2017.06.14  「トカゲ」(官邸+内閣府)の「尻尾」(文科省)切りは成功しない

広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)


 安倍首相は6月9日、松野文科相に対し、学校法人「加計学園」の獣医学部新設を「総理のご意向」とした文科省の内部文書の存否を再調査するよう指示した。首相は首相官邸で記者団にこのことを聞かれ、「徹底的に調査するよう指示した」と恥ずかしげもなく語った(テレビニュースで見た)。これまで「総理のご意向」文書の存在については徹底的に白を切り通し、それでも突っ込まれると「印象操作だ」と意味不明の言葉を喚き散らしていたのに、今度は一転して「徹底調査する」というのである。この人物の頭の中の構造がいったいどうなっているのか、脳科学者ならずとも知りたいところだ。

 5月17日の朝日新聞スクープによって内部文書の存在が浮かび上がって以降、官邸と内閣府は必死になって事態を隠蔽し、「知らない」「わからない」「記憶にない」を繰り返して追求から逃げ回ってきた。菅官房長官は内部文書を「怪文書扱い」にして火消しに走り、荻生田官房副長官は文書の中の自分の発言に対してあくまで「知らぬ存ぜぬ」を押し通し、内部文書の主役である藤原審議官は影も形も見せない有様だ。

 一方、松野文科相の方は「該当する文書の存在は確認できなかった」と発表するのが精一杯で、「文書は存在しない」と明言することができなかった。松野文科相は(事態の推移を知っているので)その時点で文書の存在を否定できず、「確認できなかった」と言わざるを得ないほど追い込まれていたのである。形ばかりの調査では世論が到底納得しないことを知っていたからだ。

 だが、前川氏が記者会見して「文書は確実に存在していた」「あるものをないとは言えない」と断言したことを契機に風向きが一気に変わった。さすがの菅官房長官も「文科省で適切に判断する」と文科省に責任を押し付けて身をひるがえし、同省内で文書が共有されていたことを示すメールの写しが公表されてからは、記者発表の席上でも答弁不能の状態に陥った。もはや政権を運営していく上で(鉄面皮で)白を切り通すことができなくなったのである。

 問題は、安倍首相が「徹底調査する」と言いながら、肝心の「火元」の内閣府は調査しないで「煙」が出た文科省だけに調査を限定していることだ。疑惑の本命は、言うまでもなく加計学園の獣医学部新設を遮二無二強行した官邸と内閣府(下部組織)にある。それを指揮したのは官房長官や副長官、首相補佐官や内閣府官僚たちである以上、文科省だけを調査しても事態の本質は絶対に明らかにならない。ここから、事態の本質をあくまでも隠蔽しようとする「トカゲの尻尾切り作戦」が浮上してくる。言うまでもなく、トカゲの本体は官邸と内閣府であり、尻尾は文科省だ。文科省に全ての責任を押し付けて切り捨て、官邸(だけ)が生き残ろうとする姑息な作戦である。

 これまでの経緯からして、文科省の再調査では文書の存在を何らかの形で認めざるを得ないだろうが、「その資料が実在したとしても、(内容が)正しいかどうかはその次の話だ」(萩生田官房副長官)というのが「次のシナリオ」だろう。「総理のご意向=官邸」の威を借りた内閣府官僚たちが、文科省をはじめ関係省庁を恫喝して加計学園の便宜を図ったことを隠蔽するためには、あくまでも内閣府は「ブラックホール」にしておかなければならない。「火元」の現場検証が行われると出火原因が特定され、火災の構造が解明されるからである。ここに「内閣府は調査しない」とする安倍政権の真の意図がある。

 それでは、今回の「加計疑惑」の火元でありブラックホールである「内閣府」とはいったい如何なる組織なのか。内閣府は2001年に設置された新しい行政組織であり、もともとは政府内の政策の企画立案・総合調整の補助が業務とされている(官邸の)下部組織にすぎない。関係省庁の政策調整組織にすぎない内閣府がなぜかくも強力な影響力を行使できるようになったのか。その原因は、第2次安倍内閣が発足した2014年に内閣府人事局が各省庁の幹部人事を一括してコントロールできるようになり、強権を振るえるようになったことがある。これによって官邸は霞ヶ関の官僚の人事を全面的に握ることになり、そこから官僚を意のままに動かせるようになって、「忖度の行政」が一挙に各省庁に広がるようになったのである。

 「安倍1強」の政治権力が官邸や内閣府を駆使して国政の私物化を図る、それを典型的に表したのが「森友疑惑」であり「加計疑惑」だった(である)。しかし、安倍政権とそれに群がる公明、維新の会などの追随勢力は、いま現在においてもなお事態を隠蔽し、政権維持を図ろうと執拗に策動を続けている。天皇退位特例法が成立した日に「文科省再調査」を発表したのも世論の関心を逸らそうとした姑息な手段の表れであるし、国会を早晩閉会することで野党の疑惑追及を交わそうとしているのもその一環だ。

 自民党内では、首相は「初動操作」を誤ったという声が出ているという。「森友疑惑」「加計疑惑」への対応に当たって、安倍首相(夫妻)が身に降りかかる火の粉を払うために動揺を重ね、「初動操作」を誤ったことは容易に推察できる。しかし、それは「国政私物化」のなせる業であって、自業自得ともいうべき必然的結果にほかならない。国政の大義を担うことのできない政治家は、所詮「初動操作」の誤りを重ねていく以外に出口がないのであって、安倍政権はこれからも限りなく「操作ミス」を重ねて自滅に至るだろう。(つづく)

2017.06.13  明仁天皇の退位をめぐって

小川 洋(大学非常勤教師)

 6月9日、明仁天皇の生前退位を可能とする特例法が国会で成立した。天皇が退位の意向を示されたのは昨年8月であったが、皇室典範は生前退位を想定していなかったため、官邸や国会で議論が続けられてきた。この間、あまり表だって議論されることのなかった天皇のあり方をめぐって、さまざまな見解が表面化することになった。本稿では「生前退位」、「男系継承」、「天皇の役割」の三点について、歴史を振り返りながら論じたい。

生前退位
 結論から言えば、生前退位は歴史的に見て、皇室の伝統に近いものである。よく知られているように、平安後期には天皇は早くに子に譲位して退位し、院政を敷いて実権を握った。教科書的には院政時代と呼ばれるが、この形式は、断続的に江戸時代まで続く。江戸時代も5代にわたって院政が敷かれ、生前退位は繰り返された。

 ただ応仁の乱が始まった直後の1470年の後花園上皇の死去から1629年の後水尾天皇の院政開始までの150年間ほどは途絶えた。理由は簡単で、この時期には皇室が極端な窮乏に陥っていたからである。戦国大名が跋扈するなかで、天皇ばかりではなく公家の領地も在地勢力に奪われ年貢の納入も滞るようになる。

