの「麦当労(マイタンラオ)」など足元にも及ばない。
「可口可楽」については、高島さんも先の『お言葉ですが』の「だいぶまちがいがありました」の項でふれている。高島さんはこの訳語は戦後のものと思っていた。ところが上海事変(1937・昭12)の戦闘中の写真に「可口可楽」の看板が映っているのを知らせてくれた人がいたということである。
これを読んだとき私は非常に驚いた。私はベルギー生まれでフランスで活躍した中国文学の碩学シモン・レイズの翻訳だとばかり思っていたのである。わが家に寄宿していた若いオーストラリア人中国文学者が誇らしげに「私の先生によるものです」といったからである。シモン・レイズは文化大革命中に中国に滞在しその実態を明らかにしたために、その後の中国への入国を拒否された人である(太田千穂訳『中国の影』日中出版1979)。

……とまあ、ことほど左様に、この本にはあきれるほどの学識を下敷きにした面白い話がいっぱいつまっている。ご一読をおすすめしたい。
2016.05.25 フルーツは可算か不可算か
可算や不可算という概念は英米人固有の文化的・心理的な要素に依存している

松野町夫 (翻訳家)

英語の名詞は、可算と不可算に分類できる。可算と不可算が区別できないと、和訳はともかく、英訳はできない。たとえば、フルーツは好きですか?と言いたい場合、フルーツが可算名詞(C)なら、Do you like fruits? だが、不可算名詞(U)なら Do you like fruit? とすべきで、表現が異なるからだ。

可算とか不可算とかいう概念は日本語に存在しない。日本だけでなく、中国や韓国、タイ、マレーシア、インドネシアなどにもない。固有名詞や普通名詞という概念は万国共通で普遍性があり、一度説明をきけば誰でも即座に理解できるが、可算や不可算という概念は、そのような普遍性はなく、論理というよりも、英米人固有のものの見方や言語習慣、つまり文化的、心理的な要素に依存しているので、英語を母語としない多くのアジア人にとっては、どうにも理解しがたい部分が残る。野菜(vegetable)は可算名詞(C)、フルーツ(fruit)はふつう不可算名詞(U)と説明されても、理屈としてなかなか納得できるものではない。

とくに不可算名詞が難解だ。不可算名詞は「形の一定していない大きなかたまり」で、数えることができない。以下の名詞はいずれも不可算名詞なので、原則として、複数にしたり、あるいは a や an をつけることはできない。

不可算名詞(形状から分類)
固体 (solid) : ice, butter, sugar, bread, wheat, rice, fruit, food, glass, soap
液体 (liquid) : water, milk, coffee, tea, wine, sake [sɑ́ːki], blood, ink
気体 (gas) : steam, air, oxygen, hydrogen, nitrogen, smoke, gas

不可算名詞(名詞の種類から分類)
固有名詞: John, Mary, Tokyo, London, Sony, Microsoft
抽象名詞: beauty, information, kindness, knowledge
物質名詞: water, butter, coffee, milk, wine, wood, glass, plastic, steel
一部の集合名詞: baggage, furniture, equipment, fruit, food

フルーツ(果物)はふつう不可算名詞(U)として単数形で集合的に用いる。これが原則。

Do you like fruit? フルーツは好きですか?
Let’s eat fruit after dinner. 夕食の後、フルーツを食べましょう。
She bought several kinds of fruit. 彼女はいろいろな果物を買った。
I bought some fruit at a supermarket. スーパーでいろいろな果物を買った。
That kind of fruit is in season now. その種の果物は今が旬だ。
That kind of fruit is out of season now. その種の果物は今は時季はずれだ。
Forbidden fruit is sweetest. ⦅ことわざ⦆ 禁断の木の実は甘い。(エデンの園のリンゴ)
Try to eat at least one piece of fruit a day.
一日に少なくとも1個のフルーツを食べるようにしなさい。
Fresh fruit and vegetables provide fiber and vitamins.
新鮮なフルーツや野菜には繊維やビタミンが含まれている。

しかし、原則に例外はつきもの。フルーツの種類をいうときは、可算名詞(C)として単数形や複数形で用いることもできる。ちなみに、fruit の複数形は fruit or fruits。イギリス英語では果物の意味の fruit は単複同形。また、fruit は集合名詞でもあるので、以下の例文中の fruits はほぼすべて fruit に置き換えることが可能。つまり、フルーツを英訳する際に fruit か fruits か、どちらにすべきかよくわからない場合、これを解決する唯一の便法は、fruit を選択することである。

fruits in season 季節の果物
The apple is a fruit which ripens in the fall. リンゴは秋に熟す果物だ。
Apples and oranges are fruits. リンゴとオレンジは果物だ。(アメリカ英語)
= Apples and oranges are fruit. リンゴとオレンジは果物だ。(イギリス英語)
Peaches are my favorite fruit. モモは私の大好きな果物だ。(イギリス英語)
What fruits are in season now? = What kinds of fruit are in season now?
今はどんな果物が食べごろですか?
tropical fruits, such as bananas and pineapples 
バナナやパイナップルのようなトロピカル・フルーツ
The doctor said I should eat more fruits and vegetables.
フルーツや野菜をもっと食べるようにと、医者に言われた。
Jack grows a variety of fruits and vegetables in the garden.
ジャックはガーデンで、さまざまな種類のフルーツや野菜を栽培している。