 皇室の財政窮乏がもっとも厳しかったのは、後柏原天皇(在位1500-1526)と、その後任の後奈良天皇(在位1526-1557)の時代である。後柏原天皇は、先帝の死後、即位の儀式を実施するまで、じつに21年間待たねばならなかった。室町幕府が経費の負担を嫌ったからである。時の管領が「大がかりな即位礼など無駄なことだ」と主張したと伝えられる。待ったなしの葬儀さえ滞り、後柏原天皇の先帝であった御土御門天皇の遺体は40日余りも放置されたという記録さえある。
 後奈良天皇も即位礼の実施まで10年かかっている。京都では後奈良天皇のアルバイトが微笑ましい話として言い伝えられている。裕福な市民が、多少の金銭を付けた短冊を御所の壁に掛けておくと、後日、短冊に天皇の和歌が認められて返されたという。今でも京都などの古書店で、その宸筆を見かけることがある。

 したがって、戦国期の混乱が収拾に向かうと皇室財政も一息つき、生前退位と院政が復活した。しかし幕府が初めに認めた皇室領は5万石程度と、中小大名並だったため、宮家は3家のみとなり、宮家に残った子女以外の多くは僧尼として京都などの寺院(門跡寺院)に入れられていた。皇位の安定的継続のために宮家の増設が必要と考えたのが、6,7代将軍の下で幕政を担当した新井白石である。朝廷の財政支援を拡大し、閑院宮家が成立した。

 本論の話題からは多少外れるが、この「対策」がその後、皇統断絶の危機を救うことになる。1779年に後桃園天皇が21歳の若さで急逝し、子どもは皇女一人のみという事態となった。そのため、崩御の事実をしばらく隠し、当時、宮家にあって唯一の男子であった閑院宮家の9歳だった師仁を天皇の養子として即位させた。光格天皇である。新参の分家からの即位だったためか、成人となった天皇は皇室の伝統の研究と行事の復活に熱心だった。御所の建物も、平安期の記録に基づいて幕府の資金で再現した(ただし現在の建造物は幕末のものである)。なお光格天皇の事績については藤田覚『幕末の天皇』(講談社)に詳しい。また光格天皇は院政を敷き、現時点では歴史上、最後の上皇となっている。

 では、なぜ明治憲法体制を整えた伊藤博文たちは、皇室の伝統ともいえる多くの前例を無視して生前退位を認めなかったのか。その理由は記録上も明らかである。生前の譲位を可能とすれば院政が復活し、天皇の政治的な「使い勝手が悪くなる」ということである。そもそも明治の元勲たちには、天皇を神格化して尊重する気持ちなどあまりなかったことは、よく知られている。したがって明治政府によって作り変えられた天皇制は「伝統」を無視したものと言える。

 戦後の憲法制定の際にも皇室典範を改正して生前退位を盛り込むことは可能だったはずである。しかし当時は、宮家に複数の男子がいて、皇室の断絶の可能性を危惧する声は少なく、典範の抜本的な改正の動きは鈍かった。また戦後の国家財政窮乏のなか、47年には11宮家が廃絶され皇籍を離脱している。
 生前退位の制度は、明治政府の政治的な理由によって否定された伝統の復活ともいえる。「伝統」を語ることの好きな「保守系」の人々の間には、生前退位に拒否反応を示す人もいるようだが、今一度、歴史を振り返って考え直すべきである。

男系の問題
 これも結論から言えば、男子による万世一系という物語は、古代国家形成過程に国史が編纂された際に「作られた」もので、日本の伝統とは言い難い。712年の古事記、720年の日本書紀編纂に際して、天皇の系図が示されたが、その際、モデルとした中国(唐)に倣って男系で示す必要があった。古代史の研究者の大半は天武天皇(在位673年-686年)より前の天皇の系図に信頼性があるとは考えていない。日本書紀にも推古天皇、皇極天皇と持統天皇の3名の女性天皇が記載されている。系図上では女系で皇位が継承されていないが、中国と異なって女系社会の要素の強かった日本の古代社会では、女系の継承があったと考える方が自然であろう。

 女性天皇を回避したがっている一部の保守派の態度の根には、『日本会議の研究』で知られるようになった菅野完が指摘しているように、女性蔑視の観念を強固に保持している中高年男性たちのメンタリティがある。子どもの頃から父権主義的な意識で生きて、高度経済成長期の成功体験をもつ中高年男性たちである。彼らにしてみれば、「女どもをのさばらせたくない」という感情が強い。理屈ではなく感情であるから、議論によって意見の相違を乗り越えることは難しい。理屈を言わせれば、「Y染色体を尊重してきたのだ」という、それこそ訳の分からない議論が出てくるのは、彼らの議論が感情に根差していることの証左といえよう。

 男系維持を主張する人たちが代替案として主張するのは、旧宮家の復活である。しかし、すでに廃絶からほぼ3世代目である。一般市民としての生活をしている家族である。朝のゴミ出しで挨拶していたような近所の人が突然に天皇家の後継ぎとなっても、逆に皇室の権威を傷つけるだけだろう。現皇室の若い女性たちは、明仁天皇を始めする皇族の薫陶を受けながら、皇室の伝統を体現する方々として成長されている。皇室の存続は絶対に必要だと考える国民は女性宮家の創設を支持するべきである。

天皇の役割
 5月21日の毎日新聞はトップ記事で、退位を検討する有識者会議のなかで「天皇は祈ってさえいればよい」と、陛下が国民の中に出てこられることに批判的な主張をする委員の発言があり、天皇がそのことに不快感を示されたと報じた。
 そのような「有識者」が、委員として選ばれたこと自体が驚きである。明治以降、いずれの天皇もその時々の政治的要請、あるいは自らの判断に基づいて、国内外を積極的に訪問されている。明治天皇も交通手段の不便な中、全国各地を訪問している。公家の中心人物程度にしか認識されていなかった天皇を国家元首として前面に押し出した明治政府の期待に応え、国民の前に姿を示したのである。また国内外からの戦争責任追及の動きがあるなかで昭和天皇が全国各地を隈なく回り、新しい「象徴」天皇の姿を模索したことはよく知られている。明仁天皇については言うまでもない。沖縄を始め東日本大震災後の東北地方、さらには旧南洋諸島の戦跡など、国民に寄り添う明仁天皇の姿勢は一貫している。

結論
 天皇の地位は「国民の総意」に基づく。いま、少子化による皇位継承の危機が国民に共有されている。後嗣が途絶えたところで天皇制度を廃止するという意見もありうるだろう。私個人としては愛子さまに皇位を継承していただきたい。憲法は男女平等を保障している。また現政権が「女性活躍」を謳っていることからも、今後の日本社会に良い刺激ともなるであろう。また愛子さまが国外の王族と国際結婚をされるようなことがあれば、グローバル社会への対応という意味でも今後の日本社会にとっては、プラスにこそなれマイナスにはならないだろうからである。
 女性天皇に否定的な人の中には、女性天皇が外国人と結婚すれば、日本の皇室ではなくなる、と心配する人がいる。日本の戸籍制度しか知らない頑迷で狭量な思考から、そのような議論が出る。仮に現実となっても、それは外交交渉により解決される問題である。

2017.06.12  ラマダン(イスラム教の断食月)入りでテロ続発
    イスラム国(IS)が今年もテロ呼びかけ

伊藤力司 (ジャーナリスト)
 