興味深いことに、アメリカ系の辞典、たとえば、メリアム・ウェブスター英英辞典はfruit の複数形として fruits のみを、ランダムハウス英語辞典では (pl. fruits, ⦅特に集合的⦆ fruit) と両方を記載しているが、イギリス系の辞典、たとえばマクミラン英英辞典やLAAD2英英辞典では fruit or fruits と両方を記載している。さらにまた、イギリス系のコウビルド英英辞典にいたっては、The plural form is usually fruit, but can also be fruits.(筆者訳: 複数形は通常 fruit だが、fruits も可)と、わざわざ説明している。要するに果実としての fruit の複数形について、アメリカ人が fruits と考えるのに対して、イギリス人は fruit と単複同形としてみているのだ。

不可算名詞の中にはフルーツのように、通常は不可算名詞 [U] だが、その種類や特定の量について話すときは可算名詞 [C] として複数にしたり、あるいは a や an をつけることのできる名詞 [U,C] が非常に多い。イギリス人はこのような名詞をとくに mass noun [mǽs nàun] (マスナウン、質量名詞)と呼ぶ。つまりマスナウンは狭義には、可算・不可算両用の「二元性名詞」を指す。ただし広義には不可算名詞を意味する。質量名詞=不可算名詞。 mass noun = uncountable noun.  日本では可算名詞 [C] と不可算名詞 [U] を対比するが、英米では count と mass (or noncount) を対比する場合が多い。

いずれにしろ、フルーツは不可算名詞(U)で、野菜は可算名詞(C)なので
フルーツは好きですか? Do you like fruit?
野菜は好きですか? Do you like vegetables? が正解。

2016.04.19 固有名詞と普通名詞
普通名詞は固有名詞以外のすべての名詞をいう

松野町夫 (翻訳家)

英語の名詞は、固有名詞と普通名詞に大別できる。

固有名詞は人名、地名、社名、国名、天体名など、特定の人または事物の名称を表す名詞をいう。必ず大文字で書き始め、不定冠詞(a/an)をつけず、複数形にもしない。固有名詞には、単純語と複合語の2種類がある。

単純語: John, Tokyo, Microsoft, Japan, Venus
複合語: Tokyo Station, Haneda Airport, Central Park, the Tokyo Tower, the Tokyo Sky Tree

単純語の固有名詞に定冠詞(the)がつくことはないが、限定語句を伴えば the をつける必要がある。たとえば、Japan を例にとると、
She is interested in Japan.
彼女は日本に関心がある。
She is interested in the Japan of the Edo period.
彼女は江戸時代の日本に関心がある。

複合語の固有名詞は the がつくものとつかないものがある。駅名・空港名・公園名には the がつかないが、東京タワーなど建築物名には the がつく。詳しくは以下のサイトを参照してください。
固有名詞と定冠詞(その2)
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-1878.html

普通名詞は固有名詞以外のすべての名詞をいう。普通名詞=非固有名詞。小文字で書く。文脈や意味ににより、不定冠詞(a/an)をつけたり、複数形にする場合もある。ちなみに、英英辞典では「普通名詞」 “common noun” を以下のように定義している。
A common noun is a noun such as `tree', `water', or `beauty' that is not the name of one particular person or thing. Compare proper noun. [COBUILD English Dictionary]
筆者訳: 普通名詞は「木」や「水」「美」のような名詞で、特定の人や物の名前ではない。<対義> 固有名詞。【コウビルド英英辞典】

普通名詞: dog, pen, tree, people, family, police, beauty, information, water, butter, coffee
普通名詞をさらに詳しく分類すると、以下のようになる。

■可算名詞グループ
具象名詞: dog, pen, tree
集合名詞: people, family, police
■不可算名詞グループ
抽象名詞: beauty, information
物質名詞: water, butter, coffee

具象名詞は「一定の形や区切りを持ち、見たり触ったりできるもの」をいう。<対義> 抽象名詞。日本の英文法でいう「普通名詞」は具象名詞の概念に近い。「普通名詞」=具象名詞。