16億人から17億人と推定されている全世界のイスラム教徒(ムスリム)は、今年5月27日から1か月のラマダン(断食月)の間、夜明けから日没まで間一切の飲食を控えている。断食はイスラム教の教祖ムハンマドが信徒に命じた行いである。信徒たちは日のあるうちは一斉に断食をし、日没とともに食事を共にすることでムスリムとしての一体感を強め、さらに苦痛を共有することで自分たちの宗教を再確認し、信仰心を高揚させるのだという。

ムスリムは断食を通じて、宗教的な感情を高ぶらせ善行に励もうとする。イラクとシリアの一部を根拠地にした「イスラム国」(IS)などイスラム過激派は、こうしたラマダンの効用を利用して戦闘員にテロを命じている。果たせるかな、5月31日アフガニスタンの首都カブールの中心部で大規模な爆弾テロが発生して150人以上が死亡。6月3日夜には英国の首都ロンドン中心部でテロ犯3人がワゴン車を暴走させて歩行者を跳ね飛ばし、さらに近くの飲食店街で刃物を使って通行人を殺傷するというテロ事件で7人が死亡、少なくとも48人が負傷した。

英国ではラマダンに入る前の5月22日夜、イングランド中部の大都市マンチェスターのイベント会場で、米有名歌手のコンサート終演直後の群衆を目掛けて爆弾を爆発させ、少なくとも19人が死亡、50人以上が負傷した。このマンチェスター爆破事件と6月3日のロンドン連続テロ事件では、ISがネットを通じて犯行声明を出している。

また世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアではラマダン前の5月24日夜、首都ジャカルタ市内のバスターミナル付近で起きた2度の爆発により警官3人が死亡、警官ら12人が負傷した。現場付近に爆弾を爆発させたテロ犯とみられる男の遺体2体が見つかった。翌日ISが系列メディアのアマク通信を通じて「実行したのはISの兵士だ」と主張した。

一方フィリピン南部のムスリム地域のミンダナオ島マラウイ地区では、5月23日から続く政府軍とISに忠誠を誓う現地ムスリム武装勢力との戦闘で30日までに、一般市民を含む死者が100人を超えたとフィリピン・メディアが報じた。ミンダナオ島とその西方のスルー諸島を根拠地とするイスラム過激派武装組織「アブサヤフ」と「マウテ」はともにISに忠誠を誓っている集団だ。

2003年のブッシュ米大統領によるイラク侵攻で始まった中東の混迷は、2011年に本格化した民衆運動「アラブの春」を通じて中東アラブ世界全域に拡大した。とりわけ2011年3月に始まったシリア内戦は、イスラム過激派を育てる場となった。秩序が崩壊したイラクとシリアを足場に、預言者ムハンマドの後継者という意味の「カリフ」が統治するイスラム国(Islamic State=IS)の樹立を宣言したのが2014年6月のことだった。

以来3年間にわたりISを名乗るテロリストは、フランス、ベルギー、ドイツ、スウェーデンなど、西ヨーロッパで次々に爆弾や自動車暴走によるテロ事件を引き起こし、世界を恐怖に追い込んできた。ごく最近では6月7日、イスラム教シーア派の“ご本尊”とも言うべきイランの首都テヘランの国会議事堂とイラン・イスラム革命の指導者故ホメイニ師を祀る霊廟をISの戦闘員計6人が銃撃や爆弾で襲撃、少なくとも12人が死亡、42人が負傷した。

ISは2014年6月以来イラク第2の都市モスルを占領し、シリア北部の都市ラッカを「首都」と宣言して保持してきた。だが昨年来満を持してイラク中部から北部のIS根拠地を制圧してきたイラク政府軍は本年当初から、イランの革命防衛隊やイラクのシーア派民兵、レバノンのシーア派民兵ヒズボラなどの支援を得て、本格的なモスル解放作戦を進め「モスル陥落は真近か」と言われるに至った。

またIS戦闘員が立てこもるラッカに対する包囲作戦も、ロシア軍の援護を受けたシリア政府軍や現地のクルド人民兵隊などが、米軍を始めとする有志国連合の援護も受けて進展中だ。この包囲作戦に参加しているトルコ軍によると、ラッカの陥落は遠くないという。モスルとラッカからは、一般市民に変装したIS戦闘員が続々と逃亡しつつあると報じられている。

おそらくISは“建国”の2014年6月以来最悪のピンチを迎えているのだろう。劣勢に立っているだけに、イスラム信仰心が高まるラマダンの間に世界中でテロを起こそうと呼びかけているのだろう。参考までに、5月22日のマンチェスターのテロ事件の後ISが出した犯行声明を紹介しよう。

「アッラーのお導きとその恩寵のより、至高至大のアッラーの宗教への報復として、多神教を恐怖させ、ムスリムたちの館への彼らの攻撃に対する反撃として、カリフ国の兵士の1人が英国のマンチェスター市における十字軍の集会のなかで爆発物を置くことに成功した。そこで、放埓なコンサートのためのアリーナの建物において爆弾を爆発させ、およそ30人の十字軍の殺害とその他70人の負傷につながった。アッラーのお許しにより、次にくるものは、十字の崇拝者およびその傀儡たちにとってより強力で、ひどいものとなる。万世の主、アッラーに讃えあれ。(保坂修司訳)

2017.06.11  安倍政権は民主主義を殺そうとしている
    世界平和七人委が「共謀罪」法案審議で緊急アピール

岩垂 弘 (ジャーナリスト)


 世界平和アピール七人委員会は6月10日、「国会が死にかけている」と題する緊急アピールを発表した。
  世界平和アピール七人委は、1955年、世界連邦建設同盟理事長で平凡社社長だった下中弥三郎の提唱により、人道主義と平和主義に立つ不偏不党の知識人有志の集まりとして結成され、国際間の紛争は武力で解決してはならないを原則に、日本国憲法の擁護、核兵器禁止、世界平和実現などについて内外に向けアピールを発表してきた。今回のアピールは125回目。
 現在の委員は、武者小路公秀(国際政治学者)、土山秀夫(元長崎大学学長)、大石芳野(写真家)、小沼通二(慶應義塾大学名誉教授)、池内了(名古屋大学名誉教授)、池辺晋一郎(作曲家)、髙村薫(作家)の7氏。

 アピールは参院で審議中の「共謀罪」法案に対する安倍政権の対応について論評を加えたものだが、「法案をほとんど理解できていない法務大臣が答弁を二転三転させ、まともな審議にならない。安倍首相も、もっぱら質問をはぐらかすばかりで、真摯に審議に向き合う姿勢はない」「政府は国会で、あえて不正確な説明をして国民を欺いているのである」と断じ、「安倍政権によって私物化されたこの国の政治状況はファシズムそのもの」「この政権はまさしく国会を殺し、自由と多様性を殺し、メディアを殺し、民主主義を殺そうとしているのである」と批判している。
 アピールの全文は次の通り。

                   国会が死にかけている

                世界平和アピール七人委員会
  武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野 小沼通二 池内了 池辺晉一郎 髙村薫

 かつてここまで国民と国会が軽んじられた時代があっただろうか。
 戦後の日本社会を一変させる「共謀罪」法案が上程されている国会では、法案をほとんど理解できていない法務大臣が答弁を二転三転させ、まともな審議にならない。安倍首相も、もっぱら質問をはぐらかすばかりで、真摯に審議に向き合う姿勢はない。聞くに耐えない軽口と強弁と脱線がくりかえされるなかで野党の追及は空回りし、それもこれもすべて審議時間にカウントされて、最後は数に勝る与党が採決を強行する。これは、特定秘密保護法や安全保障関連法でも繰り返された光景である。
 いまや首相も国会議員も官僚も、国会での自身の発言の一言一句が記録されて公の歴史史料になることを歯牙にもかけない。政府も官庁も、都合の悪い資料は公文書であっても平気で破棄し、公開しても多くは黒塗りで、黒を白と言い、有るものを無いと言い、批判や異論を封じ、問題を追及するメディアを恫喝する。

 こんな民主主義国家がどこにあるだろうか。これでは「共謀罪」法案について国内だけでなく、国連関係者や国際ペンクラブから深刻な懸念が表明されるのも無理はない。そして、それらに対しても政府はヒステリックな反応をするだけである。
 しかも、国際組織犯罪防止条約の批准に「共謀罪」法が不可欠とする政府の主張は正しくない上に、そもそも同条約はテロ対策とは関係がない。政府は国会で、あえて不正確な説明をして国民を欺いているのである。

 政府と政権与党のこの現状は、もはや一般国民が許容できる範囲を超えている。安倍政権によって私物化されたこの国の政治状況はファシズムそのものであり、こんな政権が現行憲法の改変をもくろむのは、国民にとって悪夢以外の何ものでもない。
 「共謀罪」法案についての政府の説明が、まさしく嘘と不正確さで固められている事実を通して、この政権が「共謀罪」法で何をしようとしているのかが見えてくる。この政権はまさしく国会を殺し、自由と多様性を殺し、メディアを殺し、民主主義を殺そうとしているのである。

2017.06.10  アフガニスタン 2001年以来最悪の危機に(上)
    首都で最大のテロ、反政府デモ、トランプも及び腰

坂井定雄 (龍谷大学名誉教授)


 アフガニスタンの首都カブールで5月31日に発生した爆弾テロは、死者150人以上、負傷者数百人となり、2001年の米同時多発テロ事件をきっかけとした米国主導のアフガン戦争でタリバン政権が崩壊し、カルザイ政権が樹立されていらい、首都で最悪のテロ事件となった。カブールは厳重な警備下に置かれ、中心部の政府・外交区画はとくに出入りが厳しく制限され、外国の大使館や援助組織の要員も安心して生活できるはずの場所だった。それだけに、大量の爆発物が運び込まれ、爆発されたことへの恐怖の衝撃は深刻で、大使館や援助組織の駐在員多数が争って帰国した。
 犯行組織は、現在まで名乗りを上げていない。中東からアフガニスタンに進出し、拠点を築いてテロを繰り返し始めた宣伝好きの「イスラム国(IS)」も名乗りを上げず、最大の反政府武装勢力のタリバンは関与を否定する一方で、タリバンから離脱したより過激なハッカーニ派の犯行だといっている。
 おそらく、攻撃した組織が狙ったタイミングは、6月6日、7日の2日間、アシュラフ・ガニ大統領が主催してカブールで開いた国際和平会議。2014年に発足したガニ大統領の“挙国一致”政権に参加する政党、パシュトゥン、タジク、ハザラ、ウズベク各民族の政治・武装組織の指導者らと、米国はじめ支援各国の代表、援助機関代表が参加する、いわば危機突破のための国際会議だった。会議は予定通りカブールで開かれたが、大規模テロ事件で出席するはずだった各国代表、大使館員らが参加を取りやめ、あるいは急きょ帰国し、さびしい会合になってしまった。
 そのうえ、事件直後から、首都でガニ大統領の辞任を求める大規模な反政府デモが始まり、アフガニスタンの危機の深さがさらに露呈した。
 ▽政治的危機:アフガニスタンでは2001年9月の米同時多発テロ事件直後の10―11月、米国主導のアフガン戦争でタリバン政権が崩壊。暫定政権、移行政権を経て、04~14年の11年間はカルザイ政権。14年4月の後継大統領選挙では、国内最大民族パシュトゥン人のガニと、パシュトゥン人の父・タジク人の母を持つアブドラが厳しく争った。選挙結果は当初、アブドラの勝利が発表されたが、パシュトゥン人勢力から不正集計だとの激しい反対が起きたため、米国が仲介して選管の集計をやり直し、逆にガニの当選が確定。ガニを大統領、アブドラを対等な立場の官房長官として、各民族の軍閥や有力者が政権の要職を占める“挙国政権”が発足した。米国の支援もあり、当初は順調に進むかにみえたが、間もなくガニ大統領の傲慢、能力不足、民族の違いの悪用などへの不満が高まり、アブドラとの協調関係も失われてしまった。それでもオバマ政権下の米国はガニ大統領を支援してきたが、トランプ政権は少なくともこれまでのところ、米軍増派の方針を一応表明しただけ。ガニ政権への支援の姿勢はあいまいで、対アフガン政策は不明のまま。「イスラム国(IS)」支配地を実験場にして大規模爆風爆弾モアブを投下しただけだ。
 ▽軍事的危機
現在、アフガニスタンの国軍は16万500人、国家警察隊14万8300人。外国からの戦闘支援部隊は米軍8400人だけ。他にNATO諸国の部隊2、3千人程度が国軍の訓練に残留している。しかし、ここ数年、反政府武装勢力タリバンの攻勢が拡大、今年に入ってからは3か月で国軍が1千人以上死亡、4月にはタリバンに攻撃された基地で200人以上の国軍兵士が死亡した戦闘も発生した。アフガン政府が実質的に支配している地域は、2015年末の72%から昨年末の57%に減少したと、米政府は推定している。減少した大部分は、タリバンが支配する地域になった。
かっては米軍とNATO諸国中心の国際支援部隊(ISAF)が計14万人以上いた外国軍隊は、2015年までにほぼ撤退を完了している。
 トランプ米政権発足後、アフガニスタン政府は米軍増強を改めて要請したが、これまでのところ、マクマスター安全保障担当大統領補佐官が3000~5000人の米軍増派に同意しただけ。政権内に増派反対があり、トランプ大統領もアフガンへの軍事介入強化には消極的だといわれている。他のNATO諸国は、アフガンから手を引いた状況。
 日本も多額の資金協力をして、合わせて31万人の国軍と国家警察隊を作り上げた。それなのに、武装勢力は1万人にも満たないといわれるタリバンやその他の武装勢力に国土の半分近くの支配を奪われたのは、なぜなのか。その理由の納得できる説明を読んだことも、聞いたこともないが、米国が支援してきたガニ政権への国民の反感の広がりが、根底にあることだけは確かだ。
(続く)
2017.06.09   ■短信■