固有名詞と普通名詞の区別は重要だ。固有名詞が特定の事物(=あるひとつの事物)を示すのに対して、普通名詞は同じ種類の事物を示す。

2016.04.02 名詞の分類
日本の英文法でいう「普通名詞」は具象名詞の概念に近い

松野町夫 (翻訳家)

英語の名詞の分類について、日本では一般に、可算(かさん)と不可算(ふかさん)に大別し、可算グループには普通名詞と集合名詞、不可算グループには固有名詞・物質名詞・抽象名詞とするのが標準である。日本の英文法では、名詞の種類は以下のように5種類となる。

■可算名詞(数えられる名詞 countable noun)
普通名詞 (common noun) → apple, bed, cat
集合名詞 (collective noun) → family, committee, team

■不可算名詞(数えられない名詞 uncountable noun)
固有名詞 (proper noun) → Japan, John, America
物質名詞 (material noun) → air, water, coffee
抽象名詞 (abstract noun) → peace, love, truth

この分類の長所は、可算名詞と不可算名詞の区別が明確に示されていることだ。問題点は、普通名詞の定義が漠然としていることである。たとえば、ロイヤル英文法改訂新版によると、「普通名詞とは一定の形や区切りを持つもの」で「普通名詞はすべて可算名詞」だという。

しかし英英辞典で「普通名詞」“common noun” を引くと、以下のように、「普通名詞はすべて可算名詞」ではないことが一目瞭然だ。もっと端的に言えば、普通名詞=非固有名詞。たとえば、

a word (such as “singer,” “ocean,” or “car”) that refers to a person, place, or thing but that is not the name of a particular person, place, or thing — compare PROPER NOUN [メリアム・ウェブスター英英辞典]

a word such as table, cat, or sea, that refers to an object or a thing but is not the name of a particular person, place or thing. [OALD7]

A common noun is a noun such as `tree', `water', or `beauty' that is not the name of one particular person or thing. Compare proper noun. [COBUILD English Dictionary]

any noun that is not the name of a particular person, place, or thing, for example "book" or "sugar" [LAAD2]

固有名詞は、人名、地名、社名、国名、天体名など、特定の人または事物の名称を表す名詞で、これ以外の名詞は英米ではすべて普通名詞となる。つまり、物質名詞や抽象名詞、集合名詞も、固有名詞ではないので普通名詞に属することになる。現に、普通名詞としてここに例示された単語には、ocean, water, beauty, sugar が含まれているが、これらは不可算名詞(=物質名詞・抽象名詞)である。

ケンブリッジ英文法では、以下のように、名詞を固有名詞と普通名詞に大別している。また、普通名詞としてここに例示された heat も不可算名詞(抽象名詞)。

Nouns can be divided into proper nouns and common nouns. Proper nouns give names to people and things (Tony Blair, Greece, Oxfam). Nouns which are not proper nouns are common nouns (table, boy, heat). [CGE (Cambridge Grammar of English)]

筆者訳: 名詞は固有名詞と普通名詞に分類できる。固有名詞は人やものの名称(トニー・ブレア、ギリシア、オックスファム)を示す。固有名詞でない名詞は普通名詞(テーブル、少年、熱)である。

ちなみに、ケンブリッジ英文法では名詞を(普通・固有・具象・抽象)の4種類に分類している Noun (proper, common, concrete, abstract)。普通と固有、具象と抽象はそれぞれ対立した概念である。具象名詞(concrete noun)という用語は日本ではなじみが薄いが、意味は以下の通り:

concrete noun:
a noun that refers to an object that you can see or touch, not to an idea or feeling [MED2]
筆者訳: 具象名詞とは、概念や感情ではなく、見たり触ったりできるものを示す名詞。

抽象名詞が具体的な形を持たない抽象的な概念を示すのに対して、具象名詞は「一定の形や区切りを持ち、見たり触ったりできるもの」を示す。日本の英文法でいう「普通名詞」は具象名詞の概念に近い。「普通名詞」=具象名詞。

以下に、A. 名詞の分類(日本標準)と B. 名詞の分類(草案)を図示する。B案は私案なので認知されているわけではないが、こちらの方が少なくとも英米人には説得力があると思う。

名詞分類

『ニューヨークタイムズ』ニュース速報(March 27, 2016)の見出しを以下に示す。
At least 40 people, including children, were killed at a park in Pakistan by an apparent suicide blast, officials said.

ここから名詞を取り出すと、people, children, park, Pakistan, suicide, blast, officials となり、固有名詞は Pakistan のみ、それ以外はすべて普通名詞となる。

この普通名詞をさらに詳しく分類すると、
集合名詞: people (「人々」の意味では集合名詞。ただし「国民」の意味では具象名詞)
具象名詞: children(child の複数形), park, blast, officials
抽象名詞: suicide (ただし、ここではsuicide を形容詞とみることもできる)