     6.15南北共同宣言17周年 国際シンポジウム
     朝鮮半島と東アジア~平和への新たなステージへ~

 朝鮮半島情勢が緊迫する中、日本では一方的に「北朝鮮の脅威」が煽られ、それを口実に政府は安保法制に基づく初めての集団的自衛権行使といえる「米艦防護命令」を発令し、巡航ミサイルなどの「敵基地攻撃能力」保有を検討しています。一方、国会ではまともな議論もなしに「共謀罪」法制化に向けた審議が与党主導で着々と進められるなど、安倍政権による平和憲法をないがしろにした「戦争のできる治安国家」への暴走が止まりません。
 トランプ米政権の対朝鮮政策が徐々に浮き彫りになり、韓国では朴前大統領の弾劾による大統領選挙の結果、「対話による解決」を掲げる文在寅政権が発足するなど、朝鮮半島情勢の行方に世界の耳目が集まっています。
 1953 年7 月の朝鮮戦争停戦協定締結以降、戦争が終結されない交戦状態が60 年以上も続く朝鮮半島では、1976 年から毎年春と夏に世界最大規模の米韓合同軍事演習が行われ一触即発の戦争危機が定期的に生じています。世界最大のホットスポットとなっている朝鮮半島における平和体制構築は、南北朝鮮はもとより、東北アジアの平和と日本の安全保障にとってもっとも重要で切実な課題となっています。
 この度、2000 年6 月15 日の南北首脳会談と南北共同宣言17 周年を迎え、その歴史的意義を振り返りながら、朝鮮半島の緊張緩和と和解、東アジアの真の平和に向けた新たなステージを切り開くための課題と展望について、日本と南北朝鮮、北米、中国、ロシアの専門家らをお招きして国際シンポジウムを開催することになりました。

◆日 時:6月11日(日)14時~17時半(受付開始13時半)、参加費千円
◆場 所:中央大学駿河台記念館281号室(東京都千代田区神田駿河台3-11-5)
  JR中央線「お茶の水」、地下鉄「新御茶ノ水」下車)

◆シンポジスト:コーディネーター 纐纈厚(山口大学名誉教授)
日本 浅井基文(元外務省地域政策課長)
   「朝鮮半島と東アジアの平和の為に日本が成すべき役割」
朝鮮 李炳輝(朝鮮大学校文学歴史学部教授)
   「6.15南北共同宣言の今日的意味と朝鮮半島の平和と統一の行方」
韓国 キム・ビョンギュ(THAAD反対全国対策委員会執行委員長)
   「新政権誕生から観る6.15共同宣言履行と平和統一への展望」
カナダ ミシェル・チョスドフスキー(オタワ大学名誉教授)
   「トランプ政権の朝鮮半島政策の問題点と米朝関係の展望」
ロシア キム・ヨンウン
(ロシア科学アカデミー極東問題研究所朝鮮問題研究センター上級研究員)
   「東アジアと朝鮮半島の平和ためのロシアの政策」
中国 鄭己烈(中国清華大学客員教授)
   「米中首脳会談後の中国の朝鮮半島政策」

◆主 催:東アジア市民連帯
(参加団体:フォーラム平和・人権・環境、6・15 共同宣言実践日本地域委員会、ピースボート、日韓つながり直しキャンペーン、日韓民衆連帯全国ネットワーク、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会、村山首相談話を継承し発展させる会、東京朝鮮人強制連行真相調査団、朝鮮学園を支援する全国ネットワーク、朝鮮の自主的平和統一を支持する日本委員会、日本朝鮮学術教育交流協会、「戦争と女性への暴力」リサーチアクションセンター(VAWW RAC)、全日本建設運輸連帯労働組合

◆問合せ:フォーラム平和・人権・環境
TEL:03-5289-8222
メール:park@gensuikin.org
http://www.facebook.com/eastasia.solidarity
                           (岩)

2017.06.08  安倍首相による国政私物化の3つの大罪
                               
広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)


 「森友疑惑」と「加計疑惑」に共通する特徴は、第1に、公私混同といったレベルを遥かに超えて、安倍首相・安倍政権による国政の私物化(お友達への利益供与、官僚機構の私物化)が進んでいることだ。第2は、安倍政権による国政私物化の事実が明らかになることを恐れて、国民主権の基礎である「知る権利」を乱暴に踏みにじり、公文書廃棄による情報隠しや御用新聞の活用による世論操作が組織的に行われていることだ、第3は、安倍首相の地位(個人的利益)を守るため、国権の最高機関である国会の審議を無視して野党の議論を封じ、翼賛与党による数の力で議会政治を崩壊に導いていることだ。

 「森友疑惑」は、昭恵首相夫人による籠池氏への異常とも言える肩入れ、すなわち籠池氏が推進する小学校(別名、安倍晋三記念小学校)設置に向けての個人的(私的)協力から始まった。昭恵夫人の名誉校長就任、首相夫人付職員による財務省など関係省庁への根回し、近畿財務局からのタダ同然の国有地売却など、事態は水面下で粛々と進められてきたのである。ところが地元豊中市議の奮闘によって疑惑が発覚し、動揺した安倍首相が、自身が関与した事実が明らかになれば「総理を辞める、議員を辞める」と広言したことから、事態は一大政局事件に発展した。

 こうなると、安倍首相は自らの地位を守るためには事件の疑惑を一切否定しなければならなくなる。ここから安倍政権による一連の策動が本格化し、財務省による籠池氏交渉記録など関係資料の「廃棄」、国会での野党質問に対する首相、財務省局長らの「知らぬ存ぜぬ」の一点張りの答弁、野党の国会調査権行使の妨害など、議会政治を崩壊に導く一連の「国政私物化プロセス」が始まったのである。

 だが、「加計疑惑」はもっとスケールが大きい。こちらの方は、安倍首相の「長年の友人」「腹心の友」である加計氏に対して国家戦略特区という国家プロジェクトまで動員し、官邸総ぐるみで加計学園の獣医学部新設を推進してきたという一大疑獄事件が発覚したのである。加計学園の獣医学部新設を実現するためには、地方創生担当相を指揮してこれまで周到に準備を進めてきた京都産業大学を蹴落とし(私は、同大学が鳥インフルエンザ研究の世界的権威を招聘した段階からこの経緯を知っている)、関係する農水省や文科省を強引にねじ伏せ、赤信号を青信号に変えなければならない。そこで首相補佐官や内閣府参与までを総動員して文科省に繰り返し圧力をかけ、加計学園のための「総理のご意向」を実現することに奔走したのである。

 ところが、「森友疑惑」は外部からの情報公開請求が事件発覚の切っ掛けだったが、「加計疑惑」の方は文科省内部から『総理のご意向』文書がリークされて発覚したところに大きな違いがある。いわば、安倍政権を支える官僚機構の中から、しかも事務方トップの文科省前事務次官が『総理のご意向』文書を本物と認定したのだからその影響は計り知れないほど大きい。安倍政権による国政の私物化が行政を歪め、「官僚の忖度」が歯止めの利かないところまで来ていることに危機感を覚えた1次官が、意を決して立ち上がったというのが真相だろう。わが国にも「官僚の矜持」を忘れていなかった人物が幸いにも存在していたのである。

 「森友疑惑」がまだ記憶に残っている時点で「加計疑惑」が発覚したことは、安倍政権にとっては一大打撃だった。慌てた首相官邸が御用新聞やラジオを総動員して前次官を総攻撃したことも、国民の反感に火に油を注いだ。国会では動かぬ証拠を突き付けられても「確認できない」「再調査しない」と白を切る一方、喋り放題の御用新聞やラジオには「単独出演」して、意の内を思いのままに報道させる。こんな公私混同を繰り返す首相に世論が我慢ならなくなり、国政を正常化しなければならない、国政を安倍政権から取り戻さなければならない、という声が次第に高まってきているのである。

 問題は、安倍首相に屈服する与党議員の凄まじいばかりの政治的退廃だろう。自民内部にはもはや正論(産経の『正論』ではない)を述べるまともな議員は誰一人残っていないし、自民にコバンザメの様に引っ付き、食い残しの餌をもらう公明の姿は醜悪そのものだ。国会討論でもテレビニュースでも歯の浮いたような自民追随の言葉を繰り返す公明幹部には、正直って反吐が出る思いすら覚えるのは独り私だけではあるまい。維新の会に至っては「大阪万博」の匂いを嗅がされただけで土下座してすり寄る有様は、まさに「浅ましい」の一言に尽きる。

 世論はまだ本格的に動いているとはいえない。しかし、最近の床屋話や飲み屋での会話など、私の周辺でも少なくない変化が感じられる。北海道新聞が5月26~28日の3日間に実施した調査結果によると、安倍内閣を「支持する」は4月の前回調査から12ポイント減の41%、「支持しない」は12ポイント増の57%だったという。北海道はもともと民主党の地盤でTPPなどアベノミクスに批判的な地域だからその結果にも頷けるが、6月1日に発表された日経新聞電子版「クイックVote」の調査結果には正直言って驚いた。内閣支持率は、なんと前回調査の52.1%から25.4ポイントもダウンして26.7%に急低下したのである。

 「クイックVote」は週1回、電子版の有料・無料の読者を対象に行っている世論調査で、その時々のトピックスが中心テーマになる。投票者の多くは大都市のビジネスマンだとされており、実は今度の投票には私自身も1票を投じた。おそらく同様な感じで投票した人が多かったので、そんな結果になったのだろう。日刊ゲンダイ(6月5日)は、有権者の投票動向に詳しい井田明大教授(計量政治学)のコメントを次のように紹介している。

 ―まず「クイックVote」の支持率が極端に落ちたのは、加計問題などに関心が高い人が投票したからでしょう。通常の世論調査はかかってきた電話に答える“受動的”なものですが、「クイックVote」は自分から動く“能動的”なものです。直近のニュースに反応しやすい。「北海道新聞」の調査の方は、これまで“消極的”に支持していた人が離れた結果でしょう。“消極的な支持”は崩れやすい。もともと北海道は、民進党の金城湯池だったこともあり、安倍内閣を消極的に支持していた人が多かった可能性があります―

 この先、大手紙の世論調査でどのような変化が起こるのか今のところは予測がつかない。しかし「安倍1強」の歪が民主国家の統治機構を破壊させるまでに達していることを鮮明に浮かび上がらせたのが、今回の「森友疑惑」「加計疑惑」の両疑惑コラボだった。遅まきながら、国民世論は着実に変化しつつあるのではないかと感じる。安倍政権による「1億総馬鹿社会」化に対抗するためにも、日本国民はもう一度自分の足元を見つめ直してほしい。

2017.06.07  “六”について考える
    小山の教育通信 [2017.6月-1]

小山和智  (グローバル化社会の教育研究会事務局長)
       

「六月無礼」(クールビズ) の季節です。今年も暑そうですね。

中国では、“六”は “陸”のイメージと重ねて、十分・正常・安定の数 と考えられてきました。「六法」「六国」「六朝」「六歌仙」など無数の用語があります。「六義」は 『詩経』にある漢詩の分類法で、紀貫之は これを借用して和歌の六種の風体を整理しました。「兼六」は、洛陽の「湖園」が「宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の 六つを兼ね備える」と 謳われた縁起です。いずれも 日本を代表する庭園の名前になっています。

欧州・中東で“6”は、「“7”が象徴する完全さに達しない」のイメージです。「666」と重なれば 聖書の「number of the beast (獣の数字)」になり、「evil omen (凶兆=縁起悪い)」と忌み嫌われます。
なお、「ろくな~ない (nothing good comes of ~)」を「六な…」と書くことはできません (「陸な…」または「碌な…」にするか、ひらがなで書きます)。また「deep six」は “水葬, 廃棄, 拒否”の意味になります。

さて、もう半世紀以上前のことですが、棚橋絢子先生(東京女子学園 初代校長) の言葉に「ただ書を読み知識を得るだけでは学問とはいえない。学んだ知識を 実際に社会で応用し、物事の道理を悟って はじめて学問と言えるのである。各自がしっかりと自立し 各自の務めを果たすこと、これが社会に貢献することにもなる」があります。教育学者B・S・ブルームの『教育目標の分類体系 (TAXONOMY of Educational Objectives)』(米1956年。分析・分解の一方で 統合・編集の作業を行い、教育全体の構造を把握して 実践に役立てようとする試論) の影響が 色濃く現われています。

帰国生の受け入れと指導に真面目に取り組む学校を除いて、『教育目標の分類体系』は長い間、無視・放置されてきました。しかし最近は、多くの学校が、グローバル化の荒波の中で「自分の頭で考え、自分の意見を持ち、それを人に伝え共有できる力」の意識的な育成の意義を見直す“ツール”とし始めているようです。
「グローバル人材」という用語を、どう捉えるかは様々な意見があるでしょうが、要は「どんな背景や価値観を持つ人間ともチームを組んで働き、より好い結果を出せること」が基本でしょう。あらゆる職場において そのことが要求される時代ですし、多分 AI(人工知能) との付き合い方の真髄も、そこら辺りにあるのだろうと思います。

6月30日(金)の第60回グローバル化社会の教育研究会(EGS)では、この「21世紀型教育の実践」を正面から取り上げます。会場は いつもの聖学院中学・高校(東京都北区) ですので、同校の先生方から“最先端授業”の話題提供をしていただきます。また今回は、高校3年数学の授業も特別に見学させていただけるそうです。「生徒一人ひとりが深く考え、仲間と協働して問題を発見し解決していく」条件を整える際のコツや留意事項についても、話し合いたいと思います。

それでは、例によって他のニュースも。
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嘉悦大学の特別講演会

日 時  6月10日(土) 午後2時~3時半
場 所  嘉悦大学カエツホール (東京都小平市花小金井南町2-8-4)
テーマ  『日本語は世界の人々をつなげる』
      講師:鈴木 孝夫 (慶應大学名誉教授)
※ イリノイ大学、イエール大学、ケンブリッジ大学など 各国の客員教授/研究員の経験のある鈴木先生に、言語生態学的文明論を伺います。
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異文化間教育学会 第38回大会

日 時  6月17日(土)・18日(日) 午前9時~午後5時
場 所  東北大学 川内キャンパス (仙台市青葉区川内27-1)
内 容  [特別課題研究]『異文化間能力を生かす--- 実践に向けて』
     [公開シンポ] 『国際共修:留学生と国内学生の学びあいをデザインする』
※ 異質な文化の接触によって生ずる様々な教育の問題を 学問対象として取り上げ、その研究を推進しています。
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東京六大学野球 春季リーグ戦は、立教大学が15戦を闘い9勝(勝点4)を得て 見事優勝! 18年振り13回目です。卒業生は 待ってました……(感涙)。
また、佐藤琢磨さんも「インディ500」で見事優勝されました。世界最速サーキットを平均時速250kmで完走し、牛乳を浴びる姿は格好いい! あの牛乳は、一口は飲まないと 賞金が減るんだそうですね。

南スーダンに派遣されていた自衛隊PKO部隊が、無事に帰還してきました。規律の取れた優れた集団として 各国の部隊から 高く評価されたことも嬉しいです。しかし、朝のラジオ体操の時間まで潰して、北朝鮮の脅威を煽る政府のやり方は、ナチス・ドイツに似ていて 不愉快です。

夏休みを利用した海外研修や留学のオリエンテーションが行われる時期ですね。海外の高等教育では 今、“チームの総力を最大化する実践力”が重視されていることを理解させておかないと、現地で「何故、こんなことを?」と 面食らったり悩んだりすることが多くなります。
また、医療制度の違いについて正確に理解させておくことも、サバイバル面で大事です。引率者がいない海外研修や留学生を送り出す学校側の指導責任は、とても重いといえます。

それでは皆様、ごきげんよう。

小山 和智 ( OYAMA, Kazutomo)
 http://www.toshima.ne.jp/~kyoiku/
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(過去のニュースは 下記をご覧ください。)
 http://www.toshima.ne.jp/~kyoiku/shijo-news.htm

2017.06.06  社会主義、こんなはずではなかったが
    ――八ヶ岳山麓から(223)――

阿部治平(もと高校教師)


中国の一瞬現れてはすぐに消されてしまうウェブサイト上で、中国の貧しい人々(原文「窮人」)の定義集を発見しました。原作者名がありません。
以前、「我々の父祖はこんな社会をつくるために、抗日戦争を戦い国共内戦を戦って祖国の広野を血で染めたのか」という嘆きを読んだことがありますが、今回も「老百姓(庶民)」のためいきが聞こえてきそうな感じです。
ゴチックのところが原作者のものですが、その内容を、原作者の意図を曲げないように注意して編集・解説してみました。

「窮人」
もともとの名前は労働者階級である
中国の労働者には日本でいう「労働三権」がありません。中国では自主労組を組織することも、賃上げや労働時間短縮などの要求を通すために団体交渉をやったり、争議に入ることもできません。もしストをやれば、スト組織者は反革命、国家転覆罪に問われるかもしれません。日本では労働者は労働三権があるのに、過労死・女性労働問題などでもあまり闘いませんが。

尊称はプロレタリア階級であり、偽称は中国の指導階級である
中国憲法第1条には、中国が「労働者階級が指導し、労働者・農民の同盟を基礎とする人民民主主義独裁の社会主義国家」であるとあります。また人民民主主義独裁」とはプロレタリアート独裁の形式のひとつとしています。

率直にいうと貧乏人、経済学上の定義は低収入階層である
上海などの大都市の2015年の若い人の平均年収はほぼ5万元。円換算で約75万円で、日本の4分の1程度。統計上は毎年賃金は10%程度上昇しています。いま農民工の日当は100元程度、年300日働くとすれば年収は3万元、すなわち45万円程度になります。若い人は地方都市の食堂の仕事でも月4000元程度を要求するようです。大学教師の初任給は月6000元、年収120万円程度。
しかし、ジニ係数を見ればわかるように、中国では所得格差が大きく、平均収入はあまり意味をもちません。上位20%の人の年収が24万元で360万円くらい。上位1%の(といっても1000万人超)の収入は日本人の想像をはるかに越えます。この階層には隠れた収入がGDPの30%はあるといいます。
ちなみに、2011年私の中国での日本語教師としての月収は3000元でヨーロッパ人教師の3分の2。大学に文句をいったら「英語圏からの教師はなかなか得られない。日本人はいくらでも来る。したがってこれは市場原理だ」といいました。じゃ、中国的市場経済のもとでは同一労働同一賃金の原理はどうなっているのでしょうか。

外国での呼び方はブルーカラーで、別名は肉体労働者である
中国史の上では宋朝以後貴族は消滅。支配階級は皇帝と、それに仕える「士大夫」とか「読書人」と呼ばれる官僚階層でした。支配される側は庶民です。「士大夫」は頭を使い、庶民は体を使います。この伝統の力は強力で、「士」と「庶」の関係は今日も普遍的に存在します。いま「庶」が「士」になるのは、大変むずかしい。

愛称は弱勢集団で、あだ名は蟻族である
愛称はともかく、蟻族はよく知られたあだ名です。中国では、2000年前後から中国は大学の定員拡大、新増設政策をとったために、年間700万という大卒者を生み出しています。ところが期待する職にありつけない者が北京・上海などの東部大都市には、100万人前後存在するといわれています。蟻族は大学卒業後、故郷に錦を飾ろうとしてもそうはできず、低賃金労働で生計を立て、郊外の農民工地域「城中村」にある安いアパートの部屋を借り、5,6人でルームシェアをして、読書だの映画だのの文化もレクレーションもない生活を余儀なくされています。

社会学上の定義は、生存しているだけの人である
原文では「生存型生活者」となっています。この典型は鼠族です。蟻族が「城中村」から追い出され、地下室で生活するものをいいます。1960年代中ソ対立激化のころ、毛沢東の「深挖洞・広積糧・不称覇(深く穴を掘り、食糧を蓄え、覇をとなえず)」政策によって、都市ではソ連の空爆対策の防空壕を掘りました。現在広いものは地下商場になりましたが、小さいのは安アパートになり鼠族がすみかとしています。

政治学上の定義は社会の不安定要素である
貧困階層は、中国だけではありませんが、ときどきガス抜きをしないといつ暴れ出すかわからない存在です。政府が「反日」をよびかけると、得たりや応とたちあがり、日系店舗や日本資本の自動車をめちゃめちゃに破壊して、期待以上の業績を上げるわけです。
農村でも政府による農地取上げなどの際、よく暴動が起こりますが、散発的で横の連帯がないので指導者株を逮捕して警察で拷問、虐待をやればたいていは収まります。

常日頃は失業者とよばれ、政府から与えられた名前は一時帰休である
貧困者がすべて失業者ではありませんが、一時帰休のほうは事実上の解雇失業者です。レイオフされた中年労働者の再就職は大変困難なものになっており、若年も含めた全体失業者は約8%あるといいます。
ところが、統計上では、求人が求職をかなり越えています。高失業率と人手不足がなぜ併存するかについては、いろいろな説があります。私は年齢や知識、技術などをめぐる求人側と求職側の要求のミスマッチングがあると思います。

民政部門の定義は生活保護の該当者である
中国の「最低生活保護費」制度は、1997年にようやく都市貧困者を対象として発足しました。その後の経済成長政策によって都市・農村の格差が急激に広がったため、2007年に農村にも「生活保護費」制度が実施されるようになりました。地域によって違いがありますが、2007年では年収857元(1万2800円)以下を対象とし、2011年に年収2300元(約2万8000円)以下に引き上げられました。
その結果、農村部の最低生活保護費受給者は6374万人から1億2238万人を越え、生活保護支給額は一人当り月約60元(約900円)であったものが、2011年には250元(約3050円)になりました。
しかし、郷村の役人がピンハネをやって騒動が起きたことがあり、ところによっては支給額を全村民で分けるといったこともあって、そのまま保護対象者の手にわたるとは限りません。

2017.06.05  新聞の圧倒的多数が「共謀罪」法案に廃案・徹底審議を主張
    成立賛成派はごく少数
 
岩垂 弘 (ジャーナリスト)

 参院で審議中の組織的犯罪処罰法改正案(「共謀罪」法案)について、全国の新聞はどう論じているか。それを知りたくて、国立国会図書館で閲覧できる全国の新聞52紙の社説を調べてみた。そうしたら、「共謀罪」法案を成立させよと主張している社説はごくわずかで、圧倒的多数の社説は法案の廃案か徹底審議を主張していた。これでも、政府・与党はマスメディアに現れた民意を無視して法案の可決・成立を強行するのだろうか。

 「共謀罪」法案に関しては、5月19日に自民、公明、日本維新の3党が衆院法務委員会で強行採決し、さらに、5月23日には、これら3党が中心となって法案を衆院本会議で可決して衆院を通過させ、審議は参院に移った。このため、各新聞は5月20日から26日にかけて、いっせいに社説、論説、主張などの欄で、この法案と審議状況を論じた。

 52紙のうち、社説欄がなかったり、この期間に「共謀罪」法案問題を論じなかったのが9紙(17・3%)あった。残りは43紙だが、社説の内容からみると、その内訳は「法案成立賛成」4紙(7・6%)、「法案成立反対」10紙(19・2%)、「徹底審議を」29紙(55・7%)であった。「反対」と「徹底審議を」を合わせると、75%にのぼる。

 「法案成立賛成」は読売新聞、産経新聞、富山新聞、北國新聞、「法案成立反対」は北海道新聞、信濃毎日新聞、朝日新聞、毎日新聞、中日新聞・東京新聞・北陸中日新聞、高知新聞、愛媛新聞、琉球新報である。「徹底審議を」は地方紙の大半と日本経済新聞だ。

 法案成立派の代表的な論調は産経新聞のそれだ。同紙5月20日付「主張」のタイトルは「国民の生活を守るために」で、こう書く。
 「テロ等準備罪を新設する組織的犯罪処罰法改正案が衆院法務委員会で可決された。速やかに衆院を通過させ、参院で審議入りしてほしい」「2020年東京五輪・パラリンピックは、残念ながらテロリストの格好の標的となり得る。開催国として、国際社会と協力して万全の備えを期すことは当然の義務である。法案の成立は、そのはじめの一歩にすぎない」 読売新聞も5月24日付社説で「テロ等準備罪に関わる犯罪の主体は、組織的犯罪集団に限られる。集団と無関係の人に嫌疑は生ぜず、当然、捜査対象にはなり得ない。批判は当たるまい」「テロ対策は焦眉の急である。必要なら、7月2日の東京都議選をまたいだ会期延長もためらわずに、成立を図るべきだ」と書く。

 一方、「法案成立反対」派の北海道新聞は5月24日付紙面で「『戦前』に戻してどうする」と題する社説を掲げ、「(法案の)本質は『平成の治安維持法』と呼ばれ、過去3度廃案になった法案の内容と何も変わらない」「捜査は個人の内面に向けられ、犯罪の計画段階での処罰が可能となる。実行行為を処罰する刑法の大原則を転換することになる。捜査当局による市民生活への監視を強め、思想や表現の自由などを保障する基本的人権を侵しかねない。危険な法案は参院で徹底審議し、廃案にすべきだ」と論じた。
 
 信濃毎日新聞は、5月24日付社説「社会を窒息させる懸念」で「準備と判断するために、当局はあらかじめ目を付けた組織や市民を監視し、動向をつかもうとするだろう。警察が強大な権限を手にし、市民の運動や意見表明を圧迫する恐れは増す」「衆院の審議は、法相がしどろもどろの答弁に終始し、政府の強弁も目に付いた。なお追及すべき論点は多い。参院で徹底して審議し、廃案にすべき法案であることを明確にしなければならない」と書いた。
 
 琉球新報の5月24日付社説は「治安維持法下の戦前戦中のような監視社会を招いてはならない。十分な論議もなく憲法に反する法案を強行採決したことに強く抗議する。立憲主義・民主主義の破壊は許されない。廃案しかない」と述べた。

 中日新聞グループ(中日新聞、東京新聞、北陸中日新聞)は5月20日、「なお残る『共謀罪』法案の懸念」と題する共同社説を掲載したが、その中で「政府・与党に今、必要なことはこの法案を強引に成立させることではなく、内心に踏み込むような法整備を断念することである」と書いた。

 さらに、愛媛新聞は5月24日付の社説でこう書く。「政府は今の答弁姿勢を変えないまま、参院でも『時間が来た』と採決を強行する可能性が高い。野党はあらゆる手段を講じて法案の成立を阻止すべきだ」
   
 「法案成立反対」派は法案に反対する理由として、いずれも、法案の内容が日本国憲法が保障する思想の自由や表現の自由に抵触する点を挙げているが、政府の「2020年東京五輪・パラリンピックを開催するためのテロ対策として必要」という主張に対して疑問を呈した社説もあった。例えば、高知新聞の5月24日付社説は「テロ対策そのものを否定しているのではない。現行法で対応可能ではないのか」と書いた。

 「徹底審議」派の新聞社説は、いずれも、その理由として、法案に対して国民が抱いている「一般市民もテロ準備罪の捜査対象になるのでは」という不安、疑問に政府が十分に答えていない点を挙げている。これは、各紙社説のタイトルを見ると明白である。例えば、こうだ。

 岩手日報「理解は得られていない」、秋田魁新報「参院で徹底審議が必要」、河北新報「国民の不安を軽んじている」、山形新聞「疑問と不安が拭えない」、上毛新聞「解消されていない懸念」、茨城新聞「拙速な成立を許すな」、日本経済新聞「なお残る『共謀罪』法案の懸念」、神奈川新聞「疑念解消されていない」、新潟日報「採決強行で疑念が膨らむ」、山梨日日新聞「疑念置き去り、参院で熟議を」、静岡新聞「不安置き去りにするな」、北日本新聞「論議は深まっていない」、神戸新聞「国民の理解を得ていない」、山陽新聞「多くの疑問残ったままだ」、京都新聞「審議を尽くす責任がある」、中国新聞「議論を一からやり直せ」、西日本新聞「『良識の府』で徹底審議を」、南日本新聞「論点棚上げは許されぬ」、沖縄タイムス「懸念解消にはほど遠い」

 どれをとっても、社説執筆者の懸念や危機感が伝わってくる。こうした新聞界の論調が参院での審議に影響を与えることができるか、どうか。はたまた、政府・与党に押し切られるのか。結論の出る日が迫っている